冬のエビネ
今日は予報通り暖かくなりました。
さすがに東京都内のように12℃とまではいきませんでしたが、
ちょうど二桁の10℃。11℃を記録した1月10日以来です。
写真の植物は野草好きの方ならもうおなじみの、エビネ。
シュンランやキンランと並び里山を代表する野生ランです。
この株は、もう20年以上前に近所のゴルフ場に自生していたものを
分けてもらった株から生まれた実生株です。
正真正銘の牛久市産のエビネですが、残念なことに
自生していたゴルフ場からは姿を消してしまいました。
採られたのか他の原因かはわかりませんが、
かつては近隣にありふれていたというこのランは、
20数年前の時点でも、もう殆ど見られなくなっていました。
開発や森林の荒廃も消滅の原因ですが、
やはり趣味家による乱獲が一番の原因でしょう。
園芸の世界ではシュンランもエビネも花の個体変異を珍重し、
今日でもいわゆる「変わり花」や「芸物」といった変異個体は
相当な高額で取引されているようですね。
こんな話を聞いたことがあります。
「エビネもじじばば(=シュンラン)も冬に採るんだ。奴らは冬でも葉っぱが
青いからすぐに見つかるよ。とりあえずぜーんぶ採って、いい花が咲いたのだ
け残すんだ。宝くじみたいなもんだな。」
確かにシュンランもエビネも冬に葉が残るため、
冬場は見つけやすいもの。特に葉幅が広く似た植物がないエビネは、
ご覧の通り枯れた林床では実によく目立ちます、それゆえの不幸・・・
あのよれよれの緑葉は、そうまでして残す必要があるものなのだろうかと
つい手前勝手な解釈で思い詰めてしまいます。
それにしても、空くじ扱いで捨てられる花は、あまりにも可哀想・・・
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