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2008年5月

クモが見ている!

5月の締めくくりの一日も、寒くて暗い雨天になってしまいました。
今日の最低-最高気温は11℃-14℃、どうなっちゃったのかしら〜。
この5月、振り返ってみると、当地で完全な晴天だったのは8日間のみ。
さすがにちょっと農作物が心配になってきました。
我が家は太陽光発電ですが、毎年5月が年間の最多発電量を記録します。
日が長い上に晴天率が高いからなのですが、今年はぜ〜んぜんダメでした。

てなわけで今日も先週撮影したカットです。
チャノキの生け垣の根元から生えたハルジョオンの花の咲いているあたり、
一匹のハエトリグモが花を訪れたマメヒラタアブを見つめているところ。
ハエトリグモの種類は、ネコハエトリだと思います。
(違ってたらごめんなさい、mushizukiさんチェックヘルプ!)
マメヒラタアブはマクロ撮影の事情でピンが合っていませんが、
右下の花の上のボンヤリした影がそうです。

ハエトリグモの仲間はみな、網を張らずにタックルして獲物を捕らえます。
一瞬のジャンプの早業で飛びかかるのです。
この時一番大切なことは、獲物との距離を正確に把握していること。
そのため、彼らはフクロウやネコと同じ様な、
真正面を向いたまん丸い2つの目を持っています。
いや、正確に言うとハエトリグモの目は2つではなく8つなのですが
うち顔の正面についた前向きの2つが飛び抜けて大きく、発達しているのです。

真正面を向いた2つの目を持つことで、立体視の能力は格段に向上します。
こうした目の特徴を持つ動物は、おおむねすぐれたハンターか
霊長類のように高知能な生物種ですね。

ハエトリグモは、獲物との距離をちょっとでも正確に掴むため、
目を獲物の正面に向けようとしますが、目が頭胸部に埋め込まれているため
必然的に体全体の向きををこまめに調整し、獲物の方を向きます。
この様子、本人は必死ですが、観察している側から見ると
大変ユーモラスでかわいいものです。「一生懸命」が伝わって来るんですよね。

どうやら自分が有効にタックルできる距離はよくわかっているようで、
その範囲内に獲物が入ってこない場合は
いくら御馳走を前にしても飛びかかりません。
それでもこまめに照準だけは合わせて、有効射程内への進入に備えるのです。

ところで、2つ並んだ真円のレンズアイがとても可愛らしいためか
ぴょこぴょこ動く仕草のせいかわかりませんが、
ハエトリグモは案外人気があるようですよ。実際女性ファンもいます!
色や模様が美しい種類もいるので、
クモという生物の中にあってはかなりアイドル的かもしれませんね。

抵抗のない方は、真剣に獲物を見つめるつぶらな瞳を
ポチッと大きくしてご覧くださいませ。

Nekohaetori

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もったいない精神 -ヒラタハナムグリ-

エゴノキの花は清楚な白がとても美しく、
また吊り下がって群れ咲く様子が華やかで、大好きな花です。
それなのにこの花が林縁を彩る頃は
地上や草の上が一気に昆虫天国に変貌する時期でもあるので、
ついつい頭上のこの花を見逃してしまいます。
先日も書きましたが、今年は地上に落下した花で
「あっ、咲いてた!」と気付きました。

庭のエゴノキも今年は花数が多く、落ちた花で樹下が真っ白に見えるほどでした。
その様子を撮影したものの、何だかいかにもって感じでハマりすぎていて・・・
こう、上手く言えないのですが、恥ずかしくなって掲載はやめました(笑)
しかしその花をクローズアップして見ると、なにやら小さな甲虫が・・・

これはヒラタハナムグリ、とても小さいですが、
こう見えてもカナブンと同じグループの甲虫です。
庭の小さな白い花にはだいたいどの種類にもやってきます。
小さくて身軽なせいか、コゴメウツギやこのエゴノキなど、
足場が不安定な花も苦にしません。
そんな彼らが落ちた花で何をやっているのかよく見てみると
どうやら残っている蜜を吸っている様子、
右下のは花の正面中央に潜る正攻法ですが、(私の影に驚いて
固まってしまいました・・・ごめんね)
左上のは筒状の花の後側から潜っています。なるほど、
正面からだと密のある部分にたどり付くまで少々手間がかかりますが
後からだといきなりビンゴです。本当にそうなのか私もぺろりと後から・・・
「甘い、ちゃんと蜜が残っているんだぁ!」感心しました、これは合理的です。

気付くと他の数カ所でもヒラタハナムグリが同じことをやっています。
「蜜が残ってるのに落ちたからって捨てちゃうのはもったいないでしょ!」
その通りですね。いやぁ、今日も勉強になりました。
でも、私が気付かなかったら、君たち踏まれてたかもよ・・・

Hiratahanamuego

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葬儀屋さんの葬儀 -オオヒラタシデムシ-

何だか今日はちょっと底冷えを感じました・・・大げさでしょうかね。
でも、予報よりも気温が低く、桜の花が咲くころの陽気だったとか。
最低気温は12℃、最高気温は14.5℃、ほとんど変化なしでしたね。
一日暗かったので、庭にカメラを持ち出すこともありませんでした。

というわけで写真は先週阿見町で撮影したカットです。
2匹の虫が写っていますがどちらも同じ種類、オオヒラタシデムシといいます。
片方(持ち上げられている方)は既に死んでいるものですが、
別に共食いの決定的瞬間というわけではありません。
これは歩道で踏みつぶされて死んだ個体を、別の個体が食べるために
土の上に運ぼうとしているところです。(結局物理的には共食いでしたね)

この虫、つまりシデムシの仲間は「森の葬儀屋さん」と呼ばれます。
死んだ生き物の体を土に埋めながら食べるためです。
その働きは大変なもので、鳥やネズミの死体などはほぼ一昼夜で
殆ど土の中に埋もれてしまうほどです。
さすがに大きな哺乳類などはそう簡単に片付かないでしょうが、
こういう大きな死体は鮮度が落ちないうちに、カラスやタヌキなどのエサとして
消費されるので、手つかずで全体が腐敗する様なことはあまりありません。
自然は上手く出来ていますね。

実際今の時期に森を歩くと、オオヒラタシデムシは驚くほど沢山います。
常に地面を歩き回って、埋葬すべき死体を探しまわります。
今回は、見つけた死体がたまたま同業者だったということ。
やはり例外無く食べながら土に還します。

ただ、昆虫の死体に関しては偉大なるライバル「アリ葬儀社」もありますので
先に見付けた者勝ちということになります。
実際、20メートルほど離れたところで、
アリによるオオヒラタシデムシの葬儀も手際良く営まれていました。

注目は生きている方の体に乗っている数匹のダニ、わかりますか?
大抵のシデムシにこのダニが沢山付いています。
シデムシだけでなく、糞に集まるコガネムシの仲間にも
同じ様なダニが沢山付いています。
このダニは昆虫に寄生しているのか、昆虫のエサとなっている
死体などの腐敗物や糞に用があるのかわかりませんが、
少なくとも生活環境を確保するためにはシデムシにくっ付いているのが
好都合なようです。今見えている数匹のダニは
死んでしまったシデムシから大急ぎで移動してきた連中です。
よくわかりませんが、どうやらシデムシがシデムシを葬儀することで、
幸運にも命拾いしたみたいです。

生き物たちのつながりは本当に複雑で無駄が無いですよね。
みんなが微妙に役割を分担しているので
必要の無い生物なんてひとつもいない・・・毎度ながら、勉強になります。

Oohiratashideroadkill

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お色直しはいつ? -ショウジョウトンボ-

今日は4日ぶりにまたお天気が下り坂、
午後から冷たい北東の風が強くなりました。
明日は冷たい雨になるとのこと。九州南部と四国が梅雨入りしたようですね。

写真は池の排水路で撮影したショウジョウトンボの羽化。
ショウジョウトンボをご存知の方なら
「え?これがあのショウジョウトンボなの!?」とおっしゃるかも知れません。
なぜならショウジョウトンボは、
赤トンボよりも赤いといわれるくらい真っ赤っかなトンボだからです。
ショウジョウとは猿に似た赤毛赤顔を持つ伝説の動物「猩々」のことで、
この形容でわかる通り、とても赤いことを表現して付いた名前なのです。

ところが写真のトンボはどちらかというと
黄色っぽいというか、金色っぽいというか、ちょっと赤とはほど遠く見えますね。
これは羽化直後で体が固まっていないせいかというと、そういう訳ではなく
体がしっかり固まって、ここから飛び立つ時もこの色です。

トンボには成虫になってから、
体の成熟に応じて体色が変わる種類が少なからずいます。
シオカラトンボは、オスとメスで体色がはっきりと違うトンボですが
羽化して日が浅いオスは体に青味がなく、メスと同じ様な色彩です。
以前池で羽化し、その後も池に縄張りを張った
オスのシオカラトンボにマーキングして観察したところ、
体に青味が出て来たのは羽化後4日目ぐらいからで、
完全に成熟して粉が吹いたような水色になったのを確認したのは9日目でした。
他にもイトトンボのいくつかの種類は色彩性差が現れるまでに日数が掛かり、
しかも複数の種類で似た様な変化の段階を踏むので
雌雄だけでなく種類の見分けも難しいものがいます。

ショウジョウトンボについてはマーキンングして追跡観察していませんが、
やはり少なくとも4日から一週間ほど掛かりそうな気がします。
しかしそれまでにどのような段階を踏むのかは分かりません。
いきなり真っ赤になるとは思えませんが、
かといって変化の途中段階みたいな個体を見た覚えもありません。
白状すると、写真のトンボがショウジョウトンボであることを知ったのも二年前、
それまではキトンボの仲間かと思っていました。
ちなみにショウジョウトンボも、メスは真っ赤にはなりません。
写真のものよりは濃い色ですが、赤ではなく薄いオレンジ。
ん?ひょっとするとオスも途中経過として、メスと同じオレンジになるのかな?
こんな具合ですから、トンボはそれほど種類がいないように思えても、
その何倍も色や模様を細かく覚えないと充分な同定ができません。
難しくもあり、面白いところでもあります。

Shoujouuka

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四半世紀のお付き合い

ゴールデンウィーク中の5月3日のブログに載せた花、
シプリペディウム・パルビフローラム・バー・プベッセンス。覚えてますか?
あの花の基本種が今日の写真の花です。
シプリペディウム・パルビフローラム・バー・パルビフローラム
(Cypripedium parbiflorum var. parbiflorum)。

5日前に開花が始まりました。
プベッセンスに遅れること3週間近くですが、毎年こんな感じです。
違うのは開花時期だけでなく、より球形をした唇弁、えび茶色が強く出る
側花弁と顎片、小振りな花と25センチ程度に収まる草丈などなど・・・
生物学的には同じ種なのですが、これだけ色々と違いがあるので
変種同士の関係として分けられています。

このパルビフローラムを手に入れたのは今から25年前、
伊豆の洋ラン業者さんに頼み込んで分けてもらいました。
個性的な花を見て一目惚れしたのです。あれからもう四半世紀!
栽培しているアツモリソウの中ではもちろん、他の植物を含めても
最も長く付き合っている株のひとつです。
これだけ長く栽培できているのは、この株がとても丈夫で大当たりだったから。
前回紹介したプベッセンスもかなり丈夫な方ですが、
それと比べても本当に強いです。暑さなど全く問題になっていません。

側花弁が強くねじれながらも、
カーブせずにピッと斜め45度下方に張るところがお気に入りです。
株分けすると数年はひとつの花茎に2〜3輪咲きますが
芽数が殖えて来ると1輪咲きになります。
またそろそろ株分けのタイミングでしょうか。
我が家のアツモリソウの花リレーは、
このパルビフローラムに続くレギナエ(Cypripedium reginae)がアンカーです。
本当は間にもう一種、ケンタッキーエンセ(Cypripedium kentackyense)が
あったのですが、残念なことにある日鉢ごと
こつ然と姿を消してしまいました。本当に残念!
レギナエはもう数日で咲きそう。咲いたらここに掲載します。

Cypparbiflorum

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颯爽たるミントブルー -アオスジアゲハ-

今日もカッと暑くなりましたね。
気温もさることながら、日射しに気後れしそうでした。
宮崎の方では、33.3℃を記録したとか・・・当地は26.5℃でしたが、
薄暮の天井からにわかに雷鳴がして、どしゃ降りの通り雨!
その後はぐっと気温が下がり、最低気温は一日の終わりに出た15℃でした。

さて、予定通りイボタが開花し、大勢のお客さんで朝から賑わっています。
ハナムグリが3種類もそろっていたので、ブログのタイトルを
「甲虫さん、いらっしゃい2」にしようかと思ったのですが、
カメラのファインダーに大きな蝶が飛び込んで来たので
思わずシャッターを押してしまいました。アオスジアゲハです。

この蝶、私がまだ幼稚園の頃、庭に来たのを憶えています。
翅の中央にドミノのように走るミントブルー、鮮烈な記憶です。
モンシロチョウやカブトムシなど、親や周りの大人に
当たり前に教えてもらった虫を別にすると、
おそらく初めて名前を憶えた昆虫です。
でも当時の私には昆虫図鑑の絵を探し当て、
カタカナで書かれた名前を憶えるのが精一杯で
食樹がクスノキであることや、
どちらかというと南方系であることなど知る由もありませんでした。
当時(昭和42年頃)住んでいた東京の調布市では、
それほど多く見る蝶ではなかったと思います。

その時のインパクトも手伝ってのことでしょうが、
この蝶のミントブルーには特別な爽快感を覚えます。
アオスジアゲハがいつも颯爽としている蝶だからかもしれません。
このブルーがもうちょっと黄色味がかっていると
よく似たミカドアゲハの色になりますね。
アサギマダラのブルーがとても近いのですが、
ゆるやかに飛ぶアサギマダラだと、個人的には今ひとつピンと来ません。
もっともアサギマダラは色の周囲が真っ黒ではないし、
翅の形も丸みを帯びているので、あれはあれで独特の雰囲気ですが・・・

写真の蝶は、右の後翅が大きく欠けています。
おそらく鳥に襲われたのでしょうが、
確かに素早い蝶でも開けた空間を飛ぶ時には、
鳥のアタックを受けているところを何度も見かけたことがあります。
ツバメなんか上手に後方から追い付きますし、
ヒヨドリも小回りを利かせて何度もアタックします。
上には上がいる・・・というか、つくづく楽な虫などいないですねえ。

Aosujiagehaibota

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雨上がりのスイーツ

昨日からシトシトと降り続いた雨がようやく止んだのは
午後2時を回った頃でした。
スカッと晴れた雨上がりとはいきませんでしたが、
本日開店の予告が出ていたスイーツのお店
「テラスがまずみ」は閉店時刻の数時間前にもかかわらず大盛況。
心待ちにしていた開店が雨にたたられ、虫たちは随分我慢していたようです。

アブやハチの他、ハナムグリ、カミキリもやってきました。
写真はいい匂いが立ちこめる花の上をのこのこ歩きながら
スイーツの品定めに熱心なベニカミキリ。
あまり夢中になりすぎて、
花と花の隙間にズポッとはまってしまったところです(笑)
「おーい、なんとかしてくれぇ〜」と聞こえてきそう・・・

わが庭の隣は立派な竹林になっているため、
タケの材で育つこのカミキリは庭の白い小花の常連です。
白い花によく映える紅色は、遠くから見ても実によく目立つんですよ。
花の上はオスとメスの出会いの場所にもなっているようで、
待ち合わせたかのように合流したカップルが
交尾している場面もよく目にします。
スイーツのテラスでデートとはなかなか洒落てますねえ!

明日は同じ様に白い小花を咲かせる「イボタ廊」も開店の予定。
「マロン亭」も看板の準備が始まりました。
ベニカミキリのあま〜い季節はまだまだ続きそうです。

Benikamikiriottotto

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アヤメまつり?アヤメ園?

雨の降り出しが予報よりずっと遅れ、16時30分頃にぽつぽつ来ました。
それまで夏の様な蒸し暑さで、最高気温は26.5℃でした。

この時期、水郷潮来ではいよいよアヤメまつりがスタートですね。
わが町牛久にも、牛久沼の畔にアヤメ園があって結構多くの人が訪れます。

さて、このアヤメですが、観光アヤメ園で観賞するものの殆どが
実はアヤメではなくハナショウブという園芸品種です。
ハナショウブの原型とも言うべき原種はノハナショウブ。
古くから園芸的に品種改良され、江戸時代には既に
現在見られる花色の殆どが登場していたようです。
その後明治期に移入されたヨーロッパ原産のキショウブも交配に加わり、
黄色やクリーム色のハナショウブも作出されています。
ノハナショウブに近い植物にカキツバタがあります。
「いづれアヤメかカキツバタ」などと引用されるように、
かつては現代よりもずっとメジャーな花だったようですね。
これらはみなアヤメと違って湿生植物であるという共通点があります。
みなさんが「アヤメ園」と称するハナショウブ園が
たいてい水辺にあるのはこのためです。

ではアヤメはというと、
確かにため池の畔やかつて湿原だったような草原にも見られますが、
比較的乾いた丘陵地にも見られ、
農家の方が丘の畑地の縁に植栽したものなども、
元気にたくさんの花を咲かせています。
花の形はよく似ていますが、性質はかなり異なるようです。
最近ちょっとはやっているジャーマンアイリスも、
どちらかというと湿った環境は苦手ですよね。

ではなぜ「ハナショウブ園」ではなく「アヤメ園」なのでしょう?
私は単に語呂の問題かなと思いますが、みなさんはどう思われますか?
そもそもハナショウブは、命名からして二次的です。
すなわち「花の咲く菖蒲」、菖蒲とは端午の節句に入る菖蒲湯の菖蒲、
サトイモ科のショウブのことです。

ショウブとハナショウブ、葉っぱだけ見るとよく似ています。
ショウブの花はサトイモ科にありがちな地味〜な花で、
例えるなら水芭蕉の美しい白襟(仏炎苞といいます)を取り去った
残りのマッチ棒みたいなところだけのの状態に似ています。
こんなショウブに対して、
よく似ているけど立派な花を咲かせるからハナショウブ。
命名の軸足はショウブに置かれているわけですね。
こんなハナショウブを神様が不憫に思ったのか
今じゃアヤメ科一の人気者となりました。
ただ今度はブランド名が「アヤメ」なのが切ないですが・・・

ところで今日の写真は何だかお分かりになりますか?
これこそホントのア・ヤ・メ!

Ayamehana

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こんにちは赤ちゃん

今日はいきなり暑くなりましたね。当地での最高気温は28℃!
本当にいきなりです。

ここ数日忙しくてゆっくり外を見ていなかったのですが、
いつの間にかエゴノキの花が咲いていたようで、
散って地面に落ちた花で開花に気付きました。
上を見上げる余裕が無かったんだなあ・・・
なんかちょっと損した気分です。
それでもまだまだ蕾がありますから、
明日以降じっくり楽しむとしましょう。

今日は隣町(阿見町)の「ふれあいの森」で
少しの時間、雑木林の散策をすることが出来ました。
林はすっかり初夏の装いで、クサイチゴの実が奇麗に熟していました。
もちろん美味しくいただきましたよ。
里山に見られる野いちごの仲間は数種類ありますが、
渋味や苦味がほとんど無く、一番はずれが少ないのがこのクサイチゴ。
まんまるで赤い実は見てくれを裏切らない甘さです。
黄色い実の モミジイチゴも美味しいですが、クサイチゴに比べると
種がちょっと大きいのが口の中で気になります。

写真のバッタ、かわいいでしょ。
大きさは4〜5ミリ、ふ化してまだ日の浅い幼虫です。
種類はおそらくトノサマバッタかクルマバッタあたりだと思います。
園路の一部にこの小砂利のところがあって、そこにたくさんいました。
こうしてマクロ撮影すると目立ちますが、
現場では案外周囲の色に溶け込んで目立ちません。
近づいた時ピンピン跳ねたので気が付いたのです。

バッタの仲間は、割合高い積算温度でふ化するといわれています。
積算温度とは毎日の足していった累積の温度のことです。
つまり、春が来て他の昆虫たちがスタートを切っても
まだ土の中で卵のまま気温の積み重ねを待ち、
遅ればせながら今頃登場するというわけです。どうしてなのでしょうね。
好むエサのイネ科植物との関係があるのでしょうか?
そういえばカマキリのふ化も今頃ですね。
こちらはエサとなる他の昆虫たちの状況が
赤ちゃんカマキリの摂食に適する時期を待ってのことかもしれません。

バッタの仲間もカマキリの仲間も、ちょうど今がベビーラッシュ。
みなさんの身近にある公園や河原できっと見つかると思います。

Battababy

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恋の成就も命がけ -アシナガグモ-

今日の写真は朝に見かけたクモの交接シーン。
水辺が大好きなクモ、アシナガグモです。
抽水植物の間に、水平(水面に平行)な網を張っているのを
よく見かけるクモですね。

この構図ではよく見えませんが、
きゃしゃな体に似合わない巨大なアゴにはカマキリの前脚よろしく
獲物をがっちりつかめそうなギザギザが並んでいて、
細身の人が鬼の金棒を持っている様なアンバランスを感じます。

右側の小さな方がオス、色が白黒っぽくて大きい方がメスです。
繁殖の準備が充分に整ったオスは、同様に成熟したメスの近くに何となく
巣を張り、(下心を気付かれぬよう?)気心の知れた隣人になって
状況が許せばほぼ同居人になることもあります。

そしてチャンスと見るやするするするっとメスに近づき、
異変に驚いて振りかざしたメスのアゴに自分のアゴをガシッと組んで
がっぷりよつ、この体勢づくりに成功すればとりあえず第一段階は成功。
これでメスに逃げられることも、自分が攻撃を受けることもありません。
次にアゴの脇にある触肢を使って、自分の精子の入った袋を
メスの腹の付け根にある交接器に押し込みます。
これが上手くいけば、一応第二段階も成功。

しかし最も危険なのが、ことが済んで組んだアゴを放した瞬間です。
オスは殆ど跳躍に近いぐらいの動きでメスからピュンと離れますが、
これが一瞬遅れると命を落とすことになります。
だからその逃げ足の速いこと!
今回撮影したオスは無事に巣の端まで逃げ仰せましたが、
中にはメスに捕まってしまうオスもいるのでしょうね。
命を落とさないまでも、脚の何本かを失うことはよくある様で、
8本ある脚が3本にまで減ってしまったオスを何度か見たことがあります。
恋の成就も本当に命がけですね〜。

でも、アタックを受けたメスもまんざらでは無いようで、
交接の間は体の黒っぽい部分が真っ黒に変色するほど高ぶっていました。
だったらもちっと仲良くすりゃあいいのに・・・と思うのは
人間の勝手な解釈でしょうかね。

Ashinagagumokousetsu

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学校ビオトープ08 -水を入れてみよう-

今日はにわかに暑くなった一日でした。
そんな日和にぴったりの仕事をしましたよ。
昨年末から取り組んでいる行方市羽生小学校のビオトープづくりです。
これまで土木工事の8割方が済んだところで
底砂が落ち着くのを待っていましたが
初夏に向かって木々の緑が濃くなるこの時期は、
一足遅れて水中の緑も急速に伸び始めます。

と、いうわけで水生植物の植栽工事の第一弾。
初期導入種として苗の準備を進めていた
沈水植物、浮葉植物、抽水植物を僅かですが植えてみました。
沈水植物で水中の森にしたいところは低い方のひな壇に
オオカナダモを植えました。
この植物は外来種ですが、殖えても除去が簡単で他の水生植物を
極端に駆逐することもなく、よく茂り酸素をたくさん出します。
底砂に数本をまとめ田植えのように植え付けていきます。

繁殖力が旺盛だけど是非欲しい、という植物は
大きなプラ樽に植えて管理します。茂れば樽は見えないし、
こうしておけばカットや植え替えも簡単です。
今日は5つの樽のうち3つにそれぞれジュンサイ(浮葉植物)、
アサザ(浮葉植物)、ガマ(抽水植物)を植えました。
みな、なるべく近い地域の出所のはっきりした苗です。

このほかイ(=イグサ)やサクラタデも植え付け、
完成時の予定水深の40パーセント位まで水を張りました。
子供たちは植物の植え付けもさることながら、
みな水や土を全身で扱って歓喜していました。
う〜ん、気持ちはよくわかる。楽しいよね、どろんこ+びしょびしょは!

水を張る前の僅かな溜まり水には、ミジンコがたくさん発生していて、
採集して顕微鏡で観察しました。
ささやかな水環境でも自然に命が息づいている事実は
やっぱり不思議で感動的です。

作業の途中にも、出来上がったばかりの水面をいち早く見つけた
アメンボが徐々にその数を増やしていきました。
これからここでどんなの種類の、
どれだけの命が繋がってゆくのだろうね。
わくわくは一気に膨らみました。

Hanyushokoji04

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池の卒業式 -アズマヒキガエル-

昨夜から大荒れの天気が続いていましたが、
予報通り昼前にはすっきり晴れて爽やかに・・・と思ったら
それからまた曇ってしまい、結局夕日が僅かに覗いただけでした。
花にとっては嵐でしたが、手足が生え揃ったヒキガエルの子供たちには
門出を祝う恵みの雨となったようです。
雨上がりが第一陣の卒業式となりました。

まだおぼつかない足取りで、岸に這い上がる。石を登る。
いきなり強い日射しが雲間から照りつける。
土の上なら大丈夫だが、石は急速に乾き小さな体が張り付きそう・・・
一瞬ひるんだ後、運命の跳躍。

あるものは失敗して水面に落ち、思わぬ命拾い。
あるものは上手に着地したところが完全に乾いた部分、
自らが黒い一点のピリオドとなる。
たった一歩で、もう分かれてしまう明暗!

水際を離れ、目指すは竹林。
体が乾かぬルートを選べるのか。
動くエネルギーが切れる前に、その小さな口に入る獲物は見つかるか。
アリが食いつく。ゴミムシが襲いかかる。カナヘビが待ち構える。

それでも後戻りは出来ない。
池の落ち葉も藻類も、もはや変化した体の糧にはならないのだ。
全ての卒業生の思いはひとつ。
「大きくなって、必ずまたこの池に帰って来る!」

過酷な試練と言ってしまえばそれまでですが、
この一匹一匹が卒業式を迎えるまでにも、
尋常ならぬ試練はいくつもあったはずです。
確かに数は多いです。しかしあまりにも小さすぎる!!
でもこれが神様のバランス。
勝ち残った僅かなものは、アリもゴミムシもカナヘビも
一呑みにしてしまうキングとなり、繁殖のためにこの池に戻って来ます。
今目の前で繰り広げられる子供たちのサバイバルは
切ない気持ちで見守ることしか出来ませんが、その分
繁殖に戻って来る強者たちは、心からたたえてあげたいと思います。
「ちびども、頑張れ!」

Hikigaerujoriku

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甲虫さん、いらっしゃい1

発達中の低気圧が二つ、加えて南方からは台風4号が近づいていて
なにやら怪しい雲行きですね。
今日の最低気温は13.5℃、最高気温は24.5℃でした。
午前中は日も差しましたが、午後からむわっと湿度が上がって
上空がかなり暗くなりました。
でも雨の降り出しは夕方で、さして強くもありません。今のところ・・・

本日の写真は昨年黄葉で登場したコゴメウツギ。
ちょうど今が花の盛りです。
この手の集まって咲く白い小花は多くの昆虫が訪れますが、
中でも特にこういう花を好むのが、ハナムグリやカミキリムシなど
訪花性の甲虫たちです。

彼らは色が美しかったり形が面白かったりと見ていて楽しいので、
庭には訪花性甲虫が好む花を所々に植えてあります。
最初に開花するのが4月半ばのオトコヨウゾメですが、
この頃はまだ多くの甲虫が活動するには気温が足りていないので、
ハチやアブが中心となります。
次に咲くのはウツギのはずですが、挿し木苗の成長が追いつかず
今年はまだ開花はなし。
そして現在開化中なのが、カンボク(スイカズラ科)とこのコゴメウツギ。
どちらにも多くの訪花性甲虫が見られますが、
花が小さいコゴメウツギは集まる虫も小型種です。
単に花が小さいだけでなく、花茎も葉も柔らかいため
少し体が大きめの虫には足場が不安定なのかもしれません。

写真の撮影時間が午前中だったため、まだ虫は殆ど来ていません。
そう、少なくとも我が家においては、コゴメウツギに虫が多く訪れるのは
昼前から午後に掛けてなのです。
カンボクの方は午前中から来ていますから、
蜜や香りがよく出る時間が違うのかもしれませんね。

このあとも、本命のガマズミやエゴノキ、クリ、スイカズラと
白い小さな花のリレーが続きます。
機会があったらシリーズで紹介します。楽しみ楽しみ・・・

Kogomeutsugihana

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池の新緑2008

風は爽やかですが、日射しが強くなりました。
すっかり初夏ですね。
幼木が多いさくら上池の池畔も、遅ればせながら新緑が展開しました。
写真は大きな雲に太陽が隠れた時撮影したものです。
それでも若葉の緑色は眩しいくらいで、
これからの生長に掛ける樹木の意気込みが伝わってくるようです。

生き物たちの動きも活発で、池の中ではタナゴ(マタナゴ)とモツゴが
産卵のピークを迎えています。
タナゴは池の底にすむドブガイという二枚貝に産卵しますが、
モツゴはスイレンの浮き葉の裏がお気に入りで、
強いオスは縄張りの葉裏にメスをエスコートし、産卵を促します。
池の手前、ちょうど写真の下の中央にあるスイレンの葉から
波紋が広がっているのがおわかりになるでしょうか。
今まさに、この葉裏でモツゴの産卵が行われています。

3月半ばの産卵から二ヶ月余りが過ぎたヒキガエルのオタマジャクシも
すでに手足が生え揃いしっぽの方も短くなってきました。
こちらはもうすぐ上陸となりそうです。

ちょうどこの時期、夜に水際を覗くと、
所々で小さな光がぽわ〜んと明滅しています。
懐中電灯で照らしてみると、そこにはちょいとグロな虫の姿が・・・
これはヘイケボタルの幼虫で、こちらも間もなく上陸して蛹になります。

今日の発見その1は池の排水路に2匹のシマゲンゴロウが来ていたこと。
一昨年、昨年と連続して姿を見せてくれました。
牛久市にはいない昆虫だと思っていたのですが、
昨年はここから数百メートル離れた神谷小学校の谷津田でも1匹見かけ
「まだ牛久市にもいる!」と確信しました。嬉しいことです。
発見その2は池畔のクヌギがいよいよ本格的に樹液を出し始め、
今年初めてコクワガタの来訪を確認したこと。
これを見ると、いよいよ初夏だなあ、と感慨もひとしおです。

それぞれの生き物たちが当たり前の営みを見せ、庭を豊かに彩ります。
日ごとに活気づく庭をながめているのはとても楽しく、
こちらの心も少し豊かになるような気がします。
でも、手を抜いているとすぐにぼうぼうに荒れてしまうので、
適度な草刈りや枝打ちが必要なのは、
小さいとはいえ、本物の里山と同様です。

Ike2008shinryoku

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食欲の花盗人

昨日につづいてサンショウバラの写真です。
サンショウバラは昆虫に大変人気の植物のようで、
株をよく見ると上から下まで、実に色々な虫が見つかります。
特に花が咲くこの時期は、花の花粉や蜜を目当てにやって来る昆虫と
それを目当てにやって来る小さな捕食者たちが多く見られました。

花粉や蜜に集まるものとしては、
昨日紹介したマルハナバチをはじめとする
多くの種類のハチ、アブ、ハエなどの他に、
ハムシ類、カミキリモドキ、ハナムグリなどの甲虫の仲間。
捕食者で目につくものはクモ類、カナヘビ、アマガエル、ゲジ(夜間)
などなど・・・一本の低木で、食う食われるの世界が展開します。

捕食者で多いのは何といってもクモで、
ハナグモ、カニグモ、ハエトリグモ、ワシグモ、クサグモ、フクログモ、
ヒメグモ、ヤマシロオニグモなどのコガネグモの仲間など、
樹高1メートルほどの小さな一本にいるわいるわ・・・
それに見合うだけの昆虫が訪れるということなんでしょうね。

同じ花目当てでも、写真の幼虫はちょっと意味が違っていて
花粉とか蜜とかという話ではなく、花そのものが御馳走なようです。
蕾のうちからバリバリと丸かじりしたもんだから
花が開いてもご覧のありさま。
そして今度はおしべが美味しくて仕方がないようです。

これはおそらくヨトウガの仲間幼虫(ヨトウムシ)だと思いますが、
この虫は決まった食草が無いといってもいいくらい色々な植物につきます。
体色も黄緑から褐色系まで様々ですが、
食べる植物の色素が体色に影響しているようです。
写真の幼虫は基本的に緑色ですが、雄しべに似た黄色味が感じられます。
それにしてもすっごい食欲!
見る間に雄しべを半分以上たいらげてしまいました。
本来ヨトウムシは夜行性が強いのですが、
花グルメでは昼間も寝てられません。

でも、たいがいにしておかないとね・・・
鳥から見たら、丸々太った君の方がよっぽど御馳走に見えるよ。

Sanshobarayotou


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控えめな薄ピンク -サンショウバラ-

今日も温かでしたが晴れ間がとぎれとぎれで
洗濯物の乾き具合が今ひとつ、
交代で二回分というわけにはいきませんでした。

気温が高かったので昆虫の動きが活発でした。
羽化して旅立っていったクロスジギンヤンマが、
交尾・産卵に戻ってきました。元気そうで何よりでした。

原種バラもこのブログで紹介した3種に加え、
薄いピンクの控えめな花を咲かせるサンショウバラが加わりました。
このバラ、名前の由来は葉の様子が山椒の葉に似ているから。
バラだと思って見ているので気にもなりませんでしたが
言われてみれば小葉の楕円具合といい、ならびの密度といい
なんとなく山椒っぽく見えないこともないですね。

面白いことに、アゲハが時々間違えて近寄ってきます。
はじめは「まさか」と思いましたが、一度や二度ではありません。
彼らは山椒や柑橘といった揮発系の匂いが強い植物に卵を産むので、
匂いをたよりに食草を探すのだと思っていましたが、
「視覚」も何割か入っているようです。
サンショウバラは葉はほぼ無臭、花は微かですがバラらしい芳香があります。
しかし山椒とまぎらわしい匂いは、少なくとも人間の私には全く感じません。

写真のサンショウバラを訪れているのはコマルハナバチ、
バラの仲間はどれも彼(正確には彼女)らの好みの様で
ハマナスにも頻繁に来ています。
面白いのはハネを止めている時も飛んでいる時と同じ様な羽音がすること。
きっと、クラッチがあるんですよ!
すぐに飛び立てるように、
エンジンはかけたままで花粉を集めているのだと思います。
それにしても力強い動き、こんな感じでゴショゴショやられたら、
確実に受粉しそうです。

Sanshobarakomaru

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ジュンサイ浮上

今朝は霧が出たようですね。
あまり早起きではなかったので余韻程度しか味わえませんでしたが、
若葉が眩しいこの時期の朝霧は見てみたかったです・・・残念!
それにしてもよかったぁ、晴れて、温かくなって。

ここ一週間は暗く肌寒い日が続きましたが、
そんな中でも植物は確実に生長を続けていて、
今日あらためて見たらあちこちの景色がだいぶ変わっていました。

池の水面もご覧の通り、伸び上がって来たジュンサイが
ようやく浮き葉を水面に到達させました。
この浮き葉で浴びた直射日光によりジュンサイはぐんぐん成長、
枝分かれし、たくさんの花芽を付けます。
花芽が付くか付かないかというあたりがジュンサイの収穫適期で、
我が家では間引きを兼ねて柔らかい葉芽や花芽を摘み取ります。
収穫したジュンサイはさっと熱湯にくぐらせ、
吸い物に三杯酢にと美味しくいただきます。

写真の浮き葉を見ると、けっこう虫食いであることに気が付きます。
犯人はマダラミズメイガという小さな蛾の仲間の幼虫です。
体に微毛が生えているのでそこに空気を取り込み
葉の裏側(=水面下)でも活動できます。
今はまだ小さくて目立ちませんが、もう少し成長すると
葉の一部を折り返して綴り合わせ、一見して判る巣を作ります。
鳥からも魚からも上手く逃れて生活するなかなかの知恵者ですね。
私が食べたいのはまだ開く前の葉芽なので、この蛾とは競合しません。
なので、浮き葉に少々穴が目立っても大目に見ています。

Junsaifujou

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ダーティハリイ -種名不詳-

もういい加減やんなっちゃいますねこの天気。
ただの曇天雨天ではなく、とにかく暗い!
梅雨時でもないのにこう続くとさすがにストレスを感じてきました。
予報によると明日は太陽が見られそうなので、期待しましょう。

さて、さくら上池は西側に堤体があり、そこから向かって左岸、
つまり北側に浅棚が設けられています。
ここには抽水植物、湿生植物が生えていますが、
昨年あたりから有無を言わさぬすごい勢いでここを占領しそうな
ダーティな植物があります。

それが写真の植物、種名はわかりません。
カヤツリグサ科のハリイ属(Eleocharis)というところまでは判るのですが
この仲間は同定がとても難しく、これ以上はギブアップです。
ハリイの仲間でも同じところから束になって茎を出すタイプと
地下茎が横に這って面的に茎を出すタイプがありますが、後者です。
だからあっという間に浅棚の全面に広がりました。

オオヌマハリイとかスジヌマハリイ、ヒメハリイといったあたりが
あやしいと思っているのですが、どれもあまり目にしたことが無く・・・
ということは案外珍しい種類なのかも知れませんが、
う〜んん、特定できません。

意図的に植えた覚えはないのですよ。
土か植物の苗に混じって入り込んだと思われますが、
だとすれば遠隔地から来たのではないような気がします。
何しろ強い勢いなのでどうしたものかと思っていますが、
生えて欲しくないところを定期的に刈っていれば
他の植物を完全に締め出すほどダーティな感じではないので
とりあえず共生の方向で調整しています。

直立した細い茎のてっぺんに一斉に花を付ける姿は
なかなか涼やかな美しさだったりします。
また、大型の捕食者が入り込み辛い茎の間の小空間は
イトトンボの楽園になっています。
画面中央のバックにアジアイトトンボがぼけて写っているのが
おわかりいただけるでしょうか。

遠目で見るとちょびっとだけ高層湿原みたいで気に入ってますが、
種名がわからないのはやはり落ち着きません。
土の栄養を補給するため、初期に土浦市の霞ヶ浦湖岸の泥を
バケツに2杯ほど入れたので、
この時に入り込んだ可能性が高いと思います。
どなたか正体をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてくださいませ。

Eleocharis_sp

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潮騒の傍ら -ハマエンドウ-

台風2号は遠巻きにやり過ごしましたが、
台風に引っ張られた寒気の影響は大きかったですね。
最低気温が7.5℃、最高気温は11℃・・・底冷えしました!

気分だけでも晴れ晴れしくということで、
写真は昨日に続いて海浜植物、ハマエンドウです。

ちょうど昨年の今頃、県北部にあって全国ナンバーワンの人気を誇る
某臨海国民宿舎のパンフレットを作る仕事で
白砂青松の海岸を散策する機会がありました。
その時潮騒をバックに咲くこの花を見て、
あらためて「きれいな花だなあ」と見直しました。
それまで海に出掛けると気にも留めずに見ていた花なのですけどね。

写真の株はそのときに茎を一本途中からぽきっと・・・エッヘッヘ
(少々背徳感を伴なった笑いです)
付け根近くの節っぽい分岐を含めて採集すると、
思惑通りちゃんとそこから発根してくれて、一年で大株に成長しました。

この花、咲き始めは赤紫なんですよ。
アジサイのように徐々に変化して最後には美しい青紫になります。
性質は強健で肥料も水も好み、栽培する上では
特に「海浜性」ということを意識する必要はありません。
もちろん、水はけはいい方が好みでしょうけど。
我が家では、大きめの鉢に砂と礫を混ぜて植え込んでいますが、
おそらく一般的な園芸用土でも栽培可能だと思います。
ただ、もしかするとphは高い方が好みかも知れませんね。

ハマエンドウの英名はSea Pea(シー・ピー)、和名のまんまですね。
種子が海流に乗って漂着するためか、
北半球の海岸には広く分布しているようです。
漂着種子って、なんだかロマンがありますよねえ。
我が家のこの花もその昔、
どこか遠い異国の海岸から辿り着いたのではと想像するだけで
ゆっくりと寄せてはかえす潮騒が聞こえる様な気がします。

Hamaendou


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海浜性のバラ -ハマナス-

今日も寒くてお日様知らず、ゴールデンウィーク前の晴天が恋しいです。
それでも季節は確実に進んでいるようで、
庭のあちこちで小型の甲虫を何種類も見かけるようになりました。
一度ちゃんと調査してリスト化したいのですが、
小型甲虫は同定が手強いのでなかなか本腰が入りません。

こんなお天気でもハマナスは元気に満開です。
こういう派手な花色の花を撮影する時は、
晴れよりも明るい曇りの方が上手くいきますね。
へたくその私でもベタッとつぶれません。

ハマナスの学名はロサ・ルゴサ(Rosa rugosa)、バラです。
はまなし(浜梨)という別名もありますが、
この「はまなし」が東北なまりで「はまなす」になったという説がありますね。
野生状態では北方温帯の海浜性植物ですが、性質は至極丈夫で
多少暑い土地だろうが山間部だろうが実によく育ちます。

以前書いたようにハマナスは、バラの交配親として重要な原種です。
特にオールドローズには欠かせない存在の原種で、
その特徴は前述の丈夫な性質の他、大輪で中心部に対して花弁が大きいこと、
花弁が幅広でオーバーラップすること、マゼンタ色の発色が素晴らしいこと、
香りが強いことなど、実に優れた基本性質を持っている他
八重咲き、白花、白花八重咲きなど、魅力的なバリエーションも存在するなど
世界的に見ても本当に魅力に富んだ優れた原種です。

ついでに言うと花は香水、根や樹皮は染料、実はジャムなどに使われ、
実用性にも富んでいます。
そういえば今年は特に花数が多いので、
家人が花びらを集めてポプリを作っていますが、
置いてある部屋はいい香りでいっぱいです。
花びらでもジャムやゼリーが作れるとか・・・ゼリー、やってみようかな

Hamanasu

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空中マイルーム -ハツリグモ-

昨日に続いて寒い一日でした。
最高気温13.5℃はこの時期にしては低すぎですね〜。
最低気温も7.5℃!季節が一ヶ月以上逆戻りです。

今日は暗くて写真も撮れませんでしたので、一昨日のカットです。
写っているのは小さなクモ。コガネグモ科のハツリグモという種類です。
その名の通り巣の中央にくるんと丸まった枯れ葉を吊って、その中に潜みます。
写真左側のバックにぼけて写っているのがその枯れ葉
この巣の場合はコナラの葉でした。
いろいろな種類の枯れ葉を使うようですが、
いずれも乾いて縦方向にくるりんと丸まっているものがお気に入りで
開かないように自分でも糸でとめて中をねぐらにします。

とにかく大変シャイなクモで、獲物が掛かって捕えにいくとき以外は
だいたい吊った枯れ葉のマイルームに引きこもって、
オレンジ色のつま先だけをちょこんと下向きに覗かせています。
ではこの写真では何で外に出ているかというと、
私が脚で引っ掛けて張り糸の一本を切ってしまい、
お気に入りのマイルームが緩んで下がってしまったので、
補修をしているところです。シャイな上に結構神経質ですね。

コガネグモ科のクモには、
巣の中央にいる自分を目立たなくするような工夫が他にも見られます。
自分の食べかすや小さな枯れ葉くずをまとめた中にまぎれるゴミグモや
X字型の隠れ帯に重ねて脚を広げるコガネグモなどなど・・・

丸く張った巣の中央に何かがデンとあったら
かえって獲物に巣を気付かれやすいように思えますが
これは獲物に対してではなく天敵に対しての目くらましなのかもしれませんね。

それにしてもやや透明がかったオレンジ色の体は
細工物のようでけっこうきれいでした。
よくみるとあたりにはあちこちに宙吊りのマイルームがちらほら・・・
草刈りの時は気を付けるとしましょう。

Hatsurigumo

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変種はサン・バースト!

今日は冷たい雨でしたー。最高気温は14.5℃!
今のところ最低気温は8.5℃ですがまだ21時なのでもう少し下がるかも・・・
ちなみに朝方は11.5℃でした。

さて、一昨日の記事で紹介した黄色い野生バラ、
ロサ・フェティダの変種が咲きました。
ロサ・フェティダ・ヴィカラー(Rosa foetida var. bicolor)、
噂通りのすごい花色でした!

基本種の黄色からは想像できないほど鮮烈な朱赤色の花。
それでも喉元は黄色く抜けて、
そのグラデーションがどこかで見たような色合いだと思っていたのですが、
思い出しました。
私が持っているレスポールタイプのギターの色、レッドサンバーストでした!
「オーストリアン・カッパー」というニックネームもありますが、
カッパーと表現するにはあまりにもビビッドな気がします。

園芸品種のバラではよく見かけるなんてこと無い色ですが、
これが野生にあったものだと思うと
はじめて見つけた人はさぞ驚いたことだろうと思います。
それに、以前書いた通り、園芸品種のなんてこと無いこの色は
この花があって生まれ出たものなのです。かなり貢献している原種ですね。
人気品種の「カクテル」なんかが、同じ様な面影でしょうか。

「ヴィカラー」とは「2色の」という意味、
実際花弁の裏側は基本種と同じ黄色なのですが、
表側の朱赤が影響していてほとんどそうは見えません。
表側の朱赤色も、表面がベルベット状なので薄っぺらな陰影にならず、
深みのある豊かな光線反射です。
日本ではほぼ無名に近いこの種が、
海外では非常に高い評価を得ている事もなるほど、と納得できました。

日本で普及しないのは、例えば夏の暑さに負けるとか、湿度に弱いとか
何らかの理由があるのかも知れません。
無事の開花で安心せず、気を引き締めて大切にしたいと思いました。

Fetidabicolor

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蛾の美しさ2 -ホソオビヒゲナガ-

同題名の記事の「1」を書いたのは昨年の12月でした。
その後随分間が空いてしまいましたが、今日は久々に蛾の撮影に成功!
最近園芸植物に偏ってるなあ・・・と気になっていたので、
さっそく掲載することにしました。

種類はヒゲナガガ科のホソオビヒゲナガ
体の長さが6〜7ミリ程度のとても小さな蛾。
しかし、見ての通りで名の通り。非常に長い触覚をもっています。
この長い触覚を持っているのはオスだけで、
メスは短いとは言わないまでも、体に対してまあ常識的な?長さです。
この長い触覚をむちのように左右交互に振り回して
何かに注意を払っているようです。
オスだけが長いということは繁殖に役立つのでしょうね。
蛾の多くはメスがオスを引きつけるフェロモンを出すので、
それをキャッチするのに優れたレーダーなのでしょうか。

蛾は蝶と同じ鱗翅目ですが、蝶には見られない微小な種類が数多くいます。
こういった微小蛾類をまとめて「ミクロ」なんて称しますが
このミクロの中には信じられないくらい美しい色や模様を持ったものもいます。

写真のホソオビヒゲナガも、焦げ茶に見える部分は
実はメタリックな光沢を帯びたブロンズ色で、
黄色のラインより後はきめ細かい編み目模様が施されています。
脚も同じ色調でコーディネートされていてなかなかお洒落!
姿勢をいっぱいに高くしているのでハネがマントのように見え、
何だかヒーローっぽいですね。

Hosoobihigenaga

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純黄色の野生バラ -ロサ・フェティダ-

この頃・・・昨日は違いましたがここのところ、夕方の風が冷たいですね。
今日は日中も日射しの割によそよそしいひんやりした風でしたが、
夕方以降はぐっと冷えて最低気温が夜に出ています。現在23時40分で10℃。
こう寒いとクビキリギスもケラも鳴いていません。
昨日は網戸に姿を見せたヤモリも隠れています。

写真の花は原種バラの一種、ロサ・フェティダ(Rosa foetida)。
冬の間に苗を入手したものですから、これが初めて見る花です。
原産地はイランからアフガニスタン、ヒマラヤにかけてで
意外なことですが鮮やかな黄色のバラはもともとこの1種だけです。
ですから今日栽培されている園芸品種の黄色いバラは
殆どすべてがこのフェティダの血統から生まれたもの。
(クリーム系の黄色は他の血統もあります)

自分では実物を見たことがなかったので、咲いてくれて大感激でした!
山吹色でもなく、レモン色やクリーム色でもなく、まさに純黄色。
好き嫌いが分かれそうですが、
周囲を照らす様な明るさがあって私は気に入りました。
どうにもバラらしくはないですけれどね・・・

このフェティダには二つの有名な変種があって、交配親として活躍しています。
一つはロサ・フェティダ・ペルシアナ。
八重咲きで、黄色の親としては基本種より交配に多用されています。
もう一つがロサ・フェティダ・ヴィカラー。花弁の表側だけが強烈な朱色の名花で、
朱色の原種はやはりこれだけ(・・・なはず)、これも非常に重要な交配親です。
ヴィカラーの方は写真の株と一緒に苗を入手することが出来、
こちらも間もなく開花します。もう楽しみでたまりません!!

ところで、園芸種の八重咲きのバラが一般のバラのイメージなので
このような一重咲きの原種はどうしてもバラらしく見えないかもしれません。
しかし、見慣れると一重咲きの原種には端正な野生の美しさを感じます。

原種に拘るぐりおはバラに至っても例外なし、その魅力に惹かれちゃっています。
あまり話題になりませんが、じつは我が国は海外じゃ有名な野生バラ大国。
ロサ・ルゴサ(ハマナス)を筆頭に小輪多花性のノイバラや
ミディピンクのタカネイバラなど、古くから海外の育種家に注目されてきました。
原種バラについて調べていくうち、
ロサ・フェティダのような海外の魅力的な原種もさることながら、
日本の原種バラもあらためて見直しました。
庭で育てている日本のバラも、いずれアップしたいと思います。

Fetida

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最も身近なコリダリス -ムラサキケマン-

今まで栽培しているコリダリスを何種類か紹介しましたが、
最も身近な種でありながら、いつも写真を撮りそびれている種類がありました。
都会の線路わきや路地でも見かける二年草のコリダリス、ムラサキケマンです。
平野部ばかりでなく山や川に出掛けても
作業小屋の裏や木に覆われた道ばたで、群生している姿を見かけます。

我が家ではもうとっくに咲き終わってしまったのですが、
先日出掛けた県北部の山道にかなりの数が連なって咲いていました。
花のピークは既に過ぎていますが、
濃淡をぼかした紫色の花は遠目にもよく目立ちます。

他のコリダリスのどれとも違う特徴がみずみずしい黄緑色の葉、
若々しくて、爽やかな気持ちになる色です。
この植物はたいてい複数の株が固まって咲くので、
葉も密集してわっさりしているのですが、
細かい切れ込みが多いので何だか涼しげに見えます。

見ようによってはサラダにしたら美味しそうな感じもするのですが、
この仲間は弱いながらも有毒ですので決して食さないように・・・
眩しい日射しからふと解放される緑陰に見つけた「見て美味しいサラダ」です。

Murasakikeman

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まさに地エビネ

ゴールデンウィークもしめくくりはようやく晴れてくれました。
日中は少し暑かったものの、夕方前から吹き出した西風が冷たく、
油断していたら鼻声になってしまいました。

春の花も後半の種類にバトンタッチが進み、
少し背の高い種類が咲き始めています。
写真のジエビネは、まだ寒い頃に葉を伏せて冬越しする姿を紹介しましたが、
今や満開の時を迎えました。

沢山生えているように見えますがこれで一株、地下茎は繋がっています。
一年で指の太さ一本分位ずつ横に移動して芽を出しますので、
順調に殖えつつ生育していると4〜5年でこうなります。
もっと古い大株だと、芽数を増やしながら放射状に広がるので
ドーナツ状に群生して見えます。
昨今こういう株には滅多にお目にかかれなくなりました。

以前書いたようにこのエビネは地元の株。まさに「地エビネ」です。
我が家には数株がありますが、この株以外は唇弁がまっ白で他の花弁・顎片は
もっと薄い黄緑がかった茶色です。
ジエビネはとても個体変異に富んだランなので、
かつては唇弁が濃いピンクのものや、
唇弁以外が黄緑色の固体も近隣の林にあったかも知れませんね。

ところで、エビネの仲間は鉢で栽培すると大変ウイルスに
罹りやすいことで知られています。
ある栽培書には、いずれは罹るものと覚悟しなさいとまで書かれていました。
真偽の程は分りませんが、ランはラン菌とよばれる菌類を
根の組織に共生させて栄養摂取をしています。
菌の種類や栄養摂取の依存度は様々ですが、
もともとランが自生する場所の地中環境は
そのランに適したラン菌が生活しうる環境になっているはずですから、
制約の大きな植木鉢の地中環境では不都合が多いことも事実でしょう。

ランに限らず、多くの植物が
直接・間接的に菌類や微生物と関わって生活しています。
人工的に土を配合して鉢に植え、施肥したり消毒したりと手をかけて
育てた植物は、自然では殆ど遭遇しないウイルスや病害虫に
知らないうちに侵されていることがままあるようです。
ですから、よく貴重な野生植物を地域の方が善意で栽培増殖し、
野生復帰させるということが行われていますが、実は大変危険な行為です。
もちろん善意でやっていることでしょうが、気付かぬうちに野生の個体や
同所に生育する他の植物に大きなリスクを与えてしまうことも考えられます。
もしやるのであれば、完全なウイルスフリーの環境で殖したものに限るか、
あくまでも生育地の環境保全をし、
大きく移動させることなく同じ場所で守ってあげることが必要です。

また、飼っている生き物、栽培している植物は
(時に自らの手で処分することも含め)オーナーが最後まで責任を持つ、
ということも、命を預かった以上、絶対に守らねばならない大原則ですね。

Jiebine

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挿し木入門種 -ヤマツツジ-

結局、今日も一日どんよりで、三日続けてお天道様がお留守でした。
行楽に出掛けちゃったかな?
明日はほぼ全国的に晴れるそうですが、
お出かけの方は良くても帰り道、渋滞なら照ってない方がマシですよね。

今日はプラスチックのトロ舟を三つも地面に埋め込む作業でした。
あいにくの曇り空は汗が出なくて好都合でした。
二つをミニ水田に、一つはカブトエビの飼育水槽にします。

写真は一服入れた際に撮影したヤマツツジ。今年初めて開花しました。
一昨年、大子町を訪ねた際に枝を分けていただき、挿し木で苗にしました。
ツツジやサツキは挿し木で殖すのが容易く、いわば挿し木の入門種です。
この時も三本挿した枝(挿し穂)の全てが発根、活着しましたが、
三年目にしてこの一本のみが、花を付けました。

以前は、この野生種のヤマツツジがあまり好きではありませんでした。
なんだかぼけっとした薄い色合いで、はっきりした赤やピンクの花を密に付ける
公園や庭木のツツジを見慣れている私には物足りなかったのです。
しかし、最近山道や林縁でヤマツツジと出会うたびに
新緑の明るい緑色の中では、この色調の方がずっと美しいことに気付きました。

ヤマツツジの花色には微妙な個体差があり、オレンジ味の強いものから
かなり純粋なピンク系まで、段階的に見られます。
写真のものはちょうど中間ぐらいでしょうか。
そもそも庭にヤマツツジを植えてみたいと思ったのは、
あるシーンを再現したいから・・・この花を訪れるクロアゲハの吸蜜シーンです。
今朝一番にその瞬間はやってきました。写真に出来なかったのがちょっと残念!
でも、曇り空にもしっとり馴染む控えめな色合いはそれだけでも
空気を清々しくしてくれます。

Yamatsutsuji

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任務完了 -セツブンソウ-

相変わらずお天気はパッとせず、何だかむしろ下り坂な様子で、
夕方から時々霧雨模様です。少し肌寒いでしょうか。

庭のあちこちで、早くもスプリングエフェメラルたちが
今年の活動を終えようとしています。
写真はセツブンソウ。実が割れて、見事に仕上がった種子がこぼれだしました。
草丈わずか9センチ、その小さな体に不釣り合いな、丸く大きな種子。
これだけの成果を上げるのに、相当エネルギーを使ったはずです。

実際スプリングエフェメラルの仲間にはあまり頑張って立派な実をつけると
翌年、あるいは翌々年まで、花をお休みする種類もあります。
ほら、よくチューリップの球根を充実させるためには、
花後に必ず花茎を落としなさいと言うでしょう。
それほど種を結ぶということは、大仕事なわけです。

しかし、それでもセツブンソウは頑張り屋さんなので
よほどのことがないかぎり翌年もちゃんと咲いてくれる花です。
そのかわりチューリップのように球根が分球して殖えることはほぼありません。
種子をよく観察すると、多肉質で、種皮がごく薄いことに気付きます。
種子というより、ごくごく小さな球根のようです。
この種子は数が少ない分、発芽率は高い方です。しかし、乾燥に弱いです。
セツブンソウそのものも水はけは好みますが、乾燥はとても嫌う植物。
だから自分が育った条件の良い地面に、そっと種子をこぼします。
そう、いかにもはじけたりしそうな形のさやですが、
自分がゆっくりと倒れてからそっとそっと・・・置くように種子をこぼします。

セツブンソウはこんな性質なので、広い範囲に見られる植物ではないけれど
見られるところには群落で見られるのでしょうね。
この種子はアリや鳥の好物なので、回収して鉢に播こうと思います。
目指せ、セツブンソウ群落!

数回にわたって追いかけたセツブンソウのリポートはこれでひとまず終了。
でも、大好きなので来春にはまた書いてしまうんだろうなあ・・・

Setsubunsoutane

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人気の狭間

ゆうべから何度も通り雨が駆け足で通過していますが、
お昼過ぎからは通り雨と風が交互にやって来ています。
気温はちょうど良いのですがお天気がパッとしませんねえ。

本日の花は毎年約束したようにゴールデンウィークに開花するラン、
シプリペディウム・パルビフローラム・バー・プベッセンス・・・長いですね。
学名表記だと(Cypripedium parbiflorum var. pubescens)、以前書いたように
属名がCypripedium、すなわちシプリペディウム(アツモリソウ)属
種名がparbiflorumすなわちパルビフローラム種
その後のvar.はバラエティの略で
(パルビフローラムの)変種であることを意味し、
最後のpubescensが変種名プベッセンスです。

アメリカキバナアツモリソウという和名もありますよ。
その名の通り北米の北東部に分布するアツモリソウの仲間で、
日本のアツモリソウと同様袋状の唇弁を持っています。目立つ黄色ですね。
側花弁がねじれるのも大きな特徴で、本当はあと1〜2cm長いのですが、
開花しかけの時に暑い南風が吹いたので、先端が擦れて縮れてしまいました。
いつもここが上手く伸ばせないのが悩みですが、
性質は大変丈夫で育てやすく、花も見応えのある野生ランです。
しかしこの種はあまり広く知られておらず、栽培もされていません。
どうしてでしょうか?

このランは野生ランの王様といわれ人気の高いアツモリソウの仲間ですが、
日本のアツモリソウは冷涼な気候を好むため栽培が難しく、また
自生地が盗掘によって荒らされるなど栽培に手を出しにくいイメージがあります。
加えて、「あつもりそう」というくくりで見た場合、
外国産でどこか洋ランの様な風情の本種などは、異端者のイメージが
あるのではないでしょうか?

一方、これまた人気分野の洋ランの栽培をしている人から本種を見ると、
パフィオペディルムやフラグミペディウムを彷彿とさせる実に魅力的な花ですが
温室での通年管理には不向きで、「これは山野草だ」と敬遠されてしまいます。
結果、山野草と洋ランのどちらの魅力も兼ね備えていながら、
どちらの趣味家からも枠の外に置かれているのが本種の様な気がします。

私のように拘りは「原種」という部分だけであって
園芸界の仕切りと関係なく栽培している人間だと、
こういう魅力的で育てやすい種類は放って置けません。
もっとも最近は、日本でもアルパインガーデンとかアルパインプランツという
言葉が定着して来たようなので、
本種のような外国産の野生植物にスポットが当たるのも
そう遠くない将来のことかも知れませんね。

その時は決してブームになどならずに、
野生植物と付き合うための秩序を守りながら
多くの人たちに楽しんでもらえる分野になればいいなと思っています。

Cyppubescens

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企画展に行こう2

北海道以外はお天気が今ひとつのところが多いようですが、
明日からいよいよゴールデンウィークも後半戦ですね。
みなさまは、どのように過ごされるのでしょうか。

さて、ミュージアムパーク茨城県自然博物館では
3月15日から6月15日までの間、
第42回企画展「化石はたのしい!」を開催しています。
博物館で化石とは定番のようにも思えますが、この企画展では
「化石」というもの様々な視点で捉え、その楽しさ、面白さを体験できます。

化石とはこんな意外さ、不思議さがあったんだと
あらためて発見することも多いはず。生命と地球のコラボレーションからは、
私たちのイマジネーションを遥かに超えた素晴らしい作品が生み出されています。

それらの一つ一つがまるで玉手箱を開いた様に
企画展示室いっぱいにちりばめられているのですから、こりゃ必見です。

実は前回の企画展に続き、
この企画展のポスターもデザインを担当させていただきました。
企画展のコンセプトはとても明確だったのですが、初回打ち合わせの際に
企画展チーフのT氏から
「(60〜70'sあたりの)ポップアートでいってみたいんですよぉ」と
切り出された時は正直仰天しました。
しかし「化石の楽しさを多角的に見せる」というテーマなだけに
これは案外面白いかも、とこちらもノリよく取り組むことに・・・
でもでも、博物館にしては大胆な表現手法ですから、
内心途中でボツったらどうしようかとヒヤヒヤしていたのも事実なんですよ。

いざプレゼンしてみたら、館長はじめ企画展スタッフも支持してくださり、
無用な心配でした。そんなわけで地球からもくもく、ドーンと飛び出す
ポップアートの図案が実現しました。
今まで担当させていただいたポスターとは全く毛色が異なる作品ですが、
まあ、結構楽しんで作ってしまいました。
ただ米風ポップアートを再現するだけでは能がないので、
所々に和風のテイストも交えて構成しています。
もう少し賑やかさとボリュームが欲しいところですが、
ポスターという媒体の目的上
文字情報が見辛いのでは本末転倒ですから、このあたりが味加減でしょう。

虹色ほどに多彩な化石の世界、みなさまも是非、足を運んでご堪能ください!

42_olblog

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赤い原種オダマキ

昨日はいきなりの暑さに面食らったものですが
今日は更に上を行く24.5℃!午後からは完全に曇っていたのに
気温が下がりません。もう5月ですものねえ。

写真は今準備中のミニロックガーデンの手前に設けてある「山草花壇」、
手前の赤い花はカナダオダマキ(Aquilegia canadensis)
その名の通り、カナダ原産の原種オダマキです。
幾分小振りで平開しない花ですが、赤い花色と花数の多さが魅力です。
オダマキは特に好きな花のひとつなので、
珍しい種類は持っていませんが何種類かをずっと栽培し続けています。
この株は私がラン以外で初めて購入した外国の野草だと思います。
花はただ赤いのではなく花弁の前半分はグラデーションで黄色く抜けているので
どこに植えてもとても目立っていいアクセントになりますね。
写真では、バックのシバザクラに対してよく映えていると思います。

オダマキは基本的に多年草ですが、実は植えっぱなしにしておくと
やがて根の太い部分が木質化し、急速に代謝・成長が衰えます。
この問題を解消するためには株分けの時に
外科的措置を行って根を更新する必要があるのですが、
消毒したり癒合剤を塗ったり養生栽培したりと、ちょっと大変です。

一方種が良く出来、発芽率もいいのですが、これもなかなか難アリで、
別の種類のオダマキが近くにあると、とにかく交雑しやすい!
いつのまにか育った苗からあいのこの花が咲き、びっくりさせられます。
面白いといえば面白いのですが、私は原種を保全栽培したい方なので、
種をとる場合は早起きしてその朝開く花を自家受粉させ、
袋がけして交雑を防ぎます。ふう〜っ・・・これまた大変。

それでもこの赤色はやっぱり絶えさせたくないですから、
今年も袋がけで種を確保するとしましょう。

●カナダオダマキは種子からの実生繁殖で同じ花姿になりますが、日本の
 ミヤマオダマキは実生を繰り返す度に株が大型化し、園芸種の「オダマ
 キ」になってしまうようです。コンパクトな株を維持するためには、株
 分けをするか自生地の高山に等しい環境で実生する(無理じゃん!!)
 しかないようです。

Kanadaodamaki

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