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まさに地エビネ

ゴールデンウィークもしめくくりはようやく晴れてくれました。
日中は少し暑かったものの、夕方前から吹き出した西風が冷たく、
油断していたら鼻声になってしまいました。

春の花も後半の種類にバトンタッチが進み、
少し背の高い種類が咲き始めています。
写真のジエビネは、まだ寒い頃に葉を伏せて冬越しする姿を紹介しましたが、
今や満開の時を迎えました。

沢山生えているように見えますがこれで一株、地下茎は繋がっています。
一年で指の太さ一本分位ずつ横に移動して芽を出しますので、
順調に殖えつつ生育していると4〜5年でこうなります。
もっと古い大株だと、芽数を増やしながら放射状に広がるので
ドーナツ状に群生して見えます。
昨今こういう株には滅多にお目にかかれなくなりました。

以前書いたようにこのエビネは地元の株。まさに「地エビネ」です。
我が家には数株がありますが、この株以外は唇弁がまっ白で他の花弁・顎片は
もっと薄い黄緑がかった茶色です。
ジエビネはとても個体変異に富んだランなので、
かつては唇弁が濃いピンクのものや、
唇弁以外が黄緑色の固体も近隣の林にあったかも知れませんね。

ところで、エビネの仲間は鉢で栽培すると大変ウイルスに
罹りやすいことで知られています。
ある栽培書には、いずれは罹るものと覚悟しなさいとまで書かれていました。
真偽の程は分りませんが、ランはラン菌とよばれる菌類を
根の組織に共生させて栄養摂取をしています。
菌の種類や栄養摂取の依存度は様々ですが、
もともとランが自生する場所の地中環境は
そのランに適したラン菌が生活しうる環境になっているはずですから、
制約の大きな植木鉢の地中環境では不都合が多いことも事実でしょう。

ランに限らず、多くの植物が
直接・間接的に菌類や微生物と関わって生活しています。
人工的に土を配合して鉢に植え、施肥したり消毒したりと手をかけて
育てた植物は、自然では殆ど遭遇しないウイルスや病害虫に
知らないうちに侵されていることがままあるようです。
ですから、よく貴重な野生植物を地域の方が善意で栽培増殖し、
野生復帰させるということが行われていますが、実は大変危険な行為です。
もちろん善意でやっていることでしょうが、気付かぬうちに野生の個体や
同所に生育する他の植物に大きなリスクを与えてしまうことも考えられます。
もしやるのであれば、完全なウイルスフリーの環境で殖したものに限るか、
あくまでも生育地の環境保全をし、
大きく移動させることなく同じ場所で守ってあげることが必要です。

また、飼っている生き物、栽培している植物は
(時に自らの手で処分することも含め)オーナーが最後まで責任を持つ、
ということも、命を預かった以上、絶対に守らねばならない大原則ですね。

Jiebine

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