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人気の狭間

ゆうべから何度も通り雨が駆け足で通過していますが、
お昼過ぎからは通り雨と風が交互にやって来ています。
気温はちょうど良いのですがお天気がパッとしませんねえ。

本日の花は毎年約束したようにゴールデンウィークに開花するラン、
シプリペディウム・パルビフローラム・バー・プベッセンス・・・長いですね。
学名表記だと(Cypripedium parbiflorum var. pubescens)、以前書いたように
属名がCypripedium、すなわちシプリペディウム(アツモリソウ)属
種名がparbiflorumすなわちパルビフローラム種
その後のvar.はバラエティの略で
(パルビフローラムの)変種であることを意味し、
最後のpubescensが変種名プベッセンスです。

アメリカキバナアツモリソウという和名もありますよ。
その名の通り北米の北東部に分布するアツモリソウの仲間で、
日本のアツモリソウと同様袋状の唇弁を持っています。目立つ黄色ですね。
側花弁がねじれるのも大きな特徴で、本当はあと1〜2cm長いのですが、
開花しかけの時に暑い南風が吹いたので、先端が擦れて縮れてしまいました。
いつもここが上手く伸ばせないのが悩みですが、
性質は大変丈夫で育てやすく、花も見応えのある野生ランです。
しかしこの種はあまり広く知られておらず、栽培もされていません。
どうしてでしょうか?

このランは野生ランの王様といわれ人気の高いアツモリソウの仲間ですが、
日本のアツモリソウは冷涼な気候を好むため栽培が難しく、また
自生地が盗掘によって荒らされるなど栽培に手を出しにくいイメージがあります。
加えて、「あつもりそう」というくくりで見た場合、
外国産でどこか洋ランの様な風情の本種などは、異端者のイメージが
あるのではないでしょうか?

一方、これまた人気分野の洋ランの栽培をしている人から本種を見ると、
パフィオペディルムやフラグミペディウムを彷彿とさせる実に魅力的な花ですが
温室での通年管理には不向きで、「これは山野草だ」と敬遠されてしまいます。
結果、山野草と洋ランのどちらの魅力も兼ね備えていながら、
どちらの趣味家からも枠の外に置かれているのが本種の様な気がします。

私のように拘りは「原種」という部分だけであって
園芸界の仕切りと関係なく栽培している人間だと、
こういう魅力的で育てやすい種類は放って置けません。
もっとも最近は、日本でもアルパインガーデンとかアルパインプランツという
言葉が定着して来たようなので、
本種のような外国産の野生植物にスポットが当たるのも
そう遠くない将来のことかも知れませんね。

その時は決してブームになどならずに、
野生植物と付き合うための秩序を守りながら
多くの人たちに楽しんでもらえる分野になればいいなと思っています。

Cyppubescens

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