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2008年6月

それぞれの食卓

一日中うっとうしい雨ですが、気温は暑くも寒くも感じない
不思議なフィット感がありました。湿度は相当高いですが・・・

庭の宿根草花壇(バタフライガーデン)は、
セイヨウノコギリソウとアスチルベ(洋種アワモリショウマ)が花盛り。
これらの花はチョウ、ハチ、アブ、ハナムグリと、
実に多くの種類の訪花性昆虫がやって来ます。
特に写真のセイヨウノコギリソウは、テーブル型の花序にとまりやすいのか
訪花性の甲虫たちもよく利用します。
様々な昆虫たちが囲むテーブルは、まさに初夏の食卓。

ひっきりなしに訪れる昆虫たちで賑わいますから
当然ながら、もうひとつの意味の食卓にもなって来る訳です。
集まるお客さんを御馳走にしている捕食者にとっての食卓です。

写真のカマキリはおそらくオオカマキリの幼虫、既に2回ほど脱皮を済ませ、
3センチを超えるまでに成長しています。
よく見ると全部で20以上あるセイヨウノコギリソウの花序の5つに
それぞれ1匹ずつ乗っています。
若草色の体がいくら植物に馴染む色といっても、これじゃあ目立ち過ぎ。
しかし、どうやら彼等の狙いは自分がいる花序ではなく、
隣り合う周辺の花序に来る昆虫たちのようです。
隣にいる分には、この色で目立たないのでしょうかね。
狩りはそこそこ上手くいっているようで、見るたびに1・2匹は
獲物を抱え込んで食事中でした。
同じパターンで周囲の花序に来た獲物を狙うハエトリグモの仲間や
花序の裏側に潜んでガシッと捕まえるタイプのハナグモやアズチグモ、
ササグモなども見られます。

一見華やかに見える花園も、
食べに来たつもりがすっかり食い物にされてしまうという
繁華街さながらの危険性をはらんでいる訳で・・・
こんな環境で幼少時代を過ごしたオオカマキリが
秋には札付きの殺し屋になっているというのもなんだかうなずけますね。

Ookamakiriyarrow


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ジュンサイ満開

今日は雲が厚くて太陽は殆ど顔を見せなかったのに
最高気温が27.5℃まで上がりました。さすがに蒸し暑かったです。
しかし夏至を過ぎて、庭のあちこちでは既に
マダラスズらしい鳴き声が聞こえています。
自然のあれこれを細かく見ていると、世間はこれから夏本番だというのに
日が短くなりはじめるんだなぁ・・・と、ちょっと寂しかったりします。

池では水面を覆い尽くしたジュンサイが開花のピークを迎えようとしています。
ジュンサイはスイレン科ですが、花は至って地味なもので、
直径は15ミリほど。色は緑を帯びた赤紫で、
たくさん伸びた雄しべが目立ちます。
ひとつの花が2日にわたって咲きますが、一日ごとに一旦閉じるところは
スイレンと同じです。
写真では右側の花が一日目、左は二日目のものです。
二日目の方は完熟した雄しべの先(=葯)が水平に寝て
黄色い花粉がよく目立ちます。

ジュンサイは若芽を食用にしますが、
一緒に付いている若い蕾も食べることができます。
どちらも独特のぬるに覆われていて、これが独特の食感・のどごしを生み出し、
酢の物にしてもつゆに仕立てても上品な味わいです。
おつゆは醤油のおすましが一般的ですが、はもや鯛の身、
イサキなど白身魚の肝などを少量入れた塩仕立てもなかなかのものです。
また、茶碗蒸しに入れてみたら、ぬるが透明の輪郭をつくって
見た目が面白かったです。
左の花の手前の葉が少し持ち上がって、葉柄のぬるが見えるでしょう。
ジュンサイの味(といっても味そのものはあまりないですが)を覚えると
このぬるを見ただけで食欲をそそられます。
このぬる、本当は虫の食害や藻類などの付着を防ぐ意味があるのではないかと
勝手に想像しています。

今年は何となく忙しくて、最初の旬の時期に収穫を一度しかしませんでした。
もう少し経つと二回目の新芽(追い芽)の時期ですので、
今度はしっかりいただくことにします。

Junsaihana

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プランクトンを見よう!

先日、デザインをまかされたパンフレットが出来上がりました。
「霞ヶ浦のプランクトン」全12ページの薄い冊子ですが、
実際に霞ヶ浦で採集調査したプランクトンの顕微鏡写真を
ふんだんに掲載した貴重な資料です。

冊子を作ったのは㈳霞ヶ浦市民協会。
霞ヶ浦市民協会では、湖水の調査と併せて、プランクトンンの調査も行っており
同定のために撮り溜めた写真が、今回は大活躍でした。
プランクトンは大変種類が多く、その同定は困難です。
今回の編集作業でも、多くは「●●の一種」をいう表現で紹介していたり、
全く属も絞り込めず、掲載を見合わせた未知の種類もありました。

今回編集デザインに関わって、
プランクトンの不思議さや美しさには本当に感動の連続でした。
霞ヶ浦の水バケツ一杯・・・いや、コップ一杯の水の中に
多くの植物プランクトン、動物プランクトンがひしめき合って生きています。
彼等は霞ヶ浦の水の汚れを体内に取り込み、
生態系のより上位にそれを受け渡す最初の役割を担っています。

今日の画像は冊子の表紙デザインです。
中に掲載された顕微鏡写真のプランクトンたちをソースに
その不思議な形や美しい姿を宇宙のようにちりばめてみました。
顕微鏡の画像は基本的に完全透過光なので、それが自然に見えるよう
底から水面の方向を見上げたようなアングルをイメージしています。
足りない部分はブラシで描き足した写真とイラストのコラボレーション、
レタッチコラージュです。

しかし、作ってみてすっかりプランクトンにはまりました。
久しぶりにしまい込んだ光学顕微鏡を掘り出し、掃除をしました。
今度さくら上池のプランクトンを覗いてみようと思います。

パンフレットは、霞ヶ浦市民協会に問い合わせると
きっと分けてもらえると思いますので、
夏休みの自由研究や身近な環境調べのテーマとして
プランクトンをやってみようという方は、問い合わせをしてみてくださいね。
(霞ヶ浦市民協会Tel:029-821-0552)

Plankton_hyoshi

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ゲンゴロウの幼虫2種

昨日の書き出しで「梅雨寒」を使ったのは失敗でした。
今日こそまさに梅雨寒。最低気温13.5℃!最高気温も16.5℃でした。

さて、今日の写真はあまりお好きでない方には申し訳ない類いのものです。
これ、ゲンゴロウの幼虫。以前マルガタゲンゴロウの幼虫を掲載しましたが、
今回はシマゲンゴロウ(左上)とコシマゲンゴロウ(右下)
2枚の写真を重ねてありますが、実物の大きさ比率を合わせて合成したものです。
どちらもちょっとした郊外でならまだ見ることができる
いわゆる「田んぼのゲンゴロウ」ですが、シマゲンゴロウの方は
このところ減少著しく、あまりお目にかかれなくなりました。

写真はどちらも3令幼虫、この次の脱皮ではついに蛹となる最後の幼虫期です。
シマゲンゴロウの方が、成虫も幼虫もふた周りほど大きいのですが、
1令、2令の幼虫を比べると、大きさ以外はよく似ていて、
見分けが難しいのですが、3令ではシマゲンゴロウの方は背面の中心を貫通する
白っぽいストライプが明瞭に現れるので識別できます。

また、コシマゲンゴロウの方は1令から3令までを通して
腹端をサソリのように上に反り返らせるクセがあるので、
ここに注意すると見分けることが出来ます。
写真でもぐっと上に向けている様子がわかりますか?
まっすぐにしていると、シマゲンゴロウの幼虫とほぼ同じ体型になります。

どちらも牙状のアゴがおっかないですね。
これで獲物をガッシリとくわえこんで、注射器の機能を持つアゴから
消化液を獲物の体内に注入して、体外消化して再吸収します。
シマゲンゴロウの方が体長34ミリありました。
どちらももう間もなく上陸し、
土の表面にドーム状の部屋をこしらえて中で蛹になります。
羽化して出て来る成虫は幼虫とは似ても似つかない丸くてすべっこい形と
愛嬌たっぷりの丸い複眼をもつ甲虫。
機会があったら、成虫も2種まとめて紹介してみましょう。

●先日紹介したマルガタゲンゴロウが成虫になり始めました。
 新車の様にピカピカの成虫がドームを開封して出て来る様子は
 何度見ても感動します!好きなんですよね〜

Shimakoshima3rei

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腹巻きとんぼ

梅雨寒でしたねー。
雨は行って来も落ちて来ませんでしたが、風が冷たかった!

こういう日は生き物たちも不活発ですが、トンボの羽化は見られました。
ショウジョウトンボもまだ羽化する個体が見られますが、
このところ連日羽化しているのがオオシオカラトンボ。
2〜3日前からは、今日の写真のとんぼ、コシアキトンボも加わりました。

コシアキトンボは黒い体に腹巻きを巻いたようなオビが特徴、
写真の個体は今朝羽化したばかりなので腹巻きが黄色ですが、
日にちが経って成熟が進むとオスの腹巻きは白くなります。
ちなみにメスは成熟しても黄色のままです。
名前の由来は「腰空き蜻蛉」腹巻きの部分を「空いている」と見立てた命名です。
以前に一度だけ「腰明蜻蛉」という説を聞いたことがありますが、
これも腰の部分だけ明るい色なのが分かりやすくてなるほどと思いました。

コシアキトンボは都市部の大きな公園などでも見られる割合身近なトンボですが、
逆に自然度が高くても水田などの浅い水域では殆ど見かけません。
濁っていても水質が少々悪くても、ある程度深い池が好きなようです。

さくら上池でも毎年発生していますが、
今まで案外写真を撮る機会がありませんでした。
なので曇天の色合いになってしまいましたが、この際記録として撮影しました。
ちょうど体が固まって来て、翅を細かく震わせ始めたところです。
晴れていると活発に飛び回り、
ショウジョウトンボや時にはクロスジギンヤンマまでも追い払おうとします。
なかなか縄張り意識が強いトンボのようですね。

子供の頃、近くの公園のボート池に沢山いたのですが、
その頃は間違えて「腰巻き蜻蛉」と呼んでいました。
このエピソードを子供たちに話しても、
腰巻きを知らない世代ではピンときませんよね。
コシアキトンボは今でも普通種ですが、腰巻きやふんどしは
すっかり絶滅危惧種になってしまいました。

Koshiakitonbo


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豹が好むは虎のしっぽ

花序が動物の尻尾に似ていることから命名された植物は案外多く、
鼠の尾とか猫の尾とかいろいろありますが、今日の写真の花は虎の尾。
その名もオカトラノオ。
ちょっと意外ですが、サクラソウ科の植物です。

丘と付くだけあって丘陵地や山地草原、高原などに咲きますが、
地下のランナーが横に這った先に新芽をつけて増えるため、
たいがい1本2本ということではなく、群生しています。

この花序でなんといっても尻尾らしいのが、くねり具合。
茎は直立する植物なのですが、花序は一旦横向きになって、
その後再び先端が上向き加減となります。
この「くねっ」と感はやはりネコ科でしょうね。

近縁種には沼地や湿地に生えるヌマトラノオ、
それよりは草原に近い環境に生えるノジトラノオがありますが、
どちらも尻尾の立派さではオカトラノオに遠く及びません。
また、タデ科にはハルトラノオ、イブキトラノオ・・・
シソ科の園芸植物にはハナトラノオ、
ゴマノハグサ科のやはり園芸植物のルリトラノオなど
「虎の尾」は科をまたいで様々な植物に付けられる名前となっています。

ところで、オカトラノオはチョウに大変好まれる蜜源植物。
高原などでヒョウモンチョウの仲間が訪れる定番の花です。
さくら上池では南東側の畔に群落がありますが、
やはりメスグロヒョウモンやツマグロヒョウモンがやって来ます。
ネコ科同士で相性がいいんでしょうかね。

Okatoranoo

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雨の花・晴れの花

今日は極めて個人的かつ感覚的なお話。

雨の多いこの季節が似合う花、というと、
やはり筆頭に挙がるのはアジサイでしょうか。
ピーカンの晴れがどうも似合わないですよね。
もし燦々降り注ぐと日射しがあったとしても、水滴が沢山ついて輝いている様な
雨上がりの情景なら似合うかもしれませんが。

個人的にはハナショウブも雨天・曇天の方がしっくり来るように思います。
この季節に開花のピークを迎えるのですから、
雨とセットのイメージが刷り込まれているのは当然と言えば当然のこと。
四季折々の情景がきめ細かく花とお天気のセットで浮かぶのは、
案外日本人らしい感覚なのかもしれないと思います。

では雨に濡れて咲く姿が似合わない花はどうでしょう?
野草で考えてみると、これが案外どんな花でも水滴をまとった姿はまた情緒的で
似合わない花を探す方が難しいようにも思えます。
しかし、園芸植物ではヒマワリ、マリーゴールド、百日草、ケイトウ・・・
ルドベキアやアスターなんかもピーカンでないと今ひとつかなあ、
という気がします。
バラやユリは晴れやかな花の代表ですが、
案外濡れても情緒的な気がしますがいかがでしょう?

また、同じ花でも改良品種と原種を比べると、
原種の方が雨が似合うように思えます。
「野趣」という言葉の範囲内には、晴天ばかりではない自然の様々な表情が
含まれているのかも知れませんね。

写真のスイレンは雨も晴れもそれぞれに似合う花だと思います。
でも、個人的には雨のスイレンが好きですね。
水面に浮かぶように咲くスイレンは水が花を咲かせたかのようで、
天からこぼれ落ちる水も受けとめて、一層輝く様に見えます。
本当は、虫に来て欲しい花ですから、雨は有り難くないのでしょうけどね。

Suiren


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蛾の美しさ3 -シンジュサン-

霧雨のそぼ降る中、その蛾はクヌギに覆われた一角に生えた
タラノキの葉先でじっとしていました。
ここは少々のの雨ならまったく当たりません。
人一倍大きな翅を守るためには、いい選択でした。

それにしても見事な翅。右側がかなり傷んでボロですが、雄大な印象です。
この蛾の名前はシンジュサン。何だかよく分からないへんてこな語感ですが、
神樹(=この蛾の食樹の名)につく蚕(音読みで「さん」)ということ。
高級シルクの材料をとる蛾にヤママユという種類がいますが、
これの別名が「天蚕(テンサン)」で、そのグループの一種なので
こういう命名になっています。
南西諸島に産する日本最大の蛾(世界でも最大クラス)、ヨナグニサンも
やはり同じグループ、シンジュサンとヨナグニサンは実際よく似ています。

特徴的なのは翅の色調、ショコラというかティラミスというか、
カカオ系の焦げ茶が基調で、シックな中にもゴージャスな美しさ感じます。
アクセントの模様も白やピンク、クリーム色と、
ロールケーキのクリームみたいで、洋風高級菓子みたい・・・
この色調はヤママユの仲間でもシンジュサンと近似種のヒマサンだけで、
分かりやすい特徴です。
他のヤママユの仲間もそうですが、みな大型で模様や色調が美しく、
日本ではそれほどでもありませんが、
海外ではこの仲間を専門に集めるコレクターもいるようです。
チョウでいえばやはりアゲハチョウのような存在といえるのでしょうか。
しかし、本当にどの種も大きいので、
標本箱がすぐいっぱいになり、ある意味不経済とも言えますね(笑)

この蛾を庭で見るのはこれが二回目、初めて見たときも今回も
その存在感に圧倒されドキドキしました。

ちなみに、食樹ではないようなのに、とまっているタラノキに
ぽろぽろ産卵しています。掴まっているあたりに白い卵が見えます。
蛾は案外知られている以外の植物で育つこともある様なので、
このあと卵がどうなるのか、注意深く見守りたいと思います。

Shinjusan

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垂蛹 (すいよう)-オオムラサキ-

今日は昨日より一層湿度が高く、
26℃という最高気温以上に暑苦しく感じました。
夕方遅くから風がにわかに吹き、こりゃあいよいよ降って来るかなと
本格的なお湿りを期待したのですが、実際に雨が来たのは日付が替わる直前。
久々にザァーっと音のする雨です。
しかし、東北内陸の震災地域では
苦しい避難生活を余震以上に揺るがす雨になりそうで、本当に心配です。

写真は8日に掲載したオオムラサキ、立派に蛹になりました。
タテハチョウらしい垂蛹です。同じ垂蛹でも、9日に掲載した
メスグロヒョウモンとは色も大きさもだいぶ異なります。
形は食樹のエノキの葉に擬態しています。
こうして写真に切り取るとよくわかりますが、実際に現場で見ると
枝に茂る葉っぱに溶け込み、上手く隠れています。

色は粉白がかったライムグリーンで、
それ自体はエノキの葉の色とはちょっと違うのですが、
エノキの葉も表と裏では色が違うし、逆光で透けた見え方、
重なって影になった見え方など、複雑な濃淡が折り混ざるので、
その中に上手く一体化して見えるのです。
でも、メロンのイメージというか、奇麗な色です。
この色を見るといつも、ソーダフロートのアイスクリームが溶けて
ソーダのグリーンに混じったところを思い出します。
大きさは・・・さすがタテハチョウの王様、見事に大きいです。

あとどれくらいで羽化するでしょう?
羽化の瞬間を見ることが出来ればラッキーなのですが・・・
早起きと夜更かし、どちらが見れそうかなあ。

Oomurasakisanagi

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ヤブヤンマだった!

梅雨空が戻ってきました。う〜ん・・・うっとうしい
地面がカラカラだったので雨は歓迎なのですが、
ジメッとした蒸し暑い空気が停滞するばかりで、
肝心の雨は夕方からのほとんど霧のような霧雨。
どうせならきちんと降水していただきたい。

さて、一昨日の夜のホタルカウントの際、水路のへりで
以前から気になっていたヤゴが上陸していました。
見かけはクロスジギンヤンマのヤゴによく似ているのですが、
気持ち小さめで、目の輪郭がより丸くって体色もやや青みがかっていたので、
「こりゃあちょっと違うな・・・」と思っていたヤツです。
2匹が上陸していて、もう1匹、水中から出て来そうなのがいましたが、
そのうちの上陸して落ち着いていそうな1匹を
掴まっている茎ごと室内に持ち込んで、正体を確認することにしました。

翌朝、トンボはきっちりとヤゴから羽化を済ませていて、
淡い黄色の体に、徐々に黒い模様が浮き出てきたところでした。
これはどうやら黄色と黒のトンボ、ミルンヤンマ?サラサヤンマ?
いや、どうやらヤブヤンマのようです。
この3種類はいずれも日中は林の中などでじっとしていて、
夕方になると活動を開始する「夕暮れヤンマ」。
どれも近隣に生息しているようですし、少なくともミルンヤンマらしいのが
夕方にあらわれていたので、発生していても不思議ではありません。

写真の状態はまだ完全に黒い色が現れていない段階で、
特に腰回りはこれからもっと黒面積が大きくなります。
目の色も美しいエメラルドグリーンに変わるのはこれから・・・。
撮影は朝の8時頃ですが、このまま夕方までじっとしていて、
ちゃあんと出勤時刻の5時半頃に羽ばたきを始めました。

池の側の窓からリリースしてやると、一旦池と反対方向に飛び立ち、
すぐにターンして池の上空を通過した所で、
クリの木のあたりから飛び出したもう1匹と合流。
どうやら一緒に上陸したヤゴのようです。
「よかった!あっちも無事に羽化したんだ。」
2匹は高い竹林を遥かに飛び越え、東の谷津の方へ消えていきました。

Yabuyanmauka

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池の初夏2008

一年で最も日の長い時期を迎え、庭もすっかり緑に覆い尽くされました。
複数のクヌギから樹液の匂いがし始め、沢山のコクワガタに混じって、
昨夜は今年初めて大きなノコギリクワガタが登場しています。
夏に向かう駆け足もスピードを増して来た感じです。

ヘイケボタルは順調に定着しているようで、昨年より数が増えました。
今月の末頃が発生のピークになりそうですが、
ここ数日は一晩に十数匹が明滅しています。

トンボは例年登場する種類がすでに顔を見せていますが、
昨年、一昨年と連続して現れたチョウトンボが、池で発生するかどうか・・・
種類を確認していませんが、いわゆる「夕暮れヤンマ」が
何種類かやって来ています。
先日、羽化確認によりヤブヤンマの発生が確認できました。

池の状態もだいぶ安定してきましたが、岸辺の底質がまだ貧栄養。
沢山の落ち葉を岸辺でしっかりキャッチして分解する生態系がもっと豊かになれば
水生植物の状態が良くなるし、小さな生物が増え、
タイコウチや小さなゲンゴロウなど
水生昆虫の幼虫たちが沢山育つようになります。

一方、土壌の形成が進んでいるクヌギの根元まわりでは、
今までほとんど見かけなかった地上性陸産貝類の仲間
オカチョウジガイが目立ってきました。
カワニナのような尖った形の殻をもつとても小さなカタツムリです。

豊かな生態系の構築は、
こうした小さな弱者がその数を増やすことから始まります。
豊かな土壌が全体に広がり、沢山の生き物が住み着くようになるには
もう少し時間が掛かりそうですが、歩みはゆっくりと一歩ずつ
確かに進んでいるようです。

●(社)霞ヶ浦市民協会の「在来魚復活プロジェクト」の一環として
 さくら上池で「霞ヶ浦由来ゼニタナゴの野外繁殖」を行っていまし
 たが、今月4日、初の仔魚浮出を確認しました。よかった!!

Ike2008shoka

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28番目の住人 -ミドリシジミ-

お天気そのものは昨日と似た様な梅雨の中休みでしたが、
昨日よりずっとムシムシしています。その割に地面はカラカラになっていて
梅雨の中休みが長いことをあらためて感じました。

今日は個人的に嬉しいニュースがありました。
池の畔のハンノキに、ミドリシジミが産卵していたのです。
昨年の今頃、2匹のオスが夕方になると賑やかに梢を飛び回っていたので、
「ひょっとして発生してる?」とも思えましたが、流れて来る個体もいるので
メスもやってきて居着くといいなあ・・・と思っていたのですが、
今年はどうやら発生している様子、そして今日、産卵も確認しました。

ミドリシジミはゼフィルスと呼ばれる森林性のシジミチョウの一種で、
オスは翅の表がメタリックグリーンに輝く美しいチョウです。
メスはこのグリーンの翅は持っていませんが、
個体によりブルーやオレンジのアクセントがあり、なかなか品のある美しさです。

写真は産卵を確認したメスの今朝の一コマ、
池のジュンサイの葉におりて水を飲んでいます。
いろんなチョウがこれをやりますが、
まさか花にも来ない(だったよね?)ミドリシジミがやるとは知りませんでした。

牛久市には6種類のゼフィルスが見られます。
このうちオオミドリシジミを除く5種類が、庭にやってきました。
住み着いて発生が確認できたのはオレンジの翅が奇麗な
ウラナミアカシジミに続いて2種類目です。
その昔チョウを集めていた頃、ゼフィルスは憧れのチョウでした。
その憧れのチョウが庭で一緒に暮らしてくれるとは、何とも幸せなことです。
ハンノキはたった2本しかないのに、よくまあ、居着いてくれました。

あらためて数えてみたら、これまで庭に現れたチョウは49種、
そのうちの28種について、庭での発生を確認しています。
その28種類目が、ミドリシジミとなりました。
あとどれくらい記録が伸びるのか、本当に楽しみです。

Midorishijimijunsai

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南端の野生バラ -ヤエヤマノイバラ-

毎年この時期になると、我が家の原種バラのファイナルを飾る
真っ白なバラが開花を迎えます。
それが今日の写真の花、その名もヤエヤマノイバラ。
ヤエヤマとは八重山、沖縄県の八重山諸島のことです。

ヤエヤマイバラ、カカヤンバラという別名もあるようですね。
学名は、ロサ・ブラクテアタ(Rosa bracteata)
一見するとテリハノイバラやナニワイバラと同じように見えますが、
花の中心部に対して花弁が大きく、その花弁が椀型にならず平開します。
当然花径も大きくなり、だいたい平均すると7センチから9センチ程度のサイズ、
日本の野生バラとしては大きな花です。

このバラに初めて出会ったのは沖縄県石垣島の景勝地、
「平久保崎」を新婚旅行で訪ねた時のこと。
海に向かう道沿いの放牧地には所々にソテツが生え、それに寄り添うように
このヤエヤマノイバラのブッシュが点在していました。
珊瑚礁の海の色と真っ白な平久保灯台をバックに咲いている姿は
まさに夢のような光景でした。
不思議なのは、この景色を見てパッと連想したのがなぜか北海道知床の景色。
そちらは濃紺の海と真っ白な灯台で、咲いているのは濃いピンクのハマナスの花。
「・・・おお、北と南で実に好対照、日本の自然はやはり多様で素晴らしい!」

アップの写真を撮ろうと近寄ってみると「・・・でかい!」
あらためてその花の大きさに圧倒されました。
訪ねたのは10月なので本来の花よりは小さくなっていたと思うのですが、
それでも迫力は充分でした。

こうなると持病の「実生症候群」の発作が避けられません。
枝に付いている実は未熟なものばかりでしたが、
株元の古い落ち枝に真っ黒な実が・・・(ホントだってば)
割ってみると綿の様な繊維質に包まれた白い種が出てきました。
これを播いて育てたのが庭の株です。
実生株からは色々な個性の花が出ましたが、写真のものは大輪の咲く株で、
枝が充実すると10センチを超える花を連発します。
写真の花は10.4センチでした。

残念なのはたった2日で散ってしまうこと。
蕾は少なくない方なので花期はそれなりにあるのですけど、
もうちょっと長持ちしてくれるといいのになぁ・・・

●今日、沖縄地方の梅雨明けが発表になりました。何だかふさわしい記事だっ
 たと、とても嬉しくなりました。あぁ、また八重山にいきたいよ〜っ!

Yaeyamaibara

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トクテイガイライシュ1

憂鬱な梅雨空にも負けず、一面に晴れやかな濃い黄色。
時には河川の土手、時には造成地、その花は逞しく咲き誇ります。
みなさんも目にしたことがあるのではないでしょうか?
キバナコスモスによく似た色ですが、それにしてはちょっと早咲き、
この花、オオキンケイギクと言います。

生まれは北アメリカ、日本に入って来たのは明治期といわれています。
うっかり来たのではなく、栽培植物として導入されました。
しかし、繁殖力がめっぽう強く、人の手から逸出したものが野生化し
今や全国至る所で大群落が見られるようになりました。

そしてこの花、ついに2006年からは外来生物法により「特定外来種」として
海外から国内に持ち込むことはもちろん、国内での販売、譲渡、移動、
さらには栽培することも基本的には禁じられました。
しかし一方では、つい最近まで種苗としてホームセンターなどで
普通に売られていたり、公園や造成地、グリーンベルトなどに
公共の事業として植栽されていた経緯があります。
ここだけの話、今でもお庭で可愛がられている光景も珍しくありません。
うちの近所にも植えているお宅は結構ありますよ。

写真の花は我が家のものですが、植えた訳ではありません(ホントですよ)
持ち前のバイタリティーで侵入してきました。
撮影したものの、これから抜いて処分しなくてはなりません(タテマエ)

この国へ来て100年が経ち、思えば人間の都合に翻弄されながら、
今や駆逐対象という運命になりました。
憎らしいくらい丈夫ですが、境遇には切なさを感じてしまいます。
「いてはいけないのだよ」という理由は「いるはずがないものだから」ですよね。
じゃあなぜ「いる」のでしょう・・・

今流行のガーデニングスタイルはなにガーデンなんでしょうか?
そこらへんの最先端には疎いのですが、相変わらずホームセンターでは
扱い方次第では問題になりそうな輸入種が乱売されています。
ペットの世界でも同様ですね。
全員が等しく責任を持てればいい訳ですが、なかなかどうにも・・・
オオキンケイギクのため息が聞こえてきそうです。

Ookinkeigiku

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小枝ちゃん

今年の梅雨の中休みはどうやら連休のようで、
今日も少しぼやっとした日射しが何とも行楽向きな一日でした。

写真の虫、もうお分かりですよね。そうそう、これは大きなしゃくとり虫。
しゃくとり虫とはシャクガの幼虫の総称ともいうべき名で、
この虫が歩く時にまるで長さを計ってでもいるかのように
体の前端と後端を交互に運んで伸長したりループになったりを
繰り返す様子から付いた名前です。

そして普段じっとしている際にはご覧の通り、
ピンと伸びきって枝になりすまします。
その姿は付いている植物の小枝のようで、無意識に目にしても殆ど気が付きません。
ポースだけではなく、その色彩や細かい形状・質感も、実によくできています。

写真のしゃくとり虫が付いている植物はバラ。
以前ブログで花を紹介している、玄関脇のロサ・フェティダ・ヴァイカラーです。
どうも少し前からごっそり葉っぱが無くなっている枝が目立っていたのですが、
お馴染み害虫のニホンチュウレンジではなさそうだし、はて・・・
とよく見ていたら、いたいた!結構大きいぞ!!

こうして撮影したものを見るとバレバレですが、
実際にはよく溶け込んでいます。
頭がVの字に見える様な一対の突起があり、バラについているところから見ると
トビモンオオエダシャクの様な気がしますが、
今まで見たものと表面の質感や色調がだいぶ異なります。別種・・・?
しかし擬態プロの彼らのこと。付いている植物や環境に合わせて、
このぐらいの変異の幅はありそうな気もします。

大切なバラが食べられてますが、付いているのは1匹だけのようですし、
擬態の見事さで楽しませてくれたのに免じて定住許可!

それにしてもこの子、小枝以上に小枝チョコに似ていませんか?
クラッシュナッツの小さな粒が点々と見えるあたり、美味しそう!?
命名、あなたは「小枝ちゃん」。

Edasyakuspyochu

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ハッと飛び退く知恵

クワガタを幼虫から飼育している人は今でこそ珍しくありませんが、
ちょっと昔はその飼育法すら確立しておらず、
割合簡単に飼えるカブトムシと違ってクワガタムシを幼虫から育て、
成虫まで持っていくということは大変なことでした。
キノコの菌糸を食べさせて大きくしたり、おがを発酵させた特殊なマットを
使ったりという今日の飼育技術は、
学者の世界で見出されたものではなく愛好家や民間の研究者の成果です。

こういう「好き」に突き動かされている人間のエネルギーと集中力は
相当なもので、私のように広い範囲の生物を知りたい人間には
これらの人々から授かるノウハウはまさに宝物です。

今までにも(というか今現在も)カタツムリだったりランだったり
チョウ、ホタル、カブトエビ、水生植物、球根、樹木・・・
それぞれについて飼育栽培を通して知識・体験を深めるごとに
多くのアマチュア専門家が味方をしてくれました。
その中のひとつに、大好きな昆虫、ゲンゴロウがあります。

写真の昆虫はマルガタゲンゴロウの幼虫。
空気呼吸に上がったところを上から撮影しているため、ピンが甘く、
体の細長いプロポーションも表現できていませんが、お許しを。
口にくわえているのはボウフラ(蚊の幼虫)です。
ゲンゴロウ類の幼虫は全て獰猛な肉食で、英名もウォータータイガー。
注射器になっている大アゴでがっしりと獲物を捕らえ、
消化液を注入して獲物の体内組織を分解し、吸い取ります。(=体外消化)
クモやタガメと同じ摂食方法です。
ちなみにゲンゴロウの成虫は、私たちと同じように
口で齧りとったエサを フツーに体内で消化します。

ゲンゴロウは何種類か累代飼育した経験がありますが、
マルガタゲンゴロウは初挑戦です。
この幼虫の親は、以前ブログ(今年の1月)に紹介した個体です。
ゲンゴロウの幼虫は大きさが適当で動くものなら何にでも反応し、捕らえます。
このため共食いが頻繁に起きるので、1匹ずつ単独飼育するのがポイントですが、
このマルガタゲンゴロウは複数で飼育しても、
エサさえ不足しなければあまり共食いはしないようです。
幼虫を観察しているとお互いが接触して相手の存在を認識した瞬間、
エビのようにピンとワープして共食いを避けます。
これは他の種でも見られる行動ですが、たいがい無事では済みません。
「ハッ!」と気が付いて飛び退く感じです。
おかげで複数をゆったり目の容器で飼育する分には
共食い事故は起こりませんでした。

それでも幼虫ゲンゴロウの飼育には上陸蛹化という難関があり、
このタイミングの見極めや蛹化ケースの作り方にはノウハウがあります。
今回はふとしたきっかけで知り合った秋田県在住のブリーダーの方が
強い味方になってくれました。多謝!おかげで最初の個体が無事蛹になりました。
新成虫誕生の際にはまたアップしようと思います。

Margatagenyochu

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紅の玉簾

今朝は結構冷えましたよ。10.5℃、あわや一桁でした。
日中は26.5度まで上がりましたが、そよ吹く風がさわやかでしたので
さほど暑いとは感じませんでした。
梅雨の晴れ間と言うにしては、出来すぎた快晴でした。

この時期は中型〜大型の宿根草に開花する種類が多く
雨にたたられっぱなしでは可哀想なのですが、今日は心なしか嬉しそう・・・
写真の花はシモツケソウの園芸品種、「京鹿の子」。
園芸品種といっても交配から生まれたものではなく、
原種の中から優れた個体を選抜した形です。
普通のシモツケソウはもっと淡いピンクで、やはり今頃同じように咲きます。
たまに白花もあるようですね。

シモツケソウはバラ科、同じバラ科の低木、シモツケに花がよく似ています。
なのに草本なのでおしりに草を付けて「シモツケソウ」。
ヤマブキに対してヤマブキソウ・・・と同じタイプの命名ですが
こちらはバラ科とケシ科の関係です。

遠目で見ると泡立ったような印象の花ですが、
近寄ってひとつひとつを丁寧に見ると小さいけどバラ科らしい形です。
花序の先端に向かって玉簾が伸びたように玉の蕾を並べ、
それが付け根の方から徐々にほころんでいきます。
派手な色合いですがこの色はアゲハを呼ぶようで
時折クロアゲハやカラスアゲハが色につられてやってきますが
チョウの吸蜜対象ではないようで、すぐにプイッといなくなってしまいます。

この株はずっと以前に、知り合いの方が愛培しておられた株を
「シモツケソウ」として分けていただいたものです。
当時の私は基本種の淡いピンクのシモツケソウを知らなかったので、
随分長い間、京鹿の子という名を知らずに
これが普通のシモツケソウだと思って育てていました。
実はその選抜品種「京鹿の子」。
強烈な花色ですが、和菓子っぽい名前とマッチしているようで気に入っています。
くださった方はだいぶ以前に亡くなられましたが、
この花をとても可愛がっていらしたのを存じておりますので、
その分の思いも込めて栽培しています。
ですからその方が花へ向けた言葉や表情が今でも鮮明に思い出されます。
花というのはその身を触媒にして、人の思いを遺伝するのだと知りました。
すごいですね・・・

Kyokanoko

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ダブルガード -アリグモ-

梅雨寒ですねえ。夕方前からにわかに陽が射してきましたが
空気が冷たいまま。最低気温は夜に出ました。(12℃)

さて、この時期は多くのクモが産卵のシーズンを迎えていますが、
今日紹介するのは個性的な?風貌のハエトリグモの一種、アリグモ。
その名の通り黒いスリムな体つきで、大きさもそして動きもアリにそっくり!

アリは昆虫だから脚が6本、
アリグモは8本なのですぐに分かりそうなものですが
アリグモは一番前の2本を常に振り上げ、
アリの触覚よろしくクリクリと動かしています。
こうなると残りの脚は8-2=6本なので、案外それらしく見えます。

しかし写真のアングルだと、アリらしいところが角度的に見えませんし、
ハエトリグモ特有の大きな丸いレンズアイが目立つので
やっぱりクモだね。という感じになります。
それに、メスは形もアリに徹していますが、オスはアゴが太く巨大で
折り畳んだ状態でも前に突き出してやたら目立ちます。
写真中央付近でこっちを見ているのがオス、
ね、大きすぎるアゴがなんともアンバランスでしょ。

メスも奥にいますがわかりますか?
バックの糸で作ったドームの中にぼやっとアリが一匹いるように見える・・・
あっちがメス。今自分で産んだ卵嚢を守って巣ごもりしているんです。
オスはその育児ドームの外で見張りをしながらメスと卵をまもります。

メスが巣ごもりしながら卵嚢を守るクモは案外たくさんいますが
オスも参加するのは珍しいと思います。
おそらく初期の段階だけだと思いますが、私が観察しているこのペアは
こういう体制で既に4日目です。

ハエトリグモは求愛時、交接時や交接後に
共食いが起こることは殆どないようです。
種により様々な求愛のダンスやポーズも見られ、
やはり行動的に発達したクモなのかなあ・・・と感じます。
面白いですね。

Arigumopr

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こちらも黒衣 -イチモンジチョウ-

お天気はまずまずでしたがムシムシしますね。
北海道の帯広で30℃の気温予想がでていましたが、どうなったでしょう。

クリの開花はまだ続いていて、今日もたくさんの昆虫で賑わっていました。
昨日の記事中で紹介したイチモンジチョウを撮影できましたので、
あまりいいカットではありませんが載せてみます。
昨日のメスグロヒョウモンと比べてみてください。
どちらも白黒トーンで、一見似ていますよね。

でも、黒地の部分はメスグロヒョウモンのような青味を感じません。
むしろやや赤味・・・というか焦げ茶っぽい黒です。
白い帯状の斑紋も、メスグロヒョウモンのように外側に向かって
にじむような感じはなく、コントラストがはっきりしています。
それでも後翅の黒地にはより真っ黒な斑紋の並びがあり、芸の細かさを感じます。
その他、大きさもメスグロヒョウモンより一回り小さいので、
慣れてしまえば見分けに迷う様なことはありません。

問題はこのイチモンジチョウにそっくりの近似種がまた別にいること。
その名もアサマイチモンジ、この2種は本当によく似ていて、
慣れていないとじっと止まっていてもどちらだか迷ってしまいます。
区別点は前翅の白い斑紋の並びが微妙に違うのですが、
文章で書くのはちょっと辛いので、やめておきましょう。

タテハチョウ科には他にも「黒地に白紋」はたくさんいます。
さくら上池のまわりにも、もう何種類か現れるはずなので
機会があったら、また紹介してみます。


Ichimonjicho


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黒衣の淑女 -メスグロヒョウモン-

梅雨の晴れ間って嬉しいですね。気分がすかあっと開放的になります。
いつもなら「これで仕事さえなけりゃあ・・・」なんて
罰当たりなことを言うところですが、
今日の仕事は行方市羽生小学校のビオトープ植栽工事第2弾だったので、
子供たちと一緒にこの晴天を満喫しました。
子供たちは給食をはさんで5・6時間目に今年の初プールとのことで、
水浴び三昧の一日に嬉しそうでした。羨ましいなぁ・・・
ビオトープの方も生き物たちで随分と賑わっていました。
その話は近日中に掲載します。

写真は今が満開のクリの花に来たメスグロヒョウモンです。
そう、昨日のブログで蛹を紹介した、あのメスグロヒョウモン。
その名で分かる通り、これはメス。オスはだいだい地に黒い斑点が
いかにも「豹紋」な蝶なのですが、メスはこの通り、まるで別種です。

基本的には黒地に白、なのですが
黒い地の部分は真っ黒な部分のほかに青っぽい黒、赤みがかった黒、
白い帯がにじんだグラデーションの部分があって、なかなかに深い味わい。
同じようにクリの花で見られるよく似たチョウにイチモンジチョウがいますが
こちらはもっと単純な、気持ち焦げ茶がかった黒で、一回り小型です。
メスグロヒョウモンはあの蛹からこんなチョウが出るのか、というくらい
大きく見えるチョウです。

成虫は割合長生きで、夏眠した後、秋に活動を再開するので
秋の野草の花を訪れる姿も見ることが出来ます。
でも、その頃にはハネも少々くたびれていますので、
美しい黒衣の姿を堪能できるのはこの時期に限ります。

Mesugurohyomon

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垂蛹(すいよう)-メスグロヒョウモン-

なんだかうっとうしい天気でしたね。
昨日と反対で「夕方から雨」との予報よりずっと悪く、
未明から小雨が降り続いていましたが、夕方から太陽が顔を出し、今は星空。

さて、昨日のブログで書いたタテハチョウ科の垂蛹(すいよう)ですが、
ちょうど手頃な例が身近にあったので掲載してみましょう。

写真は少し前に撮影したメスグロヒョウモンの蛹。
この蝶はスミレの仲間を食草としていますが、他のヒョウモンチョウも
半数以上がスミレ類を食草としています。
スミレ類はあまり背が高くならないので、
蛹も地面に近い草むらや物陰に作ります。
おしりの先を枯れ葉に固定し、コウモリのようにぶら下がっていますね。
このタイプの蛹を称して「垂蛹」。

どんな蝶の蛹でもお尻の先は糸で固定しますが、タテハチョウの仲間以外は
胸の左右脇から背中にかけてベルト状に糸を回し、
お尻と合わせると全部で3点支持の形をとります。
ところが(マダラチョウ科、テングチョウ科、ジャノメチョウ科を含む広義の)
タテハチョウの仲間はお尻だけの1点支持ですので、
下の空間に向かってぶら下がるのが最も安定したポーズになります。

この蛹、全体的な色調や凹凸感は枯れ葉に擬態してるかな〜という感じですが
気になるのはポチリポチリと並ぶ金属光沢の突起。
まるでポチッとハンダを落としたようでやたらと目立ちます。
せっかく擬態して地味に化けているのになぜこんなキラキラした
飾りが付いているのかわかりません。
しかし、スミレ類を食草とするヒョウモンチョウの蛹の
ほとんど(確認してませんが全部かもしれないです)に
このメタリックな突起がついています。
もしかしたらその部分が透明に見えたり穴のように見えたりして、
天敵に蛹の形を認識させない効果でもあるのでしょうか?

マダラチョウのある種の蛹やアマゾンの熱帯雨林に棲むプラチナコガネなどは
全体が見事にキラキラのメタリックですが、これは周りの色を反射して
自分の存在を消して見せる擬態効果があるそうです。
ほら、エイリアンムービーの「プレデター」のカモフラージュや
「攻殻機動隊」が使う光学迷彩と似た様なからくりですよね。

写真の蛹にそのような効果があるとはちょっと思えないのですが、
私たちの尺度を超えた何らかの意味があるのかも知れませんね。

Mesugurohyomonsanagi


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もうすぐ蛹 -オオムラサキ-

今日は当初の予報よりお天気が良くて、一滴の雫も落ちてきませんでした。
ちょっとだけムシムシしたでしょうか。
そのせいか、最高気温(24.5℃)より、暑く感じました。

クリの花が満開を迎える今頃から、庭のクヌギ樹液が本格的に発酵しはじめます。
既にコクワガタが毎日姿を見せるようになりました。
先日は、ゴマダラチョウも姿を見せました。
ひょっとすると庭のエノキから羽化した個体かも知れません。

そのエノキでは、ゴマダラチョウに近いもう一種類の大型タテハチョウが
まるまる太った大きな幼虫に育ちました。
写真の虫、日本の国蝶オオムラサキの幼虫です。
この幼虫は、お隣のつくば市産の個体で、画像記録用にお借りして
我が家で育てているものです。

貸してくださったのはいつも仕事でお世話になっている
NPO法人 つくば環境フォーラム。
NPO法人 つくば環境フォーラムでは、つくば市内の小学校で
オオムラサキの保全を通した環境教育を、
総合学習のテーマとしてコーディネートしています。というのも
オオムラサキは良好な里山環境がバランス良く残っていることを証明する
「指標種」としてふさわしい昆虫だからなのです。

それにしても、無表情な顔つきが多い蝶の幼虫の中にあって
(アゲハなどは模様を目と見ればおもろい顔ですが)
オオムラサキの幼虫は何とも愛らしい顔つきだと思いませんか?
この顔で葉っぱをサクサクやられると、ラブリーでしょうがありません。
先述したゴマダラチョウの幼虫も、ほぼ同じ顔をしています。
違いは背中に並ぶ突起の数。
頭の後から数えてオオムラサキは・・・いち、にい、さん、4対。
ゴマダラチョウは3対です。

それにしてもよく太ったものだぁ!もう少しで蛹になりますよ。
タテハチョウの仲間はみな「垂蛹(すいよう)」といって、
逆さまにぶら下がった蛹です。
無事に蛹化したら、また紹介したいと思います。

●すっかり書きそびれてしまいましたが、一昨日(6/6)に池のヘイケボタルが
 今年最初の光を放ちました。今日は3個体(2♂1♀)を確認しています。

Oomurasakiyouchu

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薔薇色の讃歌

バラという園芸植物は実に多彩な色のバリエーションがありますが、
バラらしい色をひとつあげなさいと言われたら、
皆さんはどんな色を選びますか?
赤、ピンク、クリームイエロー、それとも白でしょうか?

薔薇色の人生、薔薇色の未来・・・などという形容もあるように
実際の色のイメージを超えて「薔薇色」という単語そのものが
素晴らしく輝かしい、憧れの象徴であるようです。
そもそも薔薇という花の存在そのものが、
特別なものであるという感は禁じ得ません。

色名でいうなら薔薇色は赤みがかった紅色を指すことが多いようです。
しかし、これも人によりトーンの違いはありそうですね。
街頭でカラーチップを並べて、「あなたの薔薇色を選んでください」
なんて調査をしてみたくなりました。
案外近いことをやってるんでしょうね、化粧品メーカーとか・・・

ちなみに、私の中の薔薇色のイメージに最も近いのが写真の花の色。
これは私ではなく家人が栽培している
ハイブリッド・ティー・ローズの一品種「讃歌」です。
日本が誇る薔薇の大育種家、かの鈴木省三先生のどちらかというと晩年の作、
1986年に発表された日本の品種です。
写真はほとんど開ききった状態ですが、
見頃の形は剣弁高芯とよばれる整ったフォームで、
昨今はやりのオールドローズとは全く異なるまあ言ってみれば「昭和のバラ」。

姿もさることながらこの色合いがいい!
鮮やかなのに決してキツく無く、情熱も温かさも、優しさも感じる色合い。
単純な朱色ではなくて、肌色に徐々に赤味をさしていったような
グラデーションです。
ふむ、なるほど、これは人肌と血潮の色相なのかも知れませんね。
これに薔薇色を感じる私は、甘えん坊さんなのかも・・・母性への憧れ?
いやいや、人間愛ですよ。全ての人への愛の讃歌!
(これオチってことでもないし・・・なんか書いてて訳わかりませんな)

Ht_rose_sanka

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水無月 水面 緑成す

6月6日、雨がざあざあ降って来て♪というわけでもなく
今日は晴れ間が多くて、暑くなりました。
最高気温は27.5℃、久々にかっと照りましたね。

この梅雨の晴れ間に
(6月2日に関東も梅雨入りしたそうで・・・知らなかった!)
ひときわ元気に輝くのが水生植物たちの緑。

写真は庭に降った雨水と池のオーバーフローを集める水路
通称「あめんぼ川」(命名:うちの息子)。
でも既に水生植物に覆い尽くされ、ほとんど水面が見えません。
ここは玄関の脇にある園芸植物ゾーンなので、
水生植物も日本の野生種だけでなく外来種が混ざっています。

手前にある雄々しい抽水植物はアクアリウムプランツのエキノドルス。
そもそもゲンゴロウの産卵植物として使えないかと導入したものですが、
水路に植えたら巨大化して驚かされました。
開花時には1.3メートルもの花茎を伸ばし、3枚花弁の花を段々に咲かせます。
驚いたのは大きさ以外にも寒さに強いこと。
先の冬はかなり厳冬だったにもかかわらず、平気で野外越冬しました。
野外逸出したらかなりやっかいな外来害草となりそうです。要注意!

その足元の水面を覆い尽くすのはトチカガミ。
これはさして珍しくもない日本の水生植物ですが、
繁茂する力が大変旺盛で、個人的には
水質浄化能力がかなり高い植物だと思います。
もちろん殖えたらがばっと水揚げしなくては水質浄化にはなりません。
揚げて積むと分解が速く、堆肥の材料にもってこい、
我が家ではこれを林に戻しています。

その向こうはこれもアクアリウムプランツのウォーターバコパ。
これも堆肥になります。
立てに剣の様な葉をたてているのはショウブ。菖蒲湯は自家調達です。
一番奥がクサヨシ。風情があるの気に入っています。
ほんとのヨシ(葦)だと大きくて強すぎ(殖え過ぎ)るので、
これを植えています。トンボの羽化に大活躍です。

これらの水生植物は姿形もさることながら緑の色合いがそれぞれに異なり
水面の表情を豊かに演出してくれます。
花の彩りにちょっと食傷気味な頃、心の胃に優しい癒しの色なのでした。

Amenbogawa080606

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カのお母さん? -キリウジガガンボ-

雨が多いせいか、このところ野外でカに刺されることが多くなりました。
今年の初刺されは5月21日で、ヒトスジシマカでした。
以来庭で作業中にちょいちょいやられますが、すべてヒトスジシマカです。
よく「ヤブ蚊」と呼ばれる黒に白い模様が入った小柄なヤツで、
パシッとたたくと体表の模様を作っている粉状の部分が肌について
貼り絵状に転写された経験、皆さんもあるでしょ。

カというのはあらためて見ると大変脚の長い昆虫ですね。
特にふ節という脚先の細かい節が連なった部分が脚全体の半分位を占め
とても長くなっています。この部分をそらせることで、
カは表面張力を使い、水面に浮くことができます。
また、体全体が注射器の様になっているので
血を吸うときはこの脚でしっかり踏ん張るわけですね。

さてさて、写真の昆虫はカではなくてガガンボ。キリウジガガンボという種です。
ガガンボはカにやや近い昆虫ですが、人畜の血を吸う様なことはしません。
むしろ口は退化してお粗末なため、
成虫になってから、食事らしい食事は殆どしないといわれています。
ガガンボという名の由来は「蚊が母」とか「蚊がうば」という
語源の説がありますが、昔の人もガガンボの風貌に
「大きな蚊」という印象を持ったのですね。
蚊トンボとか脚長トンボという呼び方もあるようです。

掲載のカットは、ガガンボを腹側から見たもの。
こういう視点はあまりないなあと感じ、シャッターを押しました。
脚先はすべて止まっているサンショウバラの枝や葉に先を引っ掛けていて
その隙間からこちらを見ている格好です。
よく電車で両手首を吊り革に突っ込み、両足の間に鞄を置いて大の字に開き
目前に座る友達に「最近どうよ」なんて話しかけている高校生を連想しました。
いつも見慣れている背面からのアングルに比べ、俄然対話している感じです。

ガガンボの翅が2枚であることに気付かれた方もいらっしゃるでしょう。
ガガンボはカやハエ、アブと同じ2枚翅のグループ、「双翅目」に属します。
昆虫の翅の枚数は、基本的に4枚ですが、双翅目の昆虫は2枚の翅を駆使して
上手に飛ぶ仲間が多く見られます。もっともこのガガンボの仲間は例外で
あまり上手に飛んでいるようには見えませんが・・・
2枚の翅は元々前翅だったもので、後翅の2枚はハネの役割を失い、
飛翔中体のバランスをとるための器官「平均棍(へいきんこん)」になっています。
この写真でも翅の下、体の両脇に飛び出したマッチ棒の様な部分が
見えると思います。これが、平均棍です。
飛んでいる所をスローで見ると、この部分がどう役立っているのか
わかるのかもしれません。

それにしても、ガガンボが進化の過程で血を吸うという選択肢を
選ばなくて本当によかった。日本最大種のミカドガガンボなど
脚を広げると10センチを超える大きな双翅目。
そんなのに追いかけられたら、ほとんど恐怖映画です(汗)

Kiriujigaganbo

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甲虫さん、いらっしゃい2

今日は予報より天気が良かったので少し得した気分。
せっかく樹に咲く白い小花が満開なのに、
これまで雨ばかりで虫たちには可哀想でした。

写真はカンボク(スイカズラ科)の花にやって来たコアオハナムグリ。
カンボクの花って、とてもポップな印象があります。
基本的にはガマズミと同じなのですが、花序全体で見ると
周囲を取り巻くアジサイ様の装飾花がイラストっぽいんですよね。
この装飾花の広告効果は大きいようで、
朝から虫たちがこぞってやってきます。

一方、お客さんのコアオハナムグリは日本のハナムグリを代表する
とても身近な広域分布種です。
よくハルジョオンやマーガレットにもいますので
ご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか?

この個体は濃い目のグリーンにベージュの斑点ですが、
地色はもっと薄いグリーンのものや赤銅色、
まれにかなりブルーっぽいものもいます。
斑点の方も真っ白からかなり黄色の強いものまであり、
地色と斑点の色の組み合わせを見るだけでも
かなりのバリエーションが楽しめます。

ハナムグリは大きなくくりではコガネムシの仲間ですが、
コガネムシとは異なるいくつかの特徴を持っています。
まず、飛行が達者なこと。コガネムシはお世辞にも
飛ぶのが上手とは言えない昆虫ですが、ハナムグリやカナブン
(カナブンもハナムグリのグループに入ります)は実に巧みに
速く飛ぶことが出来ます。
その秘密は堅い前翅をほぼ閉じた状態で、後翅だけをのばして
飛行できるような翅の構造を持っているから。コガネムシみたいに
大きく開いた前翅がブレーキになるようなことはありません。
それからハナムグリはコガネムシと違い、成虫が植物の葉を、
幼虫が植物の根を食べません。いわゆる害虫ではないのです。
成虫は種類によって花や樹液、あるいはその両方に集まり、
幼虫は生きた植物ではなく腐植や朽ち木を食べて育ちます。
面白いのは幼虫の歩き方?で、
仰向けになって背中をうねらせて移動します。
また、基本的に昼行性なので、夜に灯りに飛んで来ることは殆どありません。

この時期、コアオハナムグリは庭に何十匹もやってきますが、
どこから来るのか、どこで産卵するのかなど、
花以外の生活場面を見たことがありません。
春に最初に見る成虫は体にいっぱい泥がこびり付いているので
きっと湿った土の中で越冬するのだろうということは想像できますが
花の上で交尾を済ませたメスが
どんな場所を選んで産卵するのか、いつか見てみたいものです。

Koaohanamukanboku

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コシマです。産み込んでます。

台風5号は予報通り低気圧になって今日もジメジメの空気をもたらしました。
まあ、風雨の被害がなかっただけよしですね。
この時期直撃なんかされようものなら、果樹をはじめ農作物がえらいことです。

今日の写真は室内の飼育水槽から。
数種類のゲンゴロウを飼育しているリビングの水槽内では、
繁殖期を迎え各種ゲンゴロウの産卵の様子が連日観察できます。
写真のゲンゴロウはコシマゲンゴロウ、この角度では見えませんが
背中(前翅)に黄色い縦スジが沢山あるのでこの名がついています。
我が家では「パジャマ」の愛称で呼ばれています。

このコシマゲンゴロウ、ただ今産卵中。
お尻の先端を水生植物の組織内に差し込んでいるのがわかると思います。
卵は長さ2ミリあまりのとても細長い楕円形で、
植物の茎と平行に1個ずつていねいに産み込まれます。

いくつかの資料にこのコシマゲンゴロウのような中型ゲンゴロウは、
大型のゲンゴロウのように植物の組織内に卵を産み込むのではなく
水生植物の表皮に卵をくっ付けて産卵すると記載されています。
ところがご覧の通り、大型種同様水生植物の組織内に1個ずつ産み込んでいます。

じつは資料の記載が全く間違っているという訳ではなく、
私の飼育経験では、少なくともコシマゲンゴロウとシマゲンゴロウは
両方の産卵スタイルをとるようです。(シマゲンゴロウは殆ど産み込み型)
ゲンゴロウが卵を産み込める水生植物は限られていて、
ひとつひとつの組織が大きく、空気を含んだ「浮き」のように柔らかくて
ブカブカした種類が選ばれます。
例えば、オモダカ、ヘラオモダカ、コナギ、ミズアオイ、クログワイ・・・
飼育下では、ホテイアオイがよく使われます。
写真の植物はトチカガミで、やはり大きな柔らかい組織構造をしています。

しかしコシマゲンゴロウやシマゲンゴロウの生息する小水域には
必ずしも好都合な水生植物が生えておらず、
産み込む以外の産卵法・・・表皮付着型にも適応しているのでしょう。
でも産み込み型の産卵の方がやはり安全は担保されるようで、
表皮に付いた卵は水槽内で他の成虫によく食べられますし、
野外でもコガムシが食べているのを観察したことがあります。
表皮付着型の産卵法は、ギリギリの選択なのかもしれません。

同じ水槽内にマルガタゲンゴロウもいますが、
この種では表皮付着型の産卵を見たことがありません。
以前ブログに書いたように、マルガタゲンゴロウは各地で激減していますが、
もしかすると産卵法の幅の違いが、減少要因のひとつかも知れませんね。
でも、彼らもちょっと工夫しているようです。
その話はいずれ機会があったら書いてみましょう。

Koshimagensanran

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シップの女王様

あ〜あ、やっぱりかぁ・・・いいお天気は昨日一日だけでした。
こうぐずついてばかりでは動植物も困りますが、洗濯物もかなり困ります。
庭にムジナタケがたくさん生えてきました。
このままだとパンツにもサルマタケが生えてきそうです。
(by松本零士・・・わかる人いるかなあ)

写真の花はシプリペディム・レギナエ(Cypripedium reginae)
先週(5/27)に咲いたら掲載、と予告した北アメリカ産のアツモリソウです。
我が家のアツモリソウの花リレーのアンカーで、いつも6月の開花となります。
この花はアツモリソウ(シプリペディウム・・・略称シップ)の女王と呼ばれ、
欧米では古くから人気のガーデニングプランツでした。

花の基本的なつくりは日本のアツモリソウと同じですが、
唇弁に桃の果実ようにさすピンク色がとても印象的で
たしかに女性的なやさしい美しさを感じます。
茎や葉にもほわほわっとした白い軟毛が密生していて
やわらかそうな、あったかそうな印象・・・

しかし性質は意外に強健で、やるべき時にやるべき手入れを怠らなければ
そう失敗する様な神経質なものではありません。
我が家の株も、入手してからもう10年になります。
しかし昨年手抜きをしたのがばっちり翌年の開花に反映してしまい、
今年は少し小さい花でした。
実は去年、花後の肥料をやるタイミングを逸し、初夏の施肥を省いたのです。
いけないいけない!夏を乗り切る体力をしっかり付けるためにも
今年は花後の管理を徹底しなくては・・・女王様のご機嫌を損ねてしまいます。

Cypreginae

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林下の灯火 -キンラン-

やっとやっと晴れて、気持ちよい一日でした。
晴れた割に気温が上がりすぎず、6月のスタートは5月の爽やかさでした。

そんなお天気に誘われて、筑波山麓から石岡(旧八郷町)を抜けて
笠間の先、城里町の方まで一回りしてきました。
あちこちの気になっていたフィールドを一日で一気に覗いてきました。

写真は最初に行った筑波山麓で見つけた野生ラン、キンランです。
本来もう少し早い時期・・・5月中旬ごろによく見られる花ですが、
この株の周囲には他にもまだ数本が咲いていました。
黄色を「金」と名付けるのはよくあることで、
もっと小柄ですが、よく似た白い花を咲かせるギンランやササバギンラン
といった同属の仲間があります。
キンランは松林などにも見られますが、もっとも好むのは
コナラやクヌギを主体とした雑木林の中で、林縁の直射光があたりやすい所より
林内に届く少量の木漏れ日を好みます。
ということは当然ぼうぼうに篠(アズマネザサ)が繁茂している様な林は苦手で、
よく手入れされた明るく風通しのよい林が大好きです。

そういう場所に咲きますので、写真撮影が難しい花でもあります。
林の中を照らす様な美しい黄色がどうも周囲の色に影響されて
緑がかぶってしまう、葉の色を正確に表現しようとすると花がオーバーに、
花に陰影が付くようにすると葉がダークに・・・と行った具合。
晴れより明るい曇りのコンディションの方が色は出しやすいのですが
それだと今度は光量が足りないのでシャッターが遅くなってしまいます。

この花に関しては、私の駄作はともかくとして
プロがとった書籍の写真と比べても、実物の美しさが光っています。
条件の良い雑木林だと結構な個体密度で咲いていますから
外部の明るさと対照的な林の影の中で、
灯火のように点々と咲く様がなかなか感動的です。
もっともこの花は目立つのでたいてい放っておかれることが無く、
見事に咲き誇っている林は、いつも掘りとられて失われます。
持っていってもまず栽培が成功することは無いと思うのですが・・・

というのも、このランは生きていくための栄養を
自らの光合成以外に根の共生菌の働きに依存しているようで
生えている場所が変わると根菌の働きが失われ、数年で消えてしまうためです。
キンランやギンランを栽培するためには、共生菌が生きてゆけるよう、
まず雑木林の土壌を植栽地に復元する必要がありそうです。無理ですね(笑)

林下を照らすこの黄色い灯火を見るたびに、
来年もまた見られますようにと祈る様な気持ちになってしまいます。

Kinran

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