« 甲虫さん、いらっしゃい2 | トップページ | 水無月 水面 緑成す »

カのお母さん? -キリウジガガンボ-

雨が多いせいか、このところ野外でカに刺されることが多くなりました。
今年の初刺されは5月21日で、ヒトスジシマカでした。
以来庭で作業中にちょいちょいやられますが、すべてヒトスジシマカです。
よく「ヤブ蚊」と呼ばれる黒に白い模様が入った小柄なヤツで、
パシッとたたくと体表の模様を作っている粉状の部分が肌について
貼り絵状に転写された経験、皆さんもあるでしょ。

カというのはあらためて見ると大変脚の長い昆虫ですね。
特にふ節という脚先の細かい節が連なった部分が脚全体の半分位を占め
とても長くなっています。この部分をそらせることで、
カは表面張力を使い、水面に浮くことができます。
また、体全体が注射器の様になっているので
血を吸うときはこの脚でしっかり踏ん張るわけですね。

さてさて、写真の昆虫はカではなくてガガンボ。キリウジガガンボという種です。
ガガンボはカにやや近い昆虫ですが、人畜の血を吸う様なことはしません。
むしろ口は退化してお粗末なため、
成虫になってから、食事らしい食事は殆どしないといわれています。
ガガンボという名の由来は「蚊が母」とか「蚊がうば」という
語源の説がありますが、昔の人もガガンボの風貌に
「大きな蚊」という印象を持ったのですね。
蚊トンボとか脚長トンボという呼び方もあるようです。

掲載のカットは、ガガンボを腹側から見たもの。
こういう視点はあまりないなあと感じ、シャッターを押しました。
脚先はすべて止まっているサンショウバラの枝や葉に先を引っ掛けていて
その隙間からこちらを見ている格好です。
よく電車で両手首を吊り革に突っ込み、両足の間に鞄を置いて大の字に開き
目前に座る友達に「最近どうよ」なんて話しかけている高校生を連想しました。
いつも見慣れている背面からのアングルに比べ、俄然対話している感じです。

ガガンボの翅が2枚であることに気付かれた方もいらっしゃるでしょう。
ガガンボはカやハエ、アブと同じ2枚翅のグループ、「双翅目」に属します。
昆虫の翅の枚数は、基本的に4枚ですが、双翅目の昆虫は2枚の翅を駆使して
上手に飛ぶ仲間が多く見られます。もっともこのガガンボの仲間は例外で
あまり上手に飛んでいるようには見えませんが・・・
2枚の翅は元々前翅だったもので、後翅の2枚はハネの役割を失い、
飛翔中体のバランスをとるための器官「平均棍(へいきんこん)」になっています。
この写真でも翅の下、体の両脇に飛び出したマッチ棒の様な部分が
見えると思います。これが、平均棍です。
飛んでいる所をスローで見ると、この部分がどう役立っているのか
わかるのかもしれません。

それにしても、ガガンボが進化の過程で血を吸うという選択肢を
選ばなくて本当によかった。日本最大種のミカドガガンボなど
脚を広げると10センチを超える大きな双翅目。
そんなのに追いかけられたら、ほとんど恐怖映画です(汗)

Kiriujigaganbo

|

« 甲虫さん、いらっしゃい2 | トップページ | 水無月 水面 緑成す »

庭のphotoログ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/487746/21440923

この記事へのトラックバック一覧です: カのお母さん? -キリウジガガンボ-:

« 甲虫さん、いらっしゃい2 | トップページ | 水無月 水面 緑成す »