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2008年7月

祝・100匹目

一昨日から風が涼しくて、ちょっと秋みたいな・・・・
3〜4年ほど前から、
特に空梅雨気味の年に7月にこんな陽気が多くなった気がします。
にしても夕立ちや虹を見なくなりましたねえ。
出てます?私が空を見れてないだけなのかなぁ?

さてさて、何度か話題を掲載しているショウジョウトンボですが、
抜け殻を数えて100匹目の個体が今朝羽化しましたよ。
数えられる部分でのみの計数ですので、ホントはもっと多いのでしょう。
小さな水域なのに、よくまあこんなにいたものです。
しかも強敵のクロスジギンヤンマをはじめ、天敵やライバルも少なくありません。
それでもここ2年でショウジョウトンボは、
さくら上池の最優先種に登り詰めました。

彼等は幼虫(ヤゴ)時代、体の大きさに合わせていろいろなエサを摂食します。
ミジンコ、アカムシ、メダカの稚魚、初期のオタマジャクシ、
イトトンボのヤゴ、他の水生昆虫・・・
ショウジョウトンボがこれだけ多く羽化するということは、
それほど多くのエサが彼等をしっかり下支えしているということ。

もっと遡ると、落ち葉や水生植物由来の腐植など
有機物の供給に応じて植物プランクトンやワムシなどが発生しているということ。
=池の基礎が頼りになるだけしっかりとしてきた、と見て良さそうです。

トンボやカエルは、生活ステージが変わることで
外から池に流れ込んだ栄養物を
また池の外へと持ち出す役目をしています。

人が大きく関わる里山の生態系では、
人の手による藻苅り(→堆肥にする)や泥さらいといった管理もまた
池に蓄積した栄養物を山に返すのに一役買っています。

山間部の自然の池は別として、里山においては
富栄養で汚濁が進んだ池には生き物も人も近づかない・・・のではなく
人が放棄し、多くの生き物が棲めない池は
汚濁への道を歩まざるを得ない、と言えそうです。

Shojotonbouka0807

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夏向けショートカット

植物の成長するにつれ、当然ながらビオトープは鬱蒼としてきます。
さくら上池も5年近くが経過し、各植物の繁茂する密度が高まりました。
水中の生態系には直接大きな関係はありませんが、
水と陸、あるいは水と空を行き来する生物にとって、
水際の様子がどんな風なのかは重要な問題です。
池の周囲の全部が鬱蒼としていたのでは、利用する生物が限られてきます。

という訳で、池の水生・陸生植物を夏向きにサッパリとカットしましたよ。
ワイルドな印象は弱くなりましたが、風通し、見通しがよくなり、
池と周囲の関係も少し開放的になりました。

加えて、池を取り巻くクヌギやハンノキも下枝を大幅に剪定し、
大人がかがむことなく木の下を移動できるくらいの空間をとりました。
池の周回路に入ってみると
ちょっぴり雑木林の中にいる雰囲気を味わえます。

水生植物ではヒメガマを6割、トチカガミを8割ほど除去、
この2種はこれだけ減らしても秋までに盛り返してくるので、心配いりません。

一番大きく変わったのは写真の向かって左端に見える、
ハリイに仕切られた浅棚部。
今までハリイとハリコウガイゼキショウが元気すぎて、
池本体から切り離されてしまっていたのですが、
今回の作業で江間のように奥の部分で繋がりました。

トンボ、カエル、そしてタイコウチやゲンゴロウ類などの水生昆虫は
季節や成長進度によって好む水域が微妙に変化します。
各エリアの連絡が良くなることは、これらの生物にとっては悪く無いはずです。
でも、今まで仕切られた浅棚で大型捕食者の侵入から守られていた
イトトンボなどにとっては、ちょっと脅威だったかも知れませんね。

Ike080730

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これも花、これもラン

今日の写真はランの一種、パフィオペディラム・タイランデンセ。
(Paphiopedilum thailandense)
もちろん花で、咲いている状態です。決して食虫植物ではありません。

かつてパフィオペディラムは栽培される洋ランの中でも
とても人気の高いグループでした。
その一番の理由は個人向けの温室や保温器具が普及しない時代にあっても
冬季室内に取り込めば栽培が可能であるという、耐寒性の高さにありました。
また、花の渋い色調が骨董的な独特の魅力を醸し出し、
一部のマニア心をくすぐったようです。

今日では、栽培アイテムが発達、普及し、ランの方も品種改良が進んで
栽培しやすくなったため、シンビジウムやデンドロビウムはもちろん、
カトレヤやファレノプシス(胡蝶蘭)も
多くの人が気軽に楽しめるようになりました。

こうなると、洋ランにして地味なパフィオペディラムは、
徐々にマイナーな洋ランという位置づけになり、愛好家もやや減少。
そしてパフィオペディラムの栽培にとって決定的な転機をもたらしたのが
属ごとすべてワシントン条約により国際的な取引が規制され、
自由な流通ができなくなったという現実です。
(まあ、あくまでタテマエなんですが・・・)

こうして今やパフィオペディラムは洋ランの世界でもすっかり日陰者。
私の様にいまだにこれや近縁属のフラグミペディウムばかりを栽培している人は
本当に少数派になってしまいました。

しかし、個人的にはやはりパフィオペディラムには魅力を感じてやみません。
ランの花として見るとやはり「なんじゃこりゃ」の話だと思いますが、
極めて微妙な造形・色彩の美を感じます。

このタイランデンセはその名の通りタイに分布する原種です。
マレー半島の近隣地域にはごく近いほかのパフィオペディラムもあって、
コレクション栽培は楽しいものです。
もっとも今や国際流通が無いので、昔から国内に入っていた株と、
その実生株しか収集の範囲になりませんが・・・

ですから今手元に持っている種類は本当に大切です。
大事に大事に育てたいのですが、寒さに強い洋ランのパフィオペディラムは、
今となっては温暖化の暑さに弱い洋ランでもあり、
夏越しの難しさが年々増して来ているようです。

Paphthailandense

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ガレの隠れた名作?

薄暗い夕暮れの温室で鉢に水やりをしていてそれを発見した時は、
本当に光っているのかと思いました。
よく見るとレモン色のそれはそれは美しいキノコでした。
傘の表面は洋菓子の様な質感で、周縁には裏面のひだと同じ向きに
幾条もの筋模様が繊細に刻まれています。
柄はすらりと伸びていて、途中に小さなつばのアクセント。
可愛らしいけどスマートな印象、丁度ランプシェードのようです。

キノコのランプシェードといえばやはり思い出すのは巨匠ガレ。
自然物をモチーフにした彼の作品は、どれも魅力的ですね。
このキノコもそんなアール・デコの逸品のようです。

キノコの種類はコガネキヌカラカサタケ、ハラタケ科の一種で、
林内や庭園の地上の他、温室内の鉢の表土にも出ると書いてあります。
なるほど、温室内と特記してあるくだりには、とても説得力があります。
実際に生えていたのは温室で管理していた原種アンスリュームの鉢、
まさに株の足元を照らすランプのようでした。

しかし、この鉢に水を掛ける前に気が付いて良かった!
もう少しで、ホースの水圧でこの芸術品を壊してしまうところでした。

Koganekinukarakasatake

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控えめな個性派 -カワラナデシコ-

今日はわが町牛久のメインイベント「うしくカッパまつり」の2日目。
夕方からのかっぱ囃子踊りパレードに一家で参加したのですが、
一時間ほど踊ったところでいきなりの雷雨!ものすごい豪雨でした。
当然祭りは即刻中止。
毎日降る降る言ってて裏切られていたのに、
こんな時に限ってまともに降って来ました。
でもまあ、やっと降ってくれた!さすがカッパまつりだけあって、
雨乞い効果が抜群かな?頭のお皿も潤ったことでしょう。

庭の一角では、可愛らしい薄ピンクをしたカワラナデシコが咲き始めました。
これも植えたものではありません。近隣にも咲いている姿を見ているので、
おそらく地のものでしょう。
この一角にはキキョウ、ワレモコウ、ススキ、オキナグサ、フジバカマなど、
日本古来の野草を植えてあります。
もしもわざわざカワラナデシコを植えたとしても、きっとここだったでしょう。
自分に似つかわしい場所を選んで生えてきた様で、一層可愛く思えます。

それにしてもこの花弁の切れ込みは何ともエキセントリックですよね。
それでも花全体が落ち着いて見えるのは、色のせいでしょうか。
先ほど薄ピンクと書きましたが、あえて薄桃色と表現したいです。
洋風のフローラルピンクと少し違って見えるのは、先入観なのかなぁ?

随分昔のことですが、雑誌の1コーナーに
生け花の作品にコラムが添えられたページが毎月連載されていて、
この花とラン科のサギソウがコンビになった作品が載ったことがありました。
どちらも花弁の深い切れ込みが印象的な花なので、
不思議な美しいマッチングを感じました。

カワラナデシコは多年草ですが、
どちらかというと種子繁殖を補助する程度の多年性で、
挿し芽や実生をしないと、親株はやがて老化して消えてしまいます。
しかし、このタイプの多年草は実生発芽率が高いので、
周囲を注意深く見るとたいてい実生苗がいくつかあるものです。
どれどれと探して見ると、あったあった。
来年には花を付けそうな株が、少し離れたところに4株ほどありました。

よく見ると個性的な風貌なのに控えめな印象の大和撫子、
あまりでしゃばらずに、来年あたりは
あちこちでさりげなく咲いてくれるのかなと楽しみです。

Kawaranadeshiko

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キング・オブ・ワイルドリリー

雨が降らない・・・本当に降りません。
毎日どんよりするのですが、ここまでなってどうして一滴も降らないものか。
わが庭ばかりでなく、近所の雑木林でもクヌギの樹液が涸れはじめました。
植物も昆虫も辛そうに見えます。

さて、本日の写真は日本有数の豪華な野草、
そして世界有数の美しい原種ユリ、ヤマユリです。
ここ数年で株が充実して来たためか、
直径20センチを超える花が7〜8輪咲いてくれます。
目立つ所に虫食いがあるのはご愛嬌ってことで・・・(笑)

ヤマユリは身近な里山の植物なので古くから愛され、
日本人にとっては、最もポピュラーな野生のユリではないでしょうか。
地下の鱗茎(いわゆる百合根)は食材としてもお馴染みですね。

私たちには見慣れたヤマユリですが、今から130年あまり前、
ウィーン万博で初めて西洋に紹介された時は
あちらのフローリストたちを驚愕させたそうです。
大輪、多花性、強香と3拍子揃った夢の様な美しい百合に
多くの人たちが魅せられ、こぞってヤマユリの球根を求めたとか・・・

最近では「カサブランカリリー」に代表されるオリエンタル系の
交配親としても知られていますね。
実はこのオリエンタル系には、ヤマユリの他にもカノコユリやヤマユリの変種
サクユリ(タメトモユリ)も交配親として活躍しています。

我が家では、この時期10本ほどが花を咲かせますが、
今年が芯喰い虫に2本がやられ、倒れてしまいました。
咲く寸前の状態でしたので家人が花瓶に生けたところ見事に開花、
置いてある玄関は百合の香りでむせ返りそうです。
しかし、生ける際に花粉が服に付いたらいけないと、
オレンジ色の6本の葯を切り落としました。
お花屋さんでもユリは同様の処理をされていますが、
葯が無いとこれほど締まらないものかというほどイメージが変わりますね。
葯はユリの花を立体的に魅せる重要なアクセントだと感じました。

Yamayuri

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湖上にて2

写真は霞ヶ浦湖上からみた土浦の街並です。
昨日に引き続き「水のたんけん隊」の2日目、
朝から猛暑の様相となり、船の出発前の土浦港の気温は
午前9時の時点ですでに35℃!
各地でも朝から気温が30℃以上になっているようで、ラジオのニュースでは
そんな話題があちこちから聞こえて来ました。

驚いたのは昨日より格段に増えているアオコの状況!!
昨夜はあまり水温が下がらなかったので、そのせいもあるのでしょう。
アオコは昨日見えなかった沖に出てもあちこちに漂っていました。
プランクトンネットによる採集でも、昨日は殆ど入らなかったアオコが
今日はバッチリ採集できていて、
どうやらミクロキスティスという藍藻類のように見えました。

霞ヶ浦は、220平方キロメートルという広大な面積(琵琶湖に次いで2番目)を
持つ湖ですが、平均水深はたったの4メートル。
浅くて巨大な水たまりです。
こう紙皿のように浅いと、少しの気象の変化で底泥が巻き上げられ
沈殿している有機物が水の濁りをもたらします。
この濁りの中にはアオコを形成する植物プランクトンの養分が
多量に含まれているため、このところの小雨、高温の条件が加わると
これらの植物プランクトンが大量増殖して、
アオコが出るのではないかと想像できます。

湖心部近くの水を調べた限りでは、例年同様、植物プランクトンをエサとする
動物プランクトンも大量に発生しています。
普通、完成された生態系の中では、さらにより上位の生物へと
食べる・食べられるの関係が繋がっていって、
鳥(漁業という形で人間も含めることが出来ます)などの最上位の捕食者によって
湖内の栄養分は湖外の生態系へと持ち出されるのですが、
われらが霞ヶ浦の場合、どうもそこに至るまでの中間的な生物層が
欠落あるいは貧弱化していて
湖内の生態系が健全でないような気がしています。(あくまで個人的な見解)

その理由もいろいろ思い当たるのですが、それはまた機会があったら書くとして、
とりあえず霞ヶ浦の将来をどうするのか、管理者の国がリーダーシップをとって
本気で論議する時期なのかも知れませんね。

この問題は工業、農業、漁業、流域住民など、
あまりに多くの人や組織の利害が絡んでいますし、茨城県や流域市町村と
国との連携ももっと見直す必要がありそうです。
全国各地で湖沼や河川、沿岸海域の管理のあり方について
議論が活発化している昨今、霞ヶ浦流域にすむ一人として
どんな霞ヶ浦が「持続可能なあるべき霞ヶ浦」の姿なのか
考えなくちゃいかんなあ・・・腕組みしてちょいとシリアスなひとときでした。

Kasumigaura080725


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湖上にて1

今日と明日は土浦市の主催する恒例の子供向け環境教育プログラム
「水のたんけん隊」の講師を務めます。
初日の今日は日射しこそ無いものの、
かなり蒸し暑く少々辛い野外活動となりました。

この「水のたんけん隊」では、午前中、
土浦港より船で霞ヶ浦(西浦)の湖心部近くまで出て、水質を調べたり、
周囲の様子や採取したプランクトンの観察を行い、
午後は流入河川の桜川を遡った支流のひとつ、筑波山麓の「又次沢」の
自然の中で生まれ出たばかりの水や周囲の自然を観察し、
霞ヶ浦や河川の汚れ、私たちの生活が水環境に及ぼす影響について考えます。

船に乗って湖上に出ることも、源流部の自然に触れることも
子供たちにとってはかなりの「非日常」。
一日で両方を見る濃いプログラムにもかかわらず、
エネルギッシュに走り回っていました。
今年は初の試みとして親子での参加形式としたため、
同伴のお父さん、お母さんたちも生活者の視点で地域の環境を見つめ直す
とてもよいきっかけになったようです。

ところで、ここ10年ほど水質が横ばいだった霞ヶ浦ですが、
今年は少し悪い方への変化が見られます。
随分久しぶりに、アオコが復活してしまいました。
昨年の猛暑の最中にも一時的に見られたアオコですが、
今日は土浦港で大量に膜状に打ち寄せられているのが確認でき、
腐臭を放つほどの量ではないものの、独特の青臭い匂いが僅かに漂っていました。

素人の私自身は原因の特定など到底出来ませんが、
6月、7月の小雨と、昨年よりもハイペースな猛暑日・真夏日の連発などが
影響しているであろうことは、すぐに察しがつきました。
それでも湖心部の水はアオコの影響を感じさせるものではなく、
かつて(昭和60年代)の惨状に至ることは無さそうだと一安心。
これ以上自体が悪化しないうちに恵みの一雨が切望されます。

Kasumigaura080724

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夫婦の距離 -ヒメガマ-

今日もメチャメチャ暑いですね。みなさん大丈夫ですか?
現在(16:30)34℃、さっき見た時は36.5℃でした。今日の最高気温です。
日中はあまりの暑さに、飛行中に落下してしまう昆虫をみかけました。
チョウも花を離れて木陰で休んでいましたし、
トンボも陽に当たる面積を減らす「逆立ち止まり」でした。
人に限らず、みな辛そう・・・

写真はさくら上池のヒメガマです。
少しは涼しげかなと思い載せてみたのですが、う〜ん、今ひとつかな・・・
このあたりでは池や川、そして霞ヶ浦の湖畔に
ガマ、コガマ、ヒメガマと3種類のガマの穂を見ることができますが、
穂の特徴に注目することで種類を判別できます。

いわゆる「ガマの穂」で、ソーセージのように見える部分は雌花です。
雄花はそのソーセージの上に、刺した串(花茎)にまとわりつくように
ごしょごしょっと見える部分です。
写真ではすでに雄花は咲き終わっていて、枯れた様な焦げ茶色になっています。
同じ穂では、雄花は常に雌花より先に咲いて、
雌花が受粉の準備ができた頃には咲き終わっているのです。
自家受粉を避けるためですね。

ヒメガマの特徴は雄花と雌花の距離。ほら、よく見ると隙間があるでしょ。
遠目で見てもこの隙間があるようなら、まずヒメガマで間違いありません。
雄花と雌花(夫婦)のほどよい距離でしょうか。
また、雄花の部分が長いのと、雌花が明るい赤茶色なのもヒメガマの特徴です。
ガマとコガマは穂の形がよく似ていますが、サイズが明らかに違います。
ソーセージの長さが10センチ未満であれば、ほぼコガマです。

池のヒメガマは植えたものではありません。勝手に生えて来ました。
ガマの穂は晩秋に熟し、ぼふっと崩れて種子の綿毛を風に乗せます。
見た目風情があり、トンボの羽化や成虫の止まり場所として役立つので
そのまま生えてもらっていますが、とても旺盛な植物なので
放っておくと池じゅうに広がってしまいます。
しかも、横に這う地下茎は先端がとても堅く尖っているので、
シートで出来たビオトープなどではシートを突き破って
漏水の原因になることも少なくありません。
ですからさくら上池では、風情を楽しむ程度に株を残して
毎年刈り取ってセーブしています。
切り取った穂は室内に飾って楽しみますが、
ドライフラワーにして長くとっておくことも出来ます。

Himegama

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大暑 -ツマグロヒョウモン-

暑かった!いやぁ本当に今日は暑かったです。
最高気温は35.5°を記録しました。
近頃よく言われることですが、こういう日が毎年増えている気がします。
そういえば今日の夜の天気予報で、
小雨についてのコメントがようやく出ました。
もうとっくに雨量が少ないとみんな気が付いているのですが、
気象の世界では記録が整いきってから例年や過去何年と比較してから初めて
「今年はこうだった」と発表するので、
こういう事象については結果報告としてしか出て来ません。
いつもながらちょっともどかしいと感じてしまいます。

写真は大暑にふさわしい「北上蝶」、ツマグロヒョウモンです。
ここ数年で急に現れ、すっかり定着したことを、
以前幼虫を紹介した時に書きましたが、今年も彼等は躍進しそうな勢いです。
写真はオス、ツマグロという名はメスを指して付いた名ですから、
このオスでは意味が分かりません。
このチョウも、以前紹介したメスグロヒョウモン同様、
オスとメスで模様や色が全く異なるチョウです。
後日、チャンスがあったらメスの方も撮影してみましょう。
メスもまた、きれいなチョウですよ。

それにしても、やや薄いブッドレアの紫色と
ツマグロヒョウモンの僅かにくすんだオレンジ色はぴたりと合う
カラーコンビネーションですね。
本当は白いブッドレアにもう1匹、翅にスレやよじれの無い個体がいたのですが、
色合いがあまりにパッとしていたので、
少々キズものでしたがこちらを撮影しました。

時に自然の中に見つける色や模様の取り合わせは、
実に美しく絶妙なものがありますよね。
私の場合、本業のデザインに役立つことも多かったりします。
今日のコレもネタの引き出しに入れておくとしましょう。

Tsumagurohyomonosu

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創世の宇宙

Paipukazuraup_5

ついに確認されたホワイトホールの最新分析影像です。
中央に見える物質の放出域では、プラスの重力の成す超エネルギーの光と
連続するプラズマの発光の両方が映し出されています。
意外なことに、うしかい座の周辺で見つかったそうです・・・嘘です(笑)

でも、この画像を見て正体を見破ったなら、あなたは相当な植物好き!
実はこれ、パイプカズラというウマノスズクサ科のつる植物の花、
それも大きく開いた、花の中心部のアップです。
和名でパイプカズラと呼ばれるものには近縁の数種類がありますが、これは
アリストロキア・ギガンテア(Aristolochia gigantea )
ブラジル原産です。

縦長の楕円形をした花の一輪がとにかく大きく、
長径で21センチ以上ありました。
その独特の色合いと模様が相まって、ものすごい存在感!圧倒されます。

我が国にもウマノスズクサはありますが、
花の構造は基本的にほぼ同じであるものの、非常に小さく、あまり目立ちません。
ウマノスズクサといえば、ジャコウアゲハの食草として有名ですが、
いくら外国産でも同じような成分を持っているためか、
やはりジャコウアゲハは産卵にやってきました。

この株はいつもお世話になっている三郷の洋ラン園の社長さんが
ご好意で分けてくださったもの。
昨年の夏に挿し木をし、温室内で越冬しました。
当然今後も温室内で越冬させる必要があるので、
鉢植えで育て、秋遅くに地上部を刈り取り、
地下茎で温室に取り込もうという作戦です。

それにしても春から初夏にかけての肥培が効を奏したのか、
蕾が鈴生り、当分花が楽しめそうです。
かなり奇怪な雰囲気ですが、これだけ大きいと注目度は高そうです。

Paipukazuramini_3

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24時間戦えますか? -カブトムシ-

昨日、関東地方も梅雨明けしたんですね。
昨年は何だか梅雨も明けないまま真夏に入ってしまい、
振り返ればえらい猛暑でした。
今年はお手柔らかに願いたいものです。

さてさて、3日前にも書きましたが、クヌギがカブトムシで賑わっています。
殆どが近くの竹林などで発生したと思われる飛来個体ですが、
昨年から1本のクヌギの根元周りに落ち葉や堆肥、刈り枝を積んだところから
自家発生した個体も加わっているようです。

彼等はいうまでもなく夜行性ですが、
個体数が増え、樹液の量も増すに従って昼間も居残る個体が増えて来ました。
こういう個体に単独のオスはあまり見られず、たいてい単独のメスかペアです。
メスは産卵のため、オス以上にエネルギーと栄養を補給する必要があるため、
産卵する直前までなるべく長くクヌギの樹液に滞在します。
結果、昼間も居残って食事を続ける訳ですが、
これが小型で力の弱いオスにとっては
大きくて力の強いオスの邪魔が入らない絶好の交尾の機会となります。

写真のオスはそう小さな個体ではありませんが、
あちこちに傷を負っているので、結構苦労人のようです。
きっと昨夜もバトルにフル参戦したに違いありません。
24時間態勢で頑張っちゃってます。

カブトムシの成虫は長生きしてもせいぜい1ヶ月ほどしか生きられません。
よく似た性質を持つノコギリクワガタも同じくらいです。
その間戦いと交尾に明け暮れる訳ですから、なんか納得ですね。

一方、同じようにクヌギの樹液で生活する昆虫でもオオクワガタは、
大型の成虫で3年以上も生きるようですが、意外にも戦いを極力避けます。
おとなしく臆病な性質のため、決まった穴蔵に住み着き、
結果人目につきにくく、生息地でもその姿を見ることはなかなか困難です。
(もっとも滅多にいないのも事実ですが)

「豪快に短く」というカブトムシの生き方、
私には到底出来そうにありませんが、目一杯で悔いが無いようにも思えます。
みなさんはどう感じますか?

Kabutomushikoubi

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食用ヘメロカリス -ヤブカンゾウ-

昨日から天気予報で「暑くなる」とさんざん脅かされていたので、
午前中の日射しは覚悟していたものの、相当にこたえました。
しかし午後からはややカラッとした風がそよ吹いて
思ったよりも、昨日よりも、ずっと過ごしやすく感じました。
それでも最高気温は31℃。最低が21℃、けっこういってたんですね。
体にこたえるのは暑さ以上に湿度なのだと痛感しました。

写真のオレンジ色の花はユリ科ヘメロカリス属の多年草、ヤブカンゾウです。
同じく今頃の時期に開花する同属の近縁種にノカンゾウがありますが、
ヤブカンゾウには「八重咲き」という決定的な特徴があるため
見間違えることはありません。
ヘメロカリス属の花の基本形は、ユリ科らしい6枚の花びらのうち
外3枚が顎片、内3枚が花弁というスタンダードなもの。
しかしヤブカンゾウは雄しべ(場合によっては雌しべも)の一部が花弁化し、
不整形な八重咲きになるのです。

とても美しいというフォルムではありませんが
離れてみる分にはパッと目立つオレンジ色の印象が強いので、
色として楽しめる花ではあります。

ところでこのヤブカンゾウ、こんな花のつくりですから
種子を付けることができません。
数を増やすにはもっぱら栄養繁殖に頼ることになります。
しかし、それじゃあ広範囲に分布を広げることが出来ません。
その割にヤブカンゾウは日本全土に分布し、ちょっと気を付ければ
里山や河川堤防のあちこちで見られるなじみ深い花です。
どうしてこんなにあるのでしょう?

実はこの花、中国原産と言われています。
日本には、おそらく食用として持ち込まれ、
全国に普及したのではないかと考えられています。
いわゆる飢饉対策でしょうか?
ちょっとヒガンバナと似た様なストーリーですね。

さくら上池でも、ヤブカンゾウは食用に活躍しています。
まずは春の若芽。おひたし、和えもの、天ぷらにと大活躍。
クセがなくて柔らかいので、初めての人でも全く抵抗無く食べられると思います。
それからこの時期だと蕾。写真の花の脇にも美味しそうなのが見えますね。
こちらも和え物、天ぷらの他汁の身、炒め物にもバッチリです。

もっとも、先述のノカンゾウも同様に食べることが出来ますし、
観光地で「ユリの蕾」と銘打って売られているものは、
やはり同じヘメロカリス属のニッコウキスゲの蕾だったりします。
何度か買ってみましたが、結構美味しくいただけました。
初夏の高原を彩るニッコウキスゲも
ついつい美しいより美味しそうと感じてしまいそうです。

Yabukanzou

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オモダカの花

水生植物は陸生植物にくらべ、スロースターターが多いですね。
陸の上では春が終わろうかという頃、
ようやく芽を出す種類が少なくないようです。
これは私たちの身近にある水生植物の多くが、
どちらかというと南方系の植物だからかもしれません。

やっかいな田んぼの雑草として有名な コナギやオモダカもそうした植物です。
どちらの仲間も、熱帯圏の水域で数多くの種類が繁栄していますから
気温(水温)が高く、強い日射を好みます。
だから四季のハッキリした日本では、田植えから少し経った頃、
日が長く水温が目一杯高くなったところでやっと目覚めます。
しかしそこからのダッシュは目を見張るもので、
あっという間に株を大きくして花を咲かせます。
ですから多肥を好み、水田などでは本来イネのために施した肥料を
イネよりも先に吸収してぐんぐん成長します。

写真はオモダカの花、120°ずつに割り振られた3枚の花弁が印象的です。
この、3枚花弁という花のデザインは水生植物には案外多く、
ミズオオバコ、トチカガミ、カナダモなど、どれもみな3枚の花弁をもった
可愛らしい花を咲かせます。

オモダカは中国から伝わった野菜の「クワイ」にとても近い植物で、
元々は同じ種だったとも言われています。
実際にオモダカの株を掘り上げてみると、
クワイと同じ形をした球根があることに気が付きます。
この球根は今年茂った株から放射状にでたランナーの先端に出来、
食べることも出来ますが、どんなに肥料を与えて育てても
クワイのように大きな球根になることはありません。

農家の方には憎まれっ子のオモダカですが、あらためてその姿を見ると
実にバランスのとれた美しいフォームの植物であると感じます。
根生する葉は長い葉柄の先に狐の顔の様な切れ長の三角の葉を付け、
その葉よりも高く伸びた花茎に段々に数個ずつの蕾をつけます。
見ようによって和風にも洋風にも見える植物なので、
気の利いた鉢で栽培すると洒落たアクセントに使えそうです。
日当りと目一杯の肥料が必要なので、
おうちの中には持ち込み辛いのがちょっと難点ですけどね・・・

Omodakahana


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池の潤夏2008

昨日、中国・四国地方が梅雨明けしたようですね。
東日本はまだですが、かといって梅雨らしいお天気でもなく、
今日も結局午後からはよく晴れました。
梅雨後期らしいどしゃ降りやそのあとの虹が恋しいです。

池の緑は一層濃くなって、クヌギは池畔の3本のうち2本が樹液を出し、
連日カブトムシやコクワガタ、ノコギリクワガタ、
ミヤマカミキリなどで賑わっています。
夜になると部屋にいてもカチッ、パチッとオス同士の戦う音や
ブル〜ンという太く低い羽音が聞こえて来てその賑わいぶりが伺い知れます。

ヘイケボタルは例年7月の上旬いっぱいで見られなくなるのですが
(あくまでもさくら上池の場合です。多産地では9月まで見られます。)
今年は7月に入ってから2回目の発生ピークがあったので、
まだ複数の個体を見ることが出来ます。

それにしても、年々緑の成長速度が速くなってゆきます。
クヌギも他の樹もまだ幼木ですが、下枝払いが必要になって来ました。
水草も強いものは水面を遮へいしてしまいますので
今週中に一度大幅なトリミングを敢行するつもりです。
こざっぱりとカットできたら、また画像をアップしてみます。

Ike2008junka

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定番トンボ -アオモンイトトンボ-

初夏から夏にかけての水辺には、繊細な姿のイトトンボがよく見られますが、
どれもみな糸という表現が似合う超スリムなスタイルです。
飛び方もそろ〜っと移動する感じで、普通のトンボが飛行機なら
イトトンボの仲間はヘリコプターといったところ。

写真のイトトンボはアオモンイトトンボ。
とてもよく似たアジアイトトンボとともに、
ビオトープには定番のイトトンボです。
両種ともオスは黄緑の胸と水色の尾端が特徴です。
アオモンの方が、気持ち大きくて
尾端の水色の部分に入る黒紋が短く太く切れていて
腰の上側に入る黒紋が青味を帯びているものが多いようです。
メスは両種ともよく似ていて、私は判別の自信がありません。

しかし、写真の様な交尾姿勢で見つけると、
オスを見分ければよいので悩まなくて済みますね。写真では上側がオスです。
この交尾姿勢はイトトンボの仲間に広く見られ、
交尾時間が長いため、多くいる場所ではいい確率で見かけることが出来ます。
2匹がアクロバティックに繋がって、ハートを形作るあたり、洒落てますね。

体の小さなアオモンイトトンボは卵も幼虫(ヤゴ)もとても小さいため、
幼虫時代のエサも小さくてすみます。
主にミジンコの仲間、大きくてもせいぜいボウフラや
小型のユスリカの幼虫(アカムシ)を食べて充分に育つことが可能なため
都会の屋上緑地の小さな水域や
ベランダビオトープに姿を見せることも珍しくありません。

以前に書いたチョウのヤマトシジミ同様、
天敵が多く食物連鎖の中では弱い方に位置しますが、
コンパクトな暮らし方で小さな隙間にしたたかに入り込む、
生き方の強者です。

Aomonitotonbokoubi


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初の豊作 -ハマナス-

またまた予報よりもいいお天気、結局ほぼ晴れの一日となりました。
それでも湿度が低い分、少しの風でも救われる心地よさでしたね。

写真の果実はミニトマト・・・ではなくハマナス。
今年は花数が多かったのですが、花後の気温が低めだったせいか、
果実の方も鈴生りです。

とりわけ丈夫な性質を持つハマナスも、今までさすがに結実は今ひとつでした。
ところが今年はどうでしょう。充分膨らんで赤く色付いてきました。
これなら収穫してジャムを作ることも可能かも知れません。
どの実もつやつやして奇麗です。

以前にも書いたように、ハマナスの名の由来は浜梨だとか・・・
しかしどう見ても梨には見えないなあ。
やっぱりミニトマトに見えてしまいます。
ミニトマトはナス科の野菜ですから、浜茄子の方がピンと来そうな気もします。

とりあえずあと数日様子を見て、もっと赤くなるようならそれまで待って
まずは生食してみることにしましょう。
結果はまたブログでお話できるかも知れません。乞うご期待!

Hamanasumi

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セルレア

今日は午後からかなりの確率で雷雨とのことでしたが、今のところは気配なし。
ひと雨来ると、少しは涼しいのでしょうが・・・

温室では初夏〜夏咲きの熱帯植物が活発ですが、
一株の原種カトレヤが満開になりましたので、掲載してみます。
このカトレヤの種名は「カトレヤ・ボウリンギアナ・バー・セルレア」
(Cattleya bowrinbiana var. coerulea)
以前から書いているように、この場合カトレヤがランの属名、
ボウリンギアナが種名、バーはバラエティ(=変種)のことで、
最後のセルレアが変種名。

変種名にはいくつかの基本的なパターンがあるのですが、
「セルレア」というのは青い花の変種に付けられる変種名です。
カトレヤ・ボウリンギアナの基本種は濃いピンク色の花です。
ところが中にはごく少ない確率の花色変わりがあって、
青っぽいこのセルレアの他に
白花の「アルベッセンス(=albescens)」も知られています。
(白花変種については「アルバ(=alba)」や「アルバム(=album)」という
表現が一般的ですね。「アルベッセンス」は少数例です。)

さて、「青い」変種名のセルレアですが、写真を見ていただいての通り、
いわゆる「青」ではなく、実際の所は「青味が強い紫」といった感じです。
それでもこのボウリンギアナのセルレアは、カトレヤの原種セルレアの中でも
かなり青っぽいと言われています。
「青い蘭の花」は中世より多くの人々の憧れでした。
ゆえに王侯貴族から特命を受けた多くのオーキッドハンターたちが
世界の熱帯域を駆け巡り、千の砂の中から選りすぐりの一粒を見いだすように
競ってセルレア個体を探し求めた歴史があります。

しかし実際の所、プレミアムな人気を誇るラン、バラ、ユリ、チューリップ・・・
そのどれにも、羨望の「青い花」と「黒い花」は存在しません。
品種改良が進み、栽培技術が進歩した今日でも、未だ幻です。
原種好みの私としても、この辺の話にはおおいにロマンを感じます。
どこの国の誰が、最初に実現させるのでしょう?
それとも永遠の幻なのでしょうか・・・

Cat_bowr_coerulea

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50種類目登場! -ミドリヒョウモン-

連日真夏の暑さですが、ここまでが平年より低い気温だったためか、
今年の昆虫の出現はどうもまだ後にずれている感じがします。
何と言ってもセミ、いつもなら ニイニイゼミ、ヒグラシに続いて
もうアブラゼミが登場する時期なはずですが、
どこへ行ってもニイニイゼミが聞けるようになったのはやっと先週あたりから。
私自身は今日の夕方、ようやく今年最初のヒグラシを聞きました。

そういえば昨日、もうとっくに姿を消したと思っていたミドリシジミが
池の畔の樹冠で鬼ごっこしてました。少なくとも5匹のオスがまだいるようです。

昼間の樹液昆虫もまだカナブンに少しアオカナブンが混じっている感じで、
いつもならそろそろクロカナブンが現れる頃なのですが、まだ来てくれません。
あのエナメル質のつやつやした黒いボディをはやく見たいものです。

ブッドレヤの蝶は今日も賑やかでしたが、どうも見慣れたメスグロヒョウモンとは
違った種類のヒョウモンチョウがちらほら見えます。
写真のチョウがそれですが、これはどうやらミドリヒョウモンですね。
今までも来ていたのかも知れませんが、気が付きませんでした。
ヒョウモンチョウの仲間はメスグロ、ツマグロに続いて3種類目、
チョウ全体ではちょうど50種類目のキリ番ゲットです。
このチョウも他の2種のヒョウモンチョウ同様、スミレ類を食草とします。
もしかするとここで発生もしているのかも知れません。

それにしても、種類の多いヒョウモンチョウの仲間の多くが
スミレ類を食草としています。
もちろん種類ごとに「特に好きなスミレ」というのがあるのでしょうが
どうやら「ぼくはこの種類のスミレだけ」という感じでは無さそう・・・だとすると
ヒョウモンチョウの多くは何を棲み分けの基準にしているのでしょうね。
我が家に現れる種類では、ツマグロヒョウモンは食草というより気候(気温)で
棲み分けていた、もともとはいないはずの種類。
温暖化の波に乗って新たに加わって来たものです。
これが牛久にいる他の2種と共存できるのか、はたまたどれかが駆逐されるのか、
結論を知るまでにはもう少し時間が掛かりそうです。

Midorihyomon

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吸盤の秘密 -マルガタゲンゴロウ-

今日は筑波山麓で夜の昆虫ウォッチングの仕事でした。
夜の雑木林で樹液に集まる昆虫を探したり、ライトトラップを仕掛けて
集まる昆虫を観察したりと、ボリュームのある内容です。
さほど大物は現れませんでしたが、多彩な昆虫相がみられ、
参加した子供たちも盛り上がっていました。
それにしてもにわか雨が多い筑波南麓、雨に降られずに済んで良かったです。
帰宅したら牛久は激しい夕立ちが来たとのことでした。

写真の方はマルガタゲンゴロウ。お腹の方からとったカットです。
中型以上のゲンゴロウでは、前脚の形状が雌雄を判断するポイントなのですが、
この個体はオス。オスは前脚に吸盤があって、
交尾の際にこれでメスの背面をしっかり捕まえるのです。
メスの前脚は至って平凡な形状ですが、エサを掴んだり掴まったり登ったりと、
一通りのことは満足にできる脚です。

昆虫の脚は人間の脚と同様、3つの部分に分けられます。
一番付け根が腿にあたる腿節(たいせつ)、次が脛にあたる脛説(けいせつ)
最後が先端の部分・・・足首から先に相当するふ節(ふせつ)です。
ふ節が多くの甲虫では先端の爪を除いて5つの節の連なりなのですが、
ゲンゴロウのオスの前脚に見られる吸盤は、
5つに連なるふ節の付け根側の3つにあります。
先端側の2つはメスと同じ一般的な形状で、一般的な機能を持ちます。
吸盤になる3つの節は大きく横方向に張り出した扁平な形状となり
上から見るとこれそのものが吸盤に見えます。
しかし、画像をクリックして大きくしてみてください。
吸盤は、広がったふ節自体ではなく、
その下面に並ぶ大小の丸いものであることがお分かりいただけると思います。
この並び方や一個一個の大きさは種により異なり、同定のポイントになります。
とても小さい吸盤ですが、なんだかすごくくっ付きそうに見えますね。

ちなみに後脚は泳ぐための推進力を生み出すオールです。
一般に甲虫は左右の脚は交互に動かして歩きますが、
ゲンゴロウは「泳ぐ」ことに特化しているゆえ、同時対象に動かすことができます。
もちろん左右交互に動かし、微妙な方向修正を行ったりもできます。

中脚は掴む登るに使うだけでなく、
後脚を補助して遊泳中の姿勢制御をする中間的な役割です。
この脚の機能を見るだけでも、
ゲンゴロウが水中生活にいかに適応しているかが伺い知れ、
興味はなかなか尽きることがありません。

Marugatagenkyuban


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素早い羽化 -オオムラサキ-

天気予報では連日、大気が不安定で一時的に雨が・・・
てなことを言っているのですが、
確かに不安定な感じですがいっこうに雫は落ちて来ません。
結局、今週も7日の月曜日の未明にドバーッと来ただけです。
ほとんど曇り空だったので梅雨らしい気がしますが、案外降っていないのです。

さてそんな中、飼育している国蝶オオムラサキが羽化のピークです。
オスが出始めてから早二週間、ようやくメスも羽化し始めました。
写真の個体はメス。お昼に見た時には蛹の内側に翅の模様や胴体の輪郭が
蛹の輪郭の内側に透けて見え、間もなく羽化が始まることを告げていました。

今まで羽化の行程を見逃していたので、
今回は何とか観察してやろうと撮影の準備がてらカメラの撮影済みデータを
パソコンに保存し始めたのが1時50分。
さあてそろそろいいかなと蛹の前に撮影セットを下ろしたのが2時25分頃。
何とその時には既にご覧の状態になっていました。
「エッ?40分も経ってないじゃん!!」

あまりの早業にただただ驚きました。
私が目を離した直後に羽化が始まったのだとしても、35分しか経過していない!
それなのにもう翅はほぼ伸びきっています。見事にやられました。

それにしてもメスは大きいですね。翅は勿論ですが、
脚や胴体のしっかりしていること!
オオムラサキは風に乗った時だけでなく、
羽ばたきで樹間を縫うように飛ぶ早さもピカイチですが
しっかりとした胸部には、その逞しい飛翔力を裏付ける筋肉が備わっていそうです。

ハネを広げた瞬間に気付いたのですが、
メスの翅にも、見る角度によって地色が茶色ではなく、
弱い紫の光沢が見える瞬間があるのですね。
仲間のコムラサキの紫色の見え方に似ていました。

お尻の先端に雫が見えるでしょう。
蝶は必ず羽化の際に、不要な老廃物を雫にして捨てます。
この個体では、はじめ赤茶色っぽい雫でしたが、やがて透明なものになりました。
もう少しすると後方に寝かせた触角をピンと立て、
羽ばたきの練習も始まります。

Oomurasakimesuuka

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学校ビオトープ09 -もっともっと植栽-

今からちょうどひと月前の6月10日、行方市立羽生小学校のビオトープの
第二回目の植栽工事を行いました。
今回植えるのはセリ、コナギ、オモダカといった浅瀬に生えるタイプの抽水植物。
セリはともかくコナギとオモダカは、
5月の気温が低かったためか例年より成長が遅れていて、
ここまで待って苗がようやく植え付け可能なサイズになりました。

コナギもオモダカも大変旺盛な植物で、
ひとたび水田に入ると駆除にやっかいな雑草です。
しかし、両種とも栄養分に富んだ有機質泥土を好むため、
できたてほやほやのビオトープでは案外上手く育ちません。
この点はセリも同様ですね。

写真は昨日撮影したもの。植栽から一ヶ月が経過しましたが、
やはりこの3種はもりもり育つ感じではなさそうです。しかし、
セリはランナーを出し、株数は増える方向です。
水はそこそこの透明度を保っているものの、ビオトープ初期によく見られる
やや薄緑がかった色合い。水中に植物プランクトンの緑藻類が増えているためです。
やがて水生植物の生育が軌道にのったり水中の生態系が充実して来ると
水の色は今より透明に戻り、アオミドロが出始めるはずです。

植栽作業と併せビオトープに来ている生物の観察も行いました。
6月10日にとにかく目立ったのがヒメゲンゴロウの幼虫と
ニホンアマガエルのオタマジャクシ。
もちろん人為的に入れたものではなく、早速登場したビオトープの利用者です。

ひと月経った昨日は、ヒメゲンゴロウの幼虫はすっかりいなくなり、
ニホンアマガエルのオタマジャクシも手足が生え揃い、中には親と同じ様な
黄緑色の体のものもいます。
そして何よりトンボが何種類もやって来ています。
シオカラトンボ、コシアキトンボ、ノシメトンボ、アキアカネ、
アジアイトトンボなど・・・

この一ヶ月の間、子供たちは毎日植物の様子や
利用生物の観察記録を続けています。
来るべきものは想像より早いペースでやって来ているようですね。
植物の状態の経過や水温の様子を見ながら、
よりよいコンビネーションの植栽を更に進める必要がありそう・・・
しかし、あまり爆発的に増える植物は要注意!
部分的にもっともっと緑を濃くして、ビジターの層を厚くしてみましょうか。
いよいよ楽しくなって来ました!!

Hanyushokoji05


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「生きた化石」健在!

昨年の12月、
以前飼育していた我が家的ギネスサイズのカブトエビについて
その抜け殻のオブジェ画像とともにこのブログで紹介しましたが、
その際にいずれ生きたカブトエビの姿を掲載する・・・と書きながら、
すっかり忘れておりました。
気付けば5月から始めるカブトエビ飼育も7月に入って
そろそろ終了が見えて来ています。あわてて撮影に挑みました。

飼育している種類はアメリカカブトエビ(Triops longicaudatus)。
日本で見られる3種類のカブトエビの中では最も広域に分布し、
東京近県では埼玉や山梨に多産地が点在しますが
我が家の個体はホームセンターなどで売られている
飼育キットを起源とした系譜。
野生の個体に比べ甲羅(背甲=はいこうという)が丸く、
プラチナゴールドっぽい体色が特徴です。

最初にキットから生まれ、産卵サイズまで育ったのはたった1匹。
その卵から8年目、今年も数多くのカブトエビが育ちましたが、
殆どの個体は6月のうちに寿命を迎え、
数えきれないほどの卵を泥の中に産みこんで消えてゆきました。

今年は今日現在で2匹がまだ生きていて、大きく育っています。
大きい方の個体を計測してみると、
尾鞭(=びべん)と呼ばれる尾端に伸びる一対の尾の先まで含め
84ミリありました。
さすがに70ミリを超えて来ると「大きいな」という感じになりますが、
以前も書いたように、我が家のギネスは108ミリですから、
まだまだ大したことありません。

それにしても面白い生物だと思います。
甲殻類の甲羅はふつう後方から開いて脱皮するのですが、
カブトエビは背甲前方から割れて脱皮します。
びっしり並んだへら状の脚(鰓脚=さいきゃく)を
ウェーブのように動かして泳ぎ
同時に水中の溶存酸素に触れて呼吸するため絶えず泳ぎ続けています。
底泥を後方に巻き上げながら殺風景な水中を進む姿は
なんとも古代めいていて、「さすが生きた化石!」という感じですよ。
今年はいつまで、何ミリまで生き続けるでしょうか?

Triops080709

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新成虫登場 -シマゲンゴロウ-

6月26日のブログに掲載したシマゲンゴロウの幼虫は、
翌日の27日に上陸して繭を作り、昨日(7月7日)に繭を破って
ピカピカの丸い体で登場しました。ちょっと大きめの女の子でした。
それにしても、あの細長くて強面の幼虫が
流線型のボディにくりくりとした目を持つ成虫に変身して繭から出て来る様子は、
劇的なイリュージョンを見ているようで感動します。

すべての行程を見届けることが出来る蝶やトンボの羽化もドラマティックですが
箱の中を見せないゲンゴロウの演出も、またワクワクさせてくれるという訳です。

シマゲンゴロウは体長16ミリ前後の小さなゲンゴロウですが、
それでもゲンゴロウの中では「中型種」と位置づけられます。
黒地に黄色いラインとドットの模様が特徴的、腹面は紅茶の様な赤で、
彩りが美しいためファンも多い種類です。

写真を撮影した時点では、ようやく出て来て一息ついたあたりのようで、
暫くじっと休んでいました。
夕方から元気に動き始めたので浅い水を張った水槽に移しました。
現在は既に水槽内を泳ぎ回り、エサの魚肉も食べています。

クワガタなどを幼虫から飼育していると、羽化不全ということがまま起こります。
軽度であれば前翅の合わせ目がガタついたり多少のでこぼこができる程度ですから
生活に支障ありませんが、重度の場合体液の循環が損なわれ、死んでしまいます。
しかし、水中生活に適応し、体全体が
優秀な潜水艦としての機能を持つゲンゴロウにとっては、
他の甲虫なら問題にならないような軽微な不具合が命取りになります。
本人は勿論ですが、飼育者の私にとっても
繭や蛹室の中で過ごす蛹の時期が最も緊張します。

これから、シマゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、マルガタゲンゴロウが
次々に羽化し始める予定。
みんな無事の羽化で元気な姿を見せて欲しいと願っています。

Shimagenuka

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蝶と蛾1

今日は七夕ですが、他の多くの所と同様、当地も残念な空模様。
でも、先ほど(23:50頃)、少しだけ星が覗いていました。
ず〜っとウォッチングしていると、織り姫とひこ星も見えるのかも・・・

さて、今日は時々観察会などでも話題になる蝶と蛾の違い。
多くの皆さんのご意見で最も多いのが「蝶は昼、蛾は夜」というもの。
これは概ね確かなことですが、若干の例外もありです。

蝶は昼間活動し、夜は葉影などで休むのですが、
蛾の方は夜だけとは限りません。
昼間に積極的に活動する蛾や、昼夜を問わず活動する蛾も
小数派ですが確かにいます。

例えば花を訪れる種類、多くの花が昼間に咲くため昼に活動することは必然です。
写真の蛾はキンモンガといいますが、
クリの花などで蝶に混じってひらひらと舞い飛んでいます。
写真の個体は黒地にクリーム色の模様ですが、
模様は白から割と濃い黄色まで変異があります。

クリの花には他にトンボエダシャクなどエダシャクの仲間も多く見られます。
また、アベリアやブドウ科の花にはスズメガ科のホウジャクがよく飛来します。
この蛾の仲間はホバリングで空中静止しながらストローを伸ばして吸蜜するため、
よく「うそっ、ハチドリ!!」なんて間違われたりします。

「チョウみたいな蛾」とよく引き合いに出されるイカリモンガも昼葉に活動し、
ハネを立てて閉じる所など、まったく蛾らしくありません。
この蛾はテングチョウというチョウによく似ています。

これ以外にも、配偶行動として相手を探して昼間に飛び回る種類もいます。
マイマイガ、ホタルガ、カノコガなどなど、この手の種類も色々います。

蛾に夜行動する種類が多く見られるのは、
冷涼・低温な環境に合わせた進化の影響だとも言われています。
確かに高山や北地に行くとチョウの種類は限られてきますが、
蛾はそれなりにそういう所を好む種類も多く存在しますし、
フユシャクのようにわざわざ冬のさ中に登場する氷河期の遺存種もいます。
逆に、蝶も蛾もひっくるめた鱗翅目という昆虫の中で、
昼間だけに活動を限定したグループが蝶なのだと言えるのかも知れませんね。

Kinmonga


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ブッドレア効果

我が家の玄関の一角には、何となく訪花性昆虫を呼ぶ様な植物を植え込んだ
バタフライ・ガーデンが設けてあります。
ここはいわゆるビオトープ・ゾーンとは区別した部分なので、
洋種山野草や球根植物など、この地の植生とは関係ない園芸植物が殆どです。
春先は球根植物や小振りな山野草で賑わいますが、
この時期は夏の低木の花やハーブ類が勢い良く茂っています。

このエリアで先週あたりからブッドレアの花が咲き始めました。
この植物は豊富な蜜と強い匂いでチョウを呼ぶため、
「バタフライ・ブッシュ」と呼ばれています。
実際その効果は相当なもので、気温が高めで天気がそこそこ良ければ
多くの種類のチョウがわんさか集まって来ます。
写真の花は白ですが、色は他にもピンク、赤紫、藤色、濃紫など様々・・・
奥の方に見える濃紫は花が一番早く咲く「ブラックナイト」という品種。
どの色にもチョウは集まりますが、種類によっては好みが多少見られ、
例えばクロアゲハが訪れるのは殆ど「ブラックナイト」で、
白やピンクには来ないようです。逆にナミアゲハは白の方が多く見られ、
「ブラックナイト」にも来ますがぽちぽち程度、
ヒョウモンチョウやセセリチョウの仲間はどちらにも沢山来ます。

写真に写っているのはナミアゲハ(3匹)とメスグロヒョウモンのメス(右奥)。
他にも沢山いるのですが、アングルの関係で入りませんでした。

これらのブッドレアはみなブッドレアダビディー(Buddleja davidii)の品種で、
選別や交配の結果生まれた色のバラエティーだと言われています。
ブッドレアはフジウツギ科の半落葉低木で、
日本の山地にも同じ仲間のフジウツギがあります。
確か南米にはオレンジ色の花が玉状に咲くブッドレアもあったと思いますが、
どうも種名が思い出せません。
その種とダビディーの交配で作られた品種もあったはず・・・

ブッドレアは大変強い性質で、暑さ寒さに強く、
やせた土でもそこそこ育ってくれます。
挿し木をするとうそみたいに簡単に着きますし、実生もします。
育てやすさは言うことないのですが、唯一の欠点は強すぎること。
地植えにして数年放っておくとたった1本でもぼうぼうになります。
「ああ、バタフライブッシュのブッシュとは、こういうことか。」と妙に納得。
でも、強剪定にも強いですから、困ったらばっさりカットしてしまうと
またいずれテキトーに形になります。

ここまで基本性質がわかった所で、お宅にも1本どうです?
プランターや鉢植えでもよく出来るので、ベランダでもOKですよ!
咲いた花に蝶がやって来るのは、やはり楽しいものです。

Buddleja

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これが元祖 -ノハナショウブ-

昨日はいきなり気合いの入った蒸し暑さだと感じましたが、
今日の気温はどうでしょう、なんと最高気温は35℃を記録しました!
やはり30℃を超えて来ると俄然厳しいですねー。
しかし、冷房はグッと我慢しましたよ。まだもうちょっと頑張ろうと思います。

池の畔には先月の中旬からノハナショウブが咲き続けています。
さすがにもうそろそろ終わりですが、
大株なので毎日何輪も咲き、似た色の花がないのでよく目立ちます。

以前に書いたと思いますが、このノハナショウブこそ、
今日栽培されている花菖蒲の元になった原種。
栽培品種に多く見られる紫色にくらべ、やや赤味が強い紫色ですね。
黄色いアクセントが、蜜や花粉のありかを案内しています。
以前はこの赤紫が好きでなかったのですが、端正だけれど整った花型には
よく似合っているように思え、これもまたいいなと思うようになりました。
ひとつの花茎にたいてい2花咲くのですが、
同時ではなく一輪目が咲き終わってから、
お行儀よく順番を守って二輪目が開きます。まれに三輪目までありますよ。

この花は結実率が高く、できた種子もまた発芽率がなかなかのもので、
油断すると水際のあちこちに発芽苗が現れます。
今年は池の畔の三カ所で発芽苗が開花しました。
これを放っておくとあっという間に大株になってしまうのですが、
縁あって根付いたと思うと可哀想でなかなか抜けないのです。
だれか里親になってくれると嬉しいのですけどね・・・

Nohanashobuup

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大和蜆と申します

シジミという貝があります。
古代より日本人の食事に欠かせなかった二枚貝ですから、
採集食材の中でもかなり身近で歴史の古いものということになりましょうか。
そもそもこのシジミという名の語源には、
大きな貝である「カラス貝」に対して付いた
小さな「スズメ(貝)」だという説があるのだそうで・・・

この大きなカラスと小さなスズメにちなんだネーミングでは、
マメ科植物のカラスノエンドウとスズメノエンドウが知られていますね。
この場合も小さな方がスズメノエンドウということになりますが、
両者の中間的な種類にカスマグサ(カラスとスズメの間の意)なんて
シャレみたいな名前もあります。

さて、写真のチョウはヤマトシジミといいますが、
私たちが通常食べる貝のシジミも汽水性のヤマトシジミ。全く同じ名前です。
シジミは小さいことの象徴として用いられた語で、
ヤマトは言わずともがな、我が国日本を表します。

チョウのヤマトシジミはその名の通り、
日本を代表するほど身近なシジミチョウ、ということですが、
実際に分布は北海道を除く全土。
食草が都会のコンクリートの隙間にも果敢に生えるカタバミですから
よく探すと銀座や新宿の街中でも見ることが出来る数少ないチョウです。
意外に、人の生活の影響が及びにくい大自然の中では
あまり見かけない、スズメの様なシジミです。

写真は交尾の最中。
互いに逆向きとなり、お尻とお尻をくっ付ける交尾姿勢は
チョウやガでは定番の方法です。
蝶ネクタイの様なシンメトリーが面白いですね。

このチョウは体を小さくし、食草も小さなスペースで育つ小さな草を選び、
短い期間で成長し、年に5〜6回も世代交代するという
まさにコンパクトに徹した生活戦略です。
この方法は、今のところ成功していると言えそうですね。

一方、貝のヤマトシジミは水質汚濁や河川整備の影響をまともに受ける
汽水域が生活圏、重要な食材でありながら、全国の名産地でさえ減少傾向です。
わが茨城県にも涸沼という美味しいヤマトシジミの産地がありますが、
近年漁獲が激減していると聞きます。

それぞれに身近なヤマトシジミ、しかし、明暗の分かれた現状は
水の中の危機に鈍い日本の行政体質も垣間見え、ヘビーな気持ちに・・・
しかし最近大きな二つの朗報がありました。
ひとつは中海の解放が決定したこと。
もうひとつは諫早湾の5年間の解放が司法の場で命じられたこと。
数少ない光明ですが、とりあえず良かった・・・

水から繋がる生態系を再生することは、
環境面でも産業面でももっと重視されるべき命題だと思います。
あ、シジミチョウから話題が遠足しちゃいましたね。失礼!

Yamatoshijimikoubi

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灼熱の夏トンボ -ショウジョウトンボ-

今日は湿った南風。
予報通り、日射しが少ないのに気温は上がりました。

池や水路には真っ赤に衣替えしたショウジョウトンボが帰って来ました。
赤とんぼより赤い、灼熱の夏トンボです。
晴れると朝からとにかくひっきりなしにバトルしています。
水路に限って、時々少し色がくすんだ、雰囲気の違うものが混じっていますが、
これはどうやらネキトンボのようですね。
そこにコシアキトンボも加わって、賑やかな空中戦が展開されます。
数日前からは褪せたオレンジ色のメスが産卵を始めました。
産卵の最中も複数のオスがアタックしてくるので、メスは少々迷惑そうです。

池を作った当初、このショウジョウトンボの来訪と定着は
トンボの第一目標でした。
以前住んでいた家の周囲にもショウジョウトンボはいたのですが、
当時のビオトープはあまりに規模が小さかったので、
トータルで十種類以上のトンボがやって来たものの、
ついにショウジョウトンボに利用されることはありませんでした。
今回は開水面が40平方メートル足らずとはいえ、
少しはまとまった水面ですから、期待は大きかったのです。

池が完成したのは4年前の秋ですが、まだろくに植物も生えていないところに、
少しぼろぼろのメスがやって来て産卵してくれました。
おかげで翌年の夏から、ショウジョウトンボは池の常連になりました。

写真は朝からの空中戦に一服入れているオスの後ろ姿です。
翅の付け根の翅脈や脚まで真っ赤っかですね。
大抵の人に「赤とんぼ」と言われてしまいますが、
いわゆる茜とは別のグループになります。
尻尾(実は腹部)がへら状に平たいところが、茜とは違っていますね。
私自身は子供の頃からショウジョウトンボを見知っているせいか、
いくら赤くても秋空や稲穂より
みずみずしい水生植物の緑やきらきらとした水面、
そしてカッと降り注ぐ夏の強い日射しが似合うと感じます。
唐辛子みたいにホットな奴・・・やっぱり彼は「灼熱の夏トンボ」。

Shojotonbo

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ランダム・パープル

思いがけず晴れて暑かったですね。奄美地方が梅雨明けだそうで・・・
今日、仕事でつくば市内に出掛けた際、
今年初めてのニイニイゼミの声を聞きました。

先週あたりから、庭のあちこちでウツボグサが満開です。
シソ科の花ですので、ひとつひとつの花はいわゆる「舌状花」ですが、
花穂全体が大振りなので、シソ科にしてはドカンとした重量感があります。
「うつぼ」と冠した名は、魚のウツボではなく、
この花穂の芯を矢を携行するための武具、「うつぼ」に見立てたもの。
サルビアやミントと同様、ハチなどに好まれる蜜源植物です。

ところでこの花穂、昨日掲載したネジバナと違い
咲き方の法則がどうも分かり辛い・・・
上から下でもなく下から上でもなく、
なんだかランダムに咲いているようにしか見えません。

どうやら咲き始めは3〜4花で、それが90°から120°ずつずれた向きで咲き出し
そこからはなんとなく螺旋状にずれていく様なのですけどね。
ネジバナ同様、ひとつの花が数日もつようなので、この方法だと
防災無線のスピーカーのように、どこから見ても目に入るデザインです。
花の高さを飛ぶ昆虫が横から見る分には実に効果的なアピールとなります。
しかし、ウツボグサの花には
もうひとつ別の視点があるのではないかと気が付きました。

それがすなわち、右下の写真、真上から俯瞰で見る視点です。
このカットだけ見ると、ウツボグサを知っている人でも
ウツボグサとは気付かないかも知れません。
なんだかキク科の花のように見えませんか?
ひょっとすると、これは上空を飛ぶ昆虫へのアピールではないでしょうか?
あくまで仮説ですが、ランドマークとしての効果がありそうなデザインです。
数カ所からランダム?に咲いていくと、こんな効果があったのですね。
試しに二階の窓から真下の群落を見下ろすと、
まあるい青紫が目立つ目立つ。
「ここにこんなに咲いてるよっ!」と聞こえて来そうな感じです。

Utsubogusa2catt

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スパイラル・ピンク

「ネジバナ」。この小さなピンクの花は子供の頃から身近なものでしたが、
天に向かってネジを切りながら伸び上がる咲き方は実に印象的でした。
ネジ巻き度合いも実に激しくキリキリと何重にも巻いているものから
先端に至るまでの間に一回転にも足りず、
歯ブラシみたいに見えるものまで、実に個性豊か。

ネジ撒きの方向も右巻きも左巻きも有り、
また花の色も真っ白から濃いピンクまで幅が広く、
数が多い所だとウォッチングだけでもかなり楽しめる花です。
学生時代、代々木公園にこの花が群れて咲く一角があり、
そこに一本だけごくごく薄い緑色のネジバナを見つけたことがあります。
あんな色のネジバナを見たのは後にも先にも一度きりですが・・・

最も自生密度の濃いロケーションはやはり芝生でしょうか。
それもあまり頻繁に刈り込んでいるような芝生ではダメ、
そこそこに手入れされている芝生で、
蕾から花の時期がちょうど刈り込みの手が入らないタイミングだとベストですね。

私が子供の頃はまだ芝生がある庭というのはなかなかにモダンな庭で、
一般家庭にゆったりとした芝生は殆どなかったので、電電公社や保健所など、
公共機関の敷地の芝生に咲いている印象がやたらに強いです。

この花がランの一種であることに気が付いたのは高校生の頃でした。
図鑑や文献ではなく、たまたまこの花をルーペで拡大して覗いた時
「ウワッ!こいつ洋ラン(=カトレヤのイメージ)の形してるじゃんか!!」
と予備知識なく実物で気が付いたのでインパクトはかなり大きかったです。

ところで通常ランの種子は、ラン菌と呼ばれる共生菌があるところか、
ミネラルやアミノ酸をバランス良く配合した無菌培地でないと発芽しませんが、
このネジバナは鉢に単体で詰めた水苔に種子を採り播きしても、
いい確率で苗がとれます。
それゆえ芝生の中にああも簡単に入り込めるのでしょうね。

今、まさに開花期のピークを迎えようというネジバナですが、
個体によっては秋に咲きます。
これは単に成長のタイミングによるものではないようで、
秋に咲いている個体を何年も栽培してみても、やはり秋に咲きました。
もともとの性質として秋咲き性のタイプが存在するようです。
いろいろなバラエティがあるので、園芸植物としても、
案外楽しめる野生ランかも知れませんね。

Nejibanaup

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居酒屋くぬぎオープン!

晴れても曇っても蒸し暑くなって来ました。
池の畔のクヌギの樹液もますます発酵が進み、白い発泡状態を過ぎて
透明のサラサラとした樹液がしたたるように流れ出して来ました。
6本のクヌギのうち2本が、写真の様な状況です。

昼も夜もいるヨツボシケシキスイのほか、
昼の部はヒカゲチョウ、サトキマダラヒカゲ、ゴマダラチョウ、ルリタテハ
といったチョウの面々に加え、カナブン、スズメバチ、ハエの仲間など・・・
夜の部はコクワガタ、オオゾウムシといった甲虫に加え
キシタバ、オオトモエ、ノコメセダカヨトウ、オオウスズマカラスヨトウなどの
蛾の仲間、数日前からはノコギリクワガタも加わりました。

クヌギの樹液を訪れる昆虫は、夏が進むにつれ少しずつ種類が増えてゆきます。
昨年は6月のうちからカブトムシが現れましたが、
今年は少し遅れているようですね。

そういえば、今年はまだ夏のセミを聞いていません。
いつもならやはり6月中にニイニイゼミは聞いていますし、
早い年だとヒグラシも鳴き出すはずなのですが・・・
昆虫は気持ち遅れているかなぁ。5月の気温が低かったせいでしょうか?
みなさんはもうセミの声、聞かれましたか?
ヒグラシの「カナカナカナ・・・・」を聞きながら遅い夕日を眺める夏の幸せは
あと何日先になるでしょう?・・・もうビールはすっかり冷えています(笑)

Kunugi4jueki0627


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