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吸盤の秘密 -マルガタゲンゴロウ-

今日は筑波山麓で夜の昆虫ウォッチングの仕事でした。
夜の雑木林で樹液に集まる昆虫を探したり、ライトトラップを仕掛けて
集まる昆虫を観察したりと、ボリュームのある内容です。
さほど大物は現れませんでしたが、多彩な昆虫相がみられ、
参加した子供たちも盛り上がっていました。
それにしてもにわか雨が多い筑波南麓、雨に降られずに済んで良かったです。
帰宅したら牛久は激しい夕立ちが来たとのことでした。

写真の方はマルガタゲンゴロウ。お腹の方からとったカットです。
中型以上のゲンゴロウでは、前脚の形状が雌雄を判断するポイントなのですが、
この個体はオス。オスは前脚に吸盤があって、
交尾の際にこれでメスの背面をしっかり捕まえるのです。
メスの前脚は至って平凡な形状ですが、エサを掴んだり掴まったり登ったりと、
一通りのことは満足にできる脚です。

昆虫の脚は人間の脚と同様、3つの部分に分けられます。
一番付け根が腿にあたる腿節(たいせつ)、次が脛にあたる脛説(けいせつ)
最後が先端の部分・・・足首から先に相当するふ節(ふせつ)です。
ふ節が多くの甲虫では先端の爪を除いて5つの節の連なりなのですが、
ゲンゴロウのオスの前脚に見られる吸盤は、
5つに連なるふ節の付け根側の3つにあります。
先端側の2つはメスと同じ一般的な形状で、一般的な機能を持ちます。
吸盤になる3つの節は大きく横方向に張り出した扁平な形状となり
上から見るとこれそのものが吸盤に見えます。
しかし、画像をクリックして大きくしてみてください。
吸盤は、広がったふ節自体ではなく、
その下面に並ぶ大小の丸いものであることがお分かりいただけると思います。
この並び方や一個一個の大きさは種により異なり、同定のポイントになります。
とても小さい吸盤ですが、なんだかすごくくっ付きそうに見えますね。

ちなみに後脚は泳ぐための推進力を生み出すオールです。
一般に甲虫は左右の脚は交互に動かして歩きますが、
ゲンゴロウは「泳ぐ」ことに特化しているゆえ、同時対象に動かすことができます。
もちろん左右交互に動かし、微妙な方向修正を行ったりもできます。

中脚は掴む登るに使うだけでなく、
後脚を補助して遊泳中の姿勢制御をする中間的な役割です。
この脚の機能を見るだけでも、
ゲンゴロウが水中生活にいかに適応しているかが伺い知れ、
興味はなかなか尽きることがありません。

Marugatagenkyuban


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