« 2008年7月 | トップページ | 2008年9月 »

2008年8月

フィールド・ギアとしての・・・

8月が終わってしまいますね。
今日の当地は昨日までの荒れた天気がおさまって、
空気に安定感が少しだけ・・・月末なものでとりあえず
8月を締めくくる体裁だけは整えてくれたのかな?
それでも、明け方と夜にはそれぞれひと雨ありました。

夕食前、だいぶ早くなった暮れなずみの中、庭に出ると
降り注ぐようなアオマツムシの声!一体いつの間に・・・
明日から9月なんだと、あらためて夏の後ろ姿に気付きました。

今日の写真は虫かご。今どきのアイテムで、「むしポーチ」といいます。
これを初めて見たのは一昨年だったでしょうか、
近隣のホームセンター、ジョイフル本田のペット館で見つけました。
あまりのスグレモノさに、がばっと大人買い!(笑)

いつも昆虫観察会の際に、多くの子供たちが持って来る
小型のプラスチックケースにはいくつかの問題点があって、
不満に思っていました。
もっとも気になるのは中の温度上昇。
あれだけ上蓋にざる並みのスリットがあるのに、
側面の密閉性と透明性が半端じゃない温室効果をもたらします。
もうひとつは多くの昆虫がつるつるの壁面につかまれず、弱ってしまう事。
中に草などを入れると虫はそれにつかまれるのですが、
今度は熱せられた草から大量の水蒸気が出てサウナ状態。
どちらにしても程なく虫はへろへろです。
「あれ」が役立つのは「水もの」、「土もの」を入れる時に限りますね。
でも、そういう使い方のときは、
決して上蓋だけで持たない様に要注意ですが・・・

「むしポーチ」は通風性抜群。網なので虫も自力で安定を保てます。
網というのは意外と直射光を反射しないので、中の様子も見やすいのです。
いわゆる昔の「虫かご」の良さを持っています。

加えて凄いのが携行性の良さ。
円筒形の本体を支えているのは縫い込まれた一本の大きなバネで
これの伸縮によって今川焼程度の厚さに縮まります。
ご覧の通りフィールドベストのポケットに楽々収まるのはもちろん、
鞄の隅っこや車のドアポケットにも入れておけます。
重量は50グラムだそうで、付属のストラップは縦横の取り付け変更が可能。
転がっても、中にも周囲にもがちゃがちゃとしたダメージがありません。

子供が持つにはちょいと渋いのですが、親子でアウトドアフィールドを
楽しむ際にはかなり使えるフィールド・ギアだと思います。
ちょっとプロっぽくて、本格的な捕虫網にも似合いそう?
私が知る限りでは黒、緑、オレンジの3色があり、好みは黒ですが、
その辺にぽろっと置いてもよく目立つので、オレンジも使っています。
しいて難点をあげれば、開閉がファスナーであること。
子供には、虫の出し入れがちょっと難しいかも・・・

Mushiporche

| | コメント (4) | トラックバック (0)

中途半端

今日も目まぐるしく、また荒れ気味なお空に、
どうしてしまったのかと本当に心配になりました。
何だか壊れてません?日本の気候は大丈夫なんでしょうか?
どうか被害が出ません様に・・・

こんなお天気のせいもあってか、
人も生き物たちも戸惑った様に落ち着きません。
写真はジョロウグモの幼体の巣に引っ掛かったエンマコガネ。
おそらくコブマルエンマコガネだと思います。
たった一カ所中途半端に引っ掛かっているのが後翅の先端なので、
ちょっともがけばはずれそうな感じなのですが、じっとしています。

ジョロウグモの方もすぐに駆け寄っては来たものの
エンマコガネのはみ出した後翅の膜状の部分を加えたまま
それ以上どうするでもなく・・・
普通クモは獲物を加えると、毒性のある消化液を注入して
相手の動きを封じるとともに、体内から溶かして吸収します。
しかし、いま押さえている後翅の縁では、その効果は期待できません。
相手はとりあえず糸に引っ掛かっているのだから、
くわえ方をちょいと変えればいいはずですが、
エンマコガネが食欲をそそる獲物でないのか、引っ込み思案なクモなのか、
中途半端な姿勢をとり続けています。

結局2匹は10分近く体勢を維持した後、
北寄りの風がひゅっと吹いた拍子に、エンマコガネがポトッと落ちて
一連の出来事は無かったことになりました。

まさかそんなはずは無いのですが
まるで2匹の間に何かしらの会話があったように思えてなりません。
この後、5分もしないうちにどしゃ降りが来ました。
2匹はこれを知っていた?だから、・・・ノーゲームにしたの??

Joroukobumaru

| | コメント (0) | トラックバック (0)

思わぬ実生 -ホテイアオイ-

昨日紹介したミニミニ田んぼですが、
去年まで使っていた土の保水性をもう少し高めたかったので、
今年の田植えをする前に、市販の田土を加えました。

その田土にはアゼナ、アゼトウガラシ、ムラサキサギゴケ、
カヤツリグサなど多くの草の種が混じっていたようで、
昨年までは全く無かった草がわんさか生えて来ました。
こうやって商業流通によって運ばれる植物もそりゃ当然あるわけで、
遺伝子の地域性などというものも、ある面から見れば
あまりアテにならないのかも・・・なんてつくづく思いました。
まあ、繁殖力の弱い希少種などには
殆ど当てはまらないことでしょうが・・・

さて、その中に写真の植物がありました。
ホテイアオイです。驚きました。これ、実生で出て来たのですよ!
全部で7株、実生という事は、種子が入っていたということ?
ということは、購入した田土のあった場所は、
ホテイアオイが開花した経緯がある場所・・・どんなところなんでしょ。
きっと普通の田んぼじゃないですね。

ホテイアオイは南米原産の水生植物。
日本には観賞目的で明治期に入って来たようですが、
関東以北で普通の野外栽培をした場合、
暖冬の年などを除いてコンスタントな越冬は難しいようです。
しかし、気候環境が合えば本来はとても旺盛な植物のようで、
世界の熱帯・亜熱帯地域で大繁殖し、
「世界の外来侵入種ワースト100」にも選ばれている強者とか。

私自身、過去にホテイアオイを栽培したことはありますが、
花は咲いても、種子が完熟に至った事はありませんでした。
もし種子が実っても、日本の冬の気候では死んでしまい
発芽に至らないことが多いと聞いた事があります。
私が購入したのはあったかい地域の田土だったのでしょうか?

もうひとつ不思議なのは、以前栽培した時、
水に浮かべないで鉢植えした株は、例外無く浮き袋が膨らまず、
日本在来の近似種、ミズアオイのような姿になりました。
ところが写真の株は、縁までめいっぱい土を入れたトロ舟で作っているのに
見事な布袋様のお腹になっています。そういうタイプもあり、でしょうか?
ホテイアオイは今頃が開花期、この大きさでは花は咲かないでしょうが
様子を見るため、晩秋には温室に取り込んでみようかと思っています。

Hoteiaoimisho

| | コメント (2) | トラックバック (0)

ささやかな稔り

今日も不安定な空模様、雷からお天気雨まで盛り合わせの豪華版でした。
夕方以降の方が蒸し暑く、23時15分時点で26.5度。
これは熱帯夜になるかな〜?

庭の一角にプラスチックのトロ舟を埋め込んで、
本当にささやかな、ミニミニ田んぼをやっています。
田植えがとても遅かったので、今頃になってようやく満開。
目立たない花ですが、あらためてよく見ると飛び出した多数の雄しべが
案外賑やかにぶら下がっています。

このひと花ひと花が受粉してお米の一粒一粒になるのですから
なんだか有り難く思えます。
イネ科の植物は身近なところに沢山生えていますが、
その多くが「雑草」と呼ばれる類いのものですね。
それらの種子と比べると、イネや麦は
種子の大きさが半端でないのだとつくづく実感します。
太古から人間に選ばれた特別な草なのですものね。

穂の先端の二粒には、針の様に突き出た長い芒(のぎ)が目立ちます。
麦の場合、この芒がトレードマークですが、イネではあまり芒の印象は
強く無い様な気がします。
特に品種改良が進んだ現代のイネの品種では、芒はほぼ消失するか
あっても短めのようです。
以前八重山で見た原種に近いイネには長くて立派な芒が沢山ありました。
五円玉の稲穂を見ると、やはり短めですがまあまあ密に付いています。
五円玉のモデルのイネは、少し古い品種なのでしょうか?

ささやかなイネの花穂は、秋にささやかな稔りになるはずです。
庭のイネはもちろん食用に作っている訳ではありません。
宿根草の霜よけに使う、稲藁をとるのです。
コンバインで一気に刈り取りから袋詰めまで行う現代の稲作では
稲藁は本当に手に入りにくくなりましたので・・・

実った米は翌年の種籾を残し、スズメにあげます。
日の長い間、ずっと植物に付く虫が増えすぎない様に
食べてくれた勤労への、ささやかなお礼です。

Inehana

| | コメント (0) | トラックバック (0)

産卵は続く -クロスジギンヤンマ-

曇り続きですが、昨日より晴れ間が多く出ました。ちょっと蒸し暑いかな?
これからお天気が下り坂だそうですね。

池の水面からパタパタという乾いた音がするので目をやると、
大きなクロスジギンヤンマのメスがお尻を水に浸けて産卵中でした。
このトンボの産卵行動は5月から見られ、すでに池の中には
今年生まれたヤゴがうじゃうじゃいます。
猛暑の最中は一旦途絶えましたが、
ここに来てまた産卵が見られる様になりました。

このトンボの大発生は
ビオトープの初期にはつきものだと聞いた事がありますが、だとすると、
さくら上池はまだビオトープの初期段階ということなのかも知れませんね。
それにしても、雄大で力強いトンボです。
特に獲物をガッシリと固定する脚は、
池で見られる他のトンボとくらべるととてもしっかりと太く見えます。
お尻を深く突っ込みすぎて翅まで濡れてしまっても、まるで平気な顔。
パワーに自信があるんですね。

ヤゴの方も強そうなヤツですが、池の中には相当数いるはずで、
エビやメダカにとっては脅威となっているはず。
おそらく他のトンボのヤゴも相当餌食になっていると思われます。

今産卵しているメスの子供たちは、まだ小さなうちから
既に大きく育った同種のヤゴのエサになってしまうのではないでしょうか?
それでも上手く生き残るものがいれば、来年もまた
多くの個体とタイムシェアリングして、
空いた状態で繁殖活動ができるのでしょう。

Kuroginsanran

| | コメント (2) | トラックバック (0)

まるこ再び

このブログにマルコガタノゲンゴロウの幼虫を掲載したのは
今月の14日でしたね。
掲載写真を実際に撮影したのは8月9日、
その幼虫が無事に蛹から羽化し、今日、土の中から出てきました。

再会した彼女(メスでした)は、すっかり魅力的な姿に変わり、
幼虫のときよりずっと長くなった触覚をちょこちょこ動かしながら
おとなしく周囲の様子をうかがっています。
新鮮な個体は、体を縁取るクリーム色のラインが明るくはっきりしていて
ボディのオリーブがかったダークグリーンによく映えます。
この色と姿を見ると、いつもサンダーバード2号を思い出します。

地上に出た直後の新成虫は、水分も栄養分もギリギリで余裕がありません。
人間で言うと喉はカラカラ、お腹はぺこぺこという状態。
手に持った感じでもハッキリ「軽い!」と分かります。
ゆっくりと体を水に慣らしたら、すぐにお食事です。
ほぼ例外無くガツガツといい食べっぷりなんですよ!

マルコガタノゲンゴロウのような大型ゲンゴロウは、
成虫の寿命も割合長くて、上手に飼育すれば2年以上生きます。
来年の今頃にはこの子の子供が羽化することを目標に、
大事に飼育しようと思っています。

Marukoshinseichu

| | コメント (0) | トラックバック (0)

トクテイガイライシュ2

さくら上池はこの地域の生態系に呼応し、
住宅ビオトープでの生態系保全の可能性を模索するプラント。
従って基本的に「来るものは拒まず。」の精神です。

しかし中には「どうしてもご遠慮願いたい」という生物種もあります。
今のところ、ビジターの中で唯一これに該当するのが写真の生物、
ご存知ウシガエル(食用ガエル)です。
池が出来て迎えた最初の初夏に、彼は早速やって来ました。
一番近い生息地は丘の下を流れる湧水系の小川ですが、
さくら上池からは北東に斜面をはさんで数百メートル離れています。
つまりそのくらいの距離は難なく移動する訳ですね。
やって来たその日の夜から「ヴォーン、ヴォーン・・・」
声に惹かれてやがてメスも現れ、めでたく産卵成功。
このときはまだ水生植物が繁茂していなかったので、
シート状の巨大な卵塊はすぐに回収できました。

しかし翌年からは水生植物がいい状態に茂っていたため、
注意して見ていたつもりが卵塊を見逃し、大量のオタマジャクシが・・・
以来何とか駆除をしたいと手を尽くしているのですが、見事に黒星続きです。

ウシガエルはよく知られた外来種。その繁殖力の強さと悪食さから
特定外来種にリストアップされています。
強い、大きい、大胆かつ警戒心が強く、悔しいものの実に巧みに行動します。
この恐ろしくも素晴らしい生活能力のため、
彼等がいる水域で安泰なのは、彼等が明治期に輸入された際、
エサとして一緒に輸入されたアメリカザリガニくらいではないでしょうか?
実際、生物調査などにおいて、ウシガエルとアメザリがいっぱいいる水域は
決まって生物の多様性に乏しく、貧弱な生態系です。
逆に在来の生物種が豊富に残る水域では、ほぼ例外無くこの両者は見られません。

あの巨大な体を支えるために、
一体どれほどの在来生物たちがその胃袋に収まっているのかと思うと、
何としてもお引き取り願いたい!
何か解決策は無いものでしょうかね。

Ushigaeru

| | コメント (0) | トラックバック (0)

最初の図鑑

どうしたことか、カラカラの猛暑が一区切りついたら、
こんどは梅雨みたいなうっとうしい空模様と8月とも思えない低い気温。
極端だなぁ・・・それでも今日は少しムシムシ感が戻って来ました。
夕方以降の方が暑苦しく感じます。今は雨がシトシト。

さて、今日の写真を見て「おお、懐かしい!」と感じる方は
おそらく40代以上の方ではないでしょうか。
学習図鑑を日本の子供たちの身近なものとした、
あの小学館の学習図鑑シリーズ。

3冊写っていますが、最初に手元にやって来たのは左の魚貝の図鑑。
私が5歳ときに親にだだをこねてせがみ、買って貰いました。

当時の私は母の買い物に付いて行くのが好きで、
特に魚屋さんに並ぶ様々な魚介類を見るのが大好き。
中でも一番好きだったのがアサリです。
ひとつひとつ殻の模様が違っていて、なのに合わさった二枚は
同じ模様をしているのが不思議で不思議で・・・
私があまり夢中で覗き込むものだから、魚屋のご主人が
「一番気に入った奴持ってってもいいよ。」と言ってくれて、
それに味をしめて行くたびにいつもアサリを一個もらっていました。
持ち帰ったアサリは夢中でスケッチしたり、コップに入れて草や石を入れ、
勝手に思い描いた海の世界をレイアウトしたり・・・
あれ、今とやっている事が変わらない(爆!)

他の魚も店頭で見たものを帰ってから図鑑で探し、何枚も描きました。
図鑑の巻頭に見開きで描かれている海の中のジオラマ画が好きで
下手なりに一生懸命模写した記憶があります。

昆虫の図鑑は2冊目の図鑑でした。
これは対象が活動圏内に共存している昆虫ですからすぐに大活躍の一冊。
結果的に一番ぼろぼろになりました。
しかしこの昆虫の図鑑を手にした頃から、まだ見ぬ種類も画像と名前が
頭の中に先行して入るようになり、初めて見た時に
「図鑑のあれだ!!」という認知ができるようになりました。

植物の図鑑は、動物の図鑑など、このシリーズの他の何冊かと一緒に
小学校の入学に伴い買ってもらったもので、
実は最初のころはあまり開きませんでした。
しかし昆虫を詳しく見るためには当然の様に植物の知識が不可欠で、
使用頻度が増えましたが、本の扱いもそれなりに上手になっていたので、
あまりぼろにならず、厚紙装丁のケースもちゃんと残っています。

このシリーズの定価は350円!今でこそ冗談みたいな金額に思えますが、
当時公務員の給料で家計から子供の本として支出するには
それなりのボリュームだったと思います。両親に感謝ですね。
これらの図鑑のおかげで、まだ見ぬ自然の世界への扉が大きく開かれました。
写真が便利に扱える今日と異なり、正確に伝えるための手段としての
「生物画の存在の重さ」も子供ながらに感じたものです。

その後、小学館の学習図鑑シリーズは内容も仕様もボリュームアップした
新シリーズに移行しましたが、そちらにも随分お世話になりました。
そして今でも、このぼろぼろの図鑑は新シリーズとともに現役です。
今の図鑑とはまた違った、わかりやすい説明表現や
今の図鑑では省略されている観察・採集の方法などが載っているからです。

現在刊行されている子供向けの学習図鑑は、デジタル処理の美しい画像で
かなり完成度の高いビジュアル構成となっていますが、
視覚的に何でも手に入ってしまうので、
生き物たちの世界を想像で膨らませて思い描く楽しさは
ちょっと少なくなったかもしれませんね。

Saishonozukan

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ゼロ

原種洋ランが好きで、
中でも唇弁が袋状になる種類(シプリペディウム亜科)が
たまらなく大好きであることは、今までにも何度か書いて来ました。

この仲間は離れた地域で別々の属に進化したと考えられていますが、
元が同じところから出発しているので、いくつかの種類においては
全く離れた場所に生育しているのに、種分化の結果、
距離と属分類を超えた形態的類似が見られるところがとても興味深いです。

例えば、シプリペディウム属には今生育している株の次の新株が
地中を伸びたランナー(走出枝)の先端、
つまり親株から離れた場所にワープして出来るタイプがあります。
日本に自生するクマガイソウやキバナノアツモリソウがこれにあたり、
ランナーの長さはクマガイソウで30〜60センチ、
キバナノアツモリソウでは100センチを超えることもあるようです。

同じ様なタイプがパフィオペディラム属にもあります。
有名なのは中国の雲南などに生育するアルメニアカム、ミクランサムで
どちらも5〜30センチ程度まではランナーが伸びるようです。
花の形や弁質もシプリペディウム属によく似ています。

一方中南米で進化したフラグミペディウム属には数センチ程度の
ランナーを形成する種類は知られていましたが、長いランナーを延ばし、
親株からワープするタイプは知られていませんでした。
しかし、今日の写真のラン、フラグミペディウム・ゼロフィティカムが
1990年に発見され、ついにフラグミペディウム属にも
長くランナーを伸ばすタイプが登場しました。

直径2センチに満たない純白の花は、
中央部に紅紫が差しとてもかわいらしい花ですが、やはり、
シプリペディウム属の花に似ています。
ランナーのみならず葉の様子も
フラグミペディウムとしてはかなり変わっていて、
パフィオのベラチュラムやニビウムの様な多肉質。
ゆえに「こりゃあフラグミペディウムに入れておくのも無理がある」
とのことで、最近では自生地のメキシコにちなんだ新しい属名、
メキシペディウム・ゼロフィティカム(Mexipedium xerophiticum)
とされているようですね。
最近流行だからでもありませんが、我が家での愛称はわかりやすく「ゼロ」。

この花、小さい割にとても花茎が長いので、
なかなか上手く全体が写せません。特徴的な多肉っぽい葉質と、
珍しいランナーがよくわかる画像を見つけちゃいましたので、
興味のある方はこちらで見せてもらってください。↓

http://blog.goo.ne.jp/chawanmushi7/

Phragxerophiticum

| | コメント (2) | トラックバック (0)

閣下との約束 -コムラサキ-

昨日のにわか嵐が連れて来た冷たい空気は今日も居座ったままで、
8月なのによそよそしい風が吹く涼しい一日でした。
うっかりすると風邪をひいてしまいそう・・・注意しましょう。

写真はコムラサキ(別名コシキブ)。
よく庭に植えられお馴染みのクマツヅラ科の低木ですが、
葉よりも花よりも、紫色の実で有名な植物ですよね。
庭木として売られる場合、コムラサキで売っている場合よりも、
ムラサキシキブという名前がつけられていることが多いようです。
本物のムラサキシキブは、木が一回り大きくなり実がコムラサキより
パラリと少々ばらけた感じに付きます。
こちらも庭木として多用されますが、この2種は本当によく似ているので、
どちらもまとめて名前がよく通っている
「ムラサキシキブ」としちゃっているのでしょう。

樹形が小さくこんもりまとまっていて、枝が弓なりに枝垂れ
実のつぶつぶがブドウの様にぎゅっとまとまって見えたら、
それは多分ムラサキシキブではなく、コムラサキです。
(確実なところでは、雌しべが雄しべよりぴっと長く飛び出しているのが
ムラサキシキブです。)

花はとても小さいのですが、葉の付け根から束になって出ていて、
それが二度ほど枝分かれした先に付く(=集散花序)ので、
それなりにまとまり感があります。
花の色はいずれ実る実の色を予感させるような薄紫、かわいいですよ。
対生する葉の付け根ごとに開花しますが、枝の元側から開花するため、
枝先の花が最後に咲きます。写真の花がそうですね。
既に咲き終わった元側には、もう若い実の姿が確認できます。

この木は私が植えたものではありません。
4年前、庭に来たジョウビタキが持って来たものです。
ジョウビタキはこの実が大好きで、
沢山ついばんでは訪問先に種を排出していきます。
好物の種まきを自分でしている訳ですね。

種はなかなか発芽率が良くて、
この木の周りには他にも多数の実生が見られました。
みな種を運んでくれたジョウビタキの期待に応えようと伸びて来るので、
可哀想ですが生育可能な本数を残し間引きしました。

題名の「閣下」とは庭を訪れるオスのジョウビタキの愛称です。
「ヒーッ」の後の「カッ・カッ!」という鳴き声にちなんだネーミング。
きっと今年も10月に姿を見せてくれると思います。
彼が長旅の疲れを癒すのに食すのが、ちょうどその頃熟すコムラサキの実。
閣下との約束を果たすべく、けなげな花は一粒でも多い実を成らせようと
こうして地道に頑張っているのでした。

Komurasakihana

| | コメント (0) | トラックバック (0)

蝉の灯

昨日も今日も夕立ちがありました。
昨日のは雷も雨も大したことは無くて、気温もさほど下がらず・・・
しかし今日のは本格的。
巻いた風も伴い、これを境にガクンと気温が低下、
27℃から一気に18℃まで急降下しました。

虫の声も雨の前はセミ、後はコオロギ。
胸騒ぎのように何かがゆらぐ感じがしましたが、季節だけでしょうか?

セミといえば子供の頃には、常にはかないものと教わりました。
当時から土の中で他の昆虫よりずっと長い幼虫期間を
過ごしていることは知っていましたが、
それでも陽の光の下で歌う時間の短さには「はかない」という表現も
また説得力があると感じていました。

ある友人は学校でセミの詩を綴りました。
彼は、セミは灯を持っているようだと書いています。
土の中で何年も何年も小さな灯を大切に灯し続け、やがて地上に出た時
その灯を花火の様に燃やすのだと・・・
その日の帰り道はセミの声が花火のはじけて燃える音に聞こえ、
稲荷神社の森を見上げたとき、ついに圧倒的な蝉時雨は
真昼の日射しのハレーションとひとつになりました。
今でも忘れられない「蝉の灯」の記憶です。

その数日後、同じ稲荷神社の地面には沢山のアブラゼミが落ちていました。
「燃え尽きた花火?・・・」
死んでしまったものも多かったのですが、中には触れると
「ビビィーッ!!」と声をあげるのもいて、こちらの方が驚いてしまいます。
こういうセミは、どういう気持ちで落ちているのだろうと考えました。
今振り返って言葉にするなら、
「生きていること」と「生命があること」のズレを感じたのかも知れません。

傍らにはアリが解体して運んでいる姿も見られました。
よく見ると、セミのお腹の中が空っぽ!
空蝉という言葉がありますが、セミは羽化の時だけでなく
死んだときも抜け殻になるのかとショックを覚えました。
当時は声を響鳴させるため空洞がどうのこうのなんて知りませんから・・・
鳴けるのに落ちている蝉は魂の脱皮中なんだと妙に納得したものです。

しかし魂の抜け殻はセミだけに見られるものではないようですね。
私も時々危なっかしくなりますが、忘れてはいけないのは
セミは成すべきを成し遂げて二度目の抜け殻になるということ。
「生命の有る無し」は神様の範疇ですが、
「生きる」は己の意思による極めて能動的なものなのですよね。

Seminohi

| | コメント (0) | トラックバック (0)

居候、三年目にはそっと咲き・・・

写真の植物、池の北側にいつの間にか生えていたもの。
私自身の見立てではシソ科のカワミドリじゃないかと思うのですが
正直、言い切るほど自信がありません。
小さな苗を見つけたのは一昨年の秋、シソ科だとは思っていましたが
はじめはイヌコウジュとか、まあそのあたりの仲間だと思っていました。

昨年、少し成長して草のスタイルが分かって来ると、
どうやらあまりこのあたりで見かけない種類らしいと気付き、
生えて来たのが踏まれそうな場所だったので
様子を見るため池の北西の堤体近くに移植。

すると居心地が良かったのか今年は格段に大きくなり
昨年の印象とはまただいぶ変わってしっかりとした
割に大きな植物であることが次第に明らかに・・・
「ひょっとするとサルビアナントカというようなシソ科の園芸外来種?」
なんて思っていたら、写真の花が今月初め頃から
目立たない感じでひっそりと、しかしまめに次々と咲き出しました。
見てくれはかなり地味、どうやら園芸種ではないようですね。

この花、他の何種類かのシソ科同様、蜜の分泌量が多いらしく、
思いのほか昆虫を寄せることが判りました。
特にモンシロチョウ、スジグロシロチョウ、キチョウなどの
シロチョウ科の蝶がさかんに訪花しています。

近所でもまず見かけない植物ですから、
どういう訳で生えて来たのかさっぱり判りませんが、
こういうことって時々あるんですよね。

でも、ビオトープの一員としてしっかり仕事しているようですから、
居候扱いはひとまず勘弁して、様子を見ようと思っています。

Kawamidori

| | コメント (0) | トラックバック (0)

当たり年? -タガメ-

今日はしっかりと夕立ちが来ました。短時間のどしゃ降りでしたが、
何より雷が元気で、近所のあちこちで落雷があり、停電も頻発しました。
頻繁に降ってくれるのは嬉しいのですが、やはり雷は恐いですね。
何度か消防車が出ていたようですが、被害が無いといいのですけど・・・

とにかくほぼ一日どんよりでしたので、ろくに撮影も出来ず、
仕方なしに野外飼育しているタガメの幼虫を何となく撮りました。
この個体も先日掲載したぬけがらの個体と同じ時に採集したもの。
そろそろ羽化の脱皮が近づいていますが、体格がいいのでメスでしょう。
今回、全部で3個体採集し、まだ2個体が終令幼虫です。
全て羽化して記録をとったら、採集場所に戻すつもりです。
そのために、ほぼ野生と同じ条件で飼育しています。

それにしても今年はタガメを実に多く見かけます。
毎年同じ時期に同じフィールドを見て回っていますが、
感覚的には過去最高の豊産年かもしれません。
田んぼの中干しの時期に雨の方も少なかったので
タガメの幼虫には厳しい状況だと思っていたのですが、
多くの個体が無事にその時期を乗り越え、新成虫や終令幼虫が
田んぼにも水路にもあちこちに見られます。

タガメを見ているフィールドは筑波山の周囲と県北部の栃木県との境に
近いところですが、どちらでも状況はほぼ同じです。
もちろんどこにでもいるような昆虫ではないので、
その地域でも決まって見られるポイントは限られてくるのですが、
ポイントにおいてはとにかく多いと感じます。

イノシシやキノコでもこういう年というのはたまにあるようですね。
要因はそれぞれいろいろあるのでしょうし、単に今年の条件だけでなく
前年の影響や冬の状況に左右された結果ということもあるでしょう。
タガメ豊産の理由ははっきりわかりませんが、
来年も同じと限らないのが不思議なところ。
特にタガメの様な生態系の上位に位置する昆虫では、
エサ生物が大きな限定要因になるため、生態系全体がバランスよく
豊かになっている場合でなければ、
個体数が毎年目に見えて増える様なことは考えられません。

そういえば、今年はタマムシ(ヤマトタマムシ)も多く感じます。
タガメもタマムシも茨城県のレッドリストに登場する昆虫、
徐々にでいいから、環境がボトムアップしている証拠として
増えているのが確認できたら嬉しい限りです。

Tagameshurei

| | コメント (0) | トラックバック (0)

イン・ジオラマワールド

ついに行って来ましたよ、ディズニーシー。
ディズニーランドの方は、学生時代に植栽の授業の
見学実習で一度足を踏み入れているのですが(できたばっかの頃)
ディズニーシーの方は初めてです。

凄いですね。一言でいうとよくぞ作った!
ディズニーランドの方は記憶が古いので不確かなのですが、
あちらに比べるとかなり立体的なランドスケープで、
ダイナミックな修景処理がされていますね。とても勉強になりました。
どのエリアも実際の敷地面積以上の修景効果が随所に見られ、驚きました。

(別に悪い意味ではなく)ぜーんぶ作り物なのですが、
明らかに他の遊園地より上手に表現されています。(比べちゃいかん?)
建築物や乗り物、ファニチャーについては当然なのですが、
地底探検のスタンバイエリア(要は長蛇の列が収まる場所)は
鍾乳洞の内部を演出している壁面が実に良く出来ていました。
質感や色彩はもとより、鍾乳石(カルシウム質)の流れや融解が
とても理科的で説得力がありました。
ありゃあその道のプロの考証がしっかり反映されたものだと思います。
そういうところに手を抜いていないので、結果素晴らしいのでしょうね。
それをそういう風に維持する努力も同時にある訳ですから、大変。

知りたいと思ったのが膨大な量の水の循環・濾過系システムのしくみです。
水辺の様子を見た限りではあれだけのシーサイドに位置しながら、
潮位変動の影響が全く見られません。
独立した淡水の水系なのだと思いますが、見た目の水質は非常に良好。
これを維持するのにどれだけのコストが掛かっているのだろうかと
いろいろ想像してしまいました。
写真はミステリアスアイランドの一角。
水は青く澄んで、岩もよく出来ているし、奥の小さな岩で遠近感も出て
ダイナミックな修景が現場を実際以上に大きく見せています。

植栽は雰囲気重視の自然とはほど遠いものですが、
とても上手だなあと感じました。と同時に、
「ここ(浦安)では、こんなものが露地に植栽できるんだ!」と
驚く様な熱帯性の植物もあり、まさか冬季には植栽の変更工事を
しているとも思えないので、見識が改まりました。
温暖化って、ディズニーシーには追い風なのかも・・・(笑)

生き物もちゃんと見ましたよ。数種類のセミが鳴いていましたが、
午前中の主役はやはりというべきか、何とというべきか、クマゼミ!
子供にもようやく、声だけでなく姿も見せることが出来ました。
何種類かのサトイモ科には、アオドウガネがくっ付いて葉を齧っていました。
カルガモ君もぷかぷか浮いていましたね。
気になったのはスズメ。あそこのスズメ、ちょっと違いません?
詳しくないのでよくわからないのですが、
何だかヨーロッパイエスズメみたいなのが沢山いた様な気が・・・
詳しい方がいらしたら教えてください。

山も岩も溶岩も作り物ですが、よく出来ていました。
リアルに表現するということは、
文化的・科学的に誠実な表現をするということなのですね。
もちろんそれらはぎゅっとまとめた中で
ごちゃまぜのめちゃくちゃに詰め込んだ部分もありますが、
まとめの演出が自然に楽しく見せてくれています。

本来の楽しみ方もしたのですが、風景や自然に関しては
少し仕事の目線でも楽しませてもらいました。
充分、勉強になりました。ただ・・・やっぱ人が多過ぎだったなぁ。

Disney_sea0808

| | コメント (0) | トラックバック (0)

池の晩夏2008

昨夜からの雨は断続的に朝まで続きました。
久し振りに寝苦しさから解放されそうでしたが、
雨が時折横殴りのどしゃ降りになるので、窓を開けることが出来ず
結局涼しい睡眠を楽しむことは出来ませんでした。
しかし、庭と周囲は見事に潤いました。

今日は予報が悪い方に外れ(これも本当に久し振り)、
午後から雨模様。庭の全ての枝葉を再び濡らしました。
今はきれいに上がって中秋ならぬ初秋?の名月が眩しく昇っています。
立秋を過ぎた今、「晩夏」というタイトルは正しくありませんが、
それでも猛暑続きだったので晩夏と言うのすら早いと思っていました。
しかし、一雨をいただき最高気温は24.5℃。コオロギが日中も鳴き始め、
ツクツクボウシも増えて来て、微かですが確実に秋が混ざり始めました。

池の景色は先月とそう変わりませんが、
林下にはオトコエシ、オミナエシ、オトギリソウが咲き始め、
アキノタムラソウは、名に秋と付いているのに、
花を終えてすっかり実だけになっています。
ヤマハギは今が満開。成虫・幼虫とも
萩をパートナーにしているキチョウが庭に目立ちます。

そうそう、チョウでは例年になくムラサキシジミの個体数が多いですね。
食樹のアラカシやアカガシの周りを数匹ずつが群れ飛んでいます。

赤とんぼではマイコアカネがいち早く姿を見せています。
まだ林下でおとなしくしているようで、
トレードマークの顔の青白いお化粧はみられません。
これからノシメトンボをはじめとする赤とんぼが増えて来ると、
転がり始めた夏の下り坂も、いよいよスピードがついて来ます。

雨の涼しさと潤いにほっと一息ついたところではありますが、
まだもう少し、夏を楽しみたい気持ちもあるんですよねえ・・・

Ike2008banka

| | コメント (0) | トラックバック (0)

嬉しいこと2つ

今日は嬉しいことが2つありました。
ひとつ目は何といっても雨が降ったこと!
やっと・・・やっと降ってくれました。
夕方しょぼっと降って終わった時には、
「これで終わり?こんなの濡らしたうちにも入りません!!」
という感じでしたが、午後8時51分、
さんざん鳴った雷に遅れることしばし、ドバーッと来ました。
本当はサーッと長時間降ってくれるのが理想ですが、この際大歓迎です。

ふたつ目は吉田沙保里さんの金メダル!実は結構ファンです。
勝てない選手の苦しみもさることながら、
ずーっと勝ち続けていた人にとって、
たった一度くらった負けがどれほど大きなものか・・・
もちろん想像でしかわかりませんが、
女王である彼女が自分の勝利を保証するために積み重ねた努力は
並大抵のものではなかったと思います。優勝おめでとう!!

さて、そんな話題とは全く何の関係もなく、今日の写真はタガメです。
詳しく言うとタガメの終令幼虫が成虫に脱皮(=羽化)した際のぬけがら。
タガメはかっこいいと思うし、その不思議な生態も含め大好きな昆虫ですが、
正直飼育にはあまり積極的になれませんでした。
なぜかというとタガメは生きたエサでないと飼育出来ないため、
毎日金魚やカエルを与えなくてはなりません。これがどうにも・・・

そんなこと言ったらゲンゴロウの幼虫も同じじゃないかと言われそうですが
実は私、ゲンゴロウの幼虫は、撮影等の記録目的を除いて
一般的に行われている個別飼育で育てていません。
エサ生物が繁殖出来る環境に放し飼いするような方法をとっています。
つまりエサはわざわざ与えるのではなく、蛹化直前の終令幼虫まで
各自自主的にハンティングしてもらうのです。
これだと個体数が淘汰されてしまうのでそうそう簡単には
成虫になれる訳ではありませんが、健康な成虫個体が必ず少数得られます。

写真のぬけがらは、子供が自由研究で昆虫の脱皮を観察したいとのことで
そのひとつとして短期間飼育したものです。
エサはさくら上池の例外的招かれざる客、ウシガエルのオタマです。
駆除を兼ねて召し上がっていただきました。

さて肝心の脱皮ですが、残念なことに、
子供も私もその瞬間を見逃してしまいました。
しかし、ぬけがらは重要な資料となるため、乾燥標本に・・・

ヤゴや水生昆虫の抜け殻を標本にする際のいい方法、ご存知ですか?
伝授しましょう!(それほどのモンでも無いかな)
ぬけがらがまだ濡れているうちにシールなどの剥離紙(うら紙)の
つるつるした面にすくいとって、形を整えて乾燥させるのです。
既に乾燥している場合には、水につけて戻せば同様に作業できます。
何日かして完全に乾いたらそっと剥がして出来上がり。
剥がしにくい場合は紙の方を反らせると上手く行きます。
前後しますが剥離紙は事前に適当な大きさに切って、
スチレンボードなどにピンで留めて貼っておきます。(写真参照)

それにしても、背面の割れ口から沢山のコードみたいなひも状のものが
いっぱい出ているのが興味深いですね。
セミやトンボより本数が多くみえます。
この脱皮で、グッと大きくなりましたよ。抜け殻の体長は44ミリ、
成虫は64ミリですから、約1.5倍になったということ、スゴイ!
外骨格の生物にとっての「脱皮の重要性」をあらためて感じました。

Tagamenukegara

| | コメント (0) | トラックバック (0)

途中はこうだった!

覚悟はしていたものの、やはり猛暑日でした。
こう暑いと日中動き回る虫も限られてきますが、
水辺で三つどもえ、四つどもえの追いかけっこをしている
ショウジョウトンボは、今日もやたらと元気でした。

しかし彼等も暑いらしく、止まって休むときは
陽に当たる部分の面積を減らそうと、お尻の先を太陽に向け
逆立ちしたようなポーズをとるものも見られましたよ。
トンボは細長いお腹でハアハア言うんですね。
小休止の際は、「息があがってるね。」という感じでした。

池から水路伝いに玄関脇まで移動するちょっとの間に
9匹のオスがしきりにチェイスし、縄張り確保に余念がありません。
と、その中に、ショウジョウトンボ特有の赤ではなく
妙にオレンジ色っぽいのがいるので、さっそく追跡調査。
止まったところを見てみると、写真の様な個体でした。
これ、羽化直後の黄色っぽい体色から
ショウジョウらしい真っ赤っかに変わる途中の個体ですねえ!

ショウジョウトンボの成熟に伴う体色変化については、
以前(5月28日)に書きましたが、一体どんな風に変化するのか、
途中の過程がわからなかったので、なんだか安心しました。

全体的に赤味が増すのではなく、グリッドセクションに分けて
そのフチの方から赤くなるんですね。
もしかしたら今赤いラインで見えているところは循環系にあたる部分で、
そこが最初に色付いたりしてるのでしょうか?
とすると変化のキーになっているのは、ホルモン?色素体?
それとも酸素かな?
いずれにせよ、興味深いものを見せてもらいました。

Shojotonbotochu

| | コメント (0) | トラックバック (0)

まるこ

毎度何とも言えない虫の画像で・・・嫌いな方にはゴメンナサイ!
この虫はマルコガタノゲンゴロウの幼虫。

マルコガタノ・・・は長いので、ゲンゴロウ好きは「まるこ」と呼びます。
ひらがなだと「ちびまる子ちゃん」のようですが、
カタカナで「マルコ」とすると、
母を訪ねるか、東方見聞録か・・・という感じですね(笑)
一昨日クロゲンゴロウとの交尾行動で成虫を掲載した、
あの丸っこい水生昆虫の幼虫です。

今年初めて飼育に挑戦した種類ですが、首尾よく産卵し、
生まれた幼虫が今蛹になるための上陸ラッシュ。
毎日全ての幼虫を観察し、
「もうエサはいらんぞ。蛹になりたいからそろそろ上陸させや〜!」
というサインを見逃さずに、
土を湿らせてセットした蛹化用の容器に移します。

サインを見誤っていないか、上陸後上手く土を掘って蛹室を作ってくれるか、
ゲンゴロウの累代飼育で最も緊張するシーンです。

「まるこ」はゲンゴロウ属の中でも貴重な種類で、
おそらく茨城県では見られないのではないでしょうか?
我が家にいるのは秋田県のブリーダーの方に分けてもらった個体です。
成虫は本州に棲むゲンゴロウ属の中ではゲンゴロウ(ナミゲン)、
コガタノゲンゴロウに次ぐ第三の大きさの大型ゲンゴロウ。
幼虫もそれなりに大きいです。
一円玉の直径はちょうど20ミリですから、全長60ミリ余りですね。
もしかしたら、まるこにしては少し小振りかも知れません。

上陸させた幼虫は、半日程度で土の中に姿を隠します。
今度会えるのはおそらく3週間から一ヶ月後、
現れる新鮮な成虫は、体側の黄色い縁取りが明るくて太い
なかなか美しいゲンゴロウなはず。すごーく楽しみです。

Marukoyouchu

| | コメント (0) | トラックバック (0)

緑陰のパターン -ケチヂミザサ-

毎度毎度書いてしまいますが本当に雨が降らない!
今月に入って一度もですから、もういくら何でも一雨を切望します。
そんな訳でこのところ毎日、大変な時間を掛けて庭に水まきしています。
今日写真で紹介する植物の一角も、
お気に入りなので重点的に湿らせてあげています。

植物の名前はケチヂミザサ、見ての通り、
一見笹のように見えるイネ科の多年草です。勝手に生えて来ました。
まだ穂が出ていないこの時期は
地表からせいぜい15センチ程度の高さですが、
いわゆるグランドカバー状に広がって、タタミ一畳程の群落になりました。

べつだんどうというほどの草でもないのですが、
そこには他の植物がほとんど無く、このケチヂミザサだけが密に茂っていて、
ちょっと和風・・・いやアジアンなテイストでしょうか?
写真が今ひとつなので上手くお伝え出来ないのですが、
シャツの柄のような、何ともいい感じのパターンに見えて来ます。

庭には他にもグランドカバー状に群落を作る植物があるのですが、
生地の柄のように見えるのはこのケチヂミザサだけ。
上を覆うマテバシイやウバメガシの真下の緑陰に広がっているためか
少々薄暗い一角ですが、それゆえブラックアウトする地面に対して、
折り重なりながら浮き上がる様に映える若々しい緑は、
ほんの一瞬、暑さを忘れさせてくれる清涼剤です。

Kechijimizasa

| | コメント (0) | トラックバック (0)

禁断の関係・・・!?

生物の種を分ける際の基準として、
「配偶行動が成り立つor成り立たない」というのがありますが、
ごくまれに明らかに別種同士が交雑して、
繁殖能力を持たない次世代(F1)ができる例が見受けられます。
自然界では本当にまれですが、飼育環境など、本来の生息環境ではなく
様々な制約のある環境ではしばしば見られます。

写真は我が家で複数種のゲンゴロウを混泳させている水槽でのカット、
交尾しているのは上がクロゲンゴロウのオス、
下がマルコガタノゲンゴロウのメスです。
この2種は同じ属のゲンゴロウですが、明らかに別種、
違う種類同士の交尾行動です。
普通、多くの昆虫では近い種同士でも、
種が違う場合交尾器の形状が異なり、交尾は物理的に成立困難です。

ところが、交尾器の結合部分を観察してみると、
なんだかほぼ上手くいっている様に見えます。
ゲンゴロウのメスは交尾中、
尾端を水面に出して呼吸のための空気を取り込むことが出来ませんが、
かわりに挿入されたオスの交尾器から空気が導入され、呼吸ができます。
今回の場合、少なくともこの空気導入はちゃんとできていました。
どうやらオスの精子嚢もメスの腹部に送り込まれた様に見えるのですが
受精が可能かどうかは怪しいかも知れませんね。

クロゲンゴロウとマルコガタノゲンゴロウは、
秋から成虫越冬して春を迎えるまで、同じ池で過ごすことがあります。
しかし春になると、クロゲンゴロウが水田や浅堀の水路など、
浅い水域に移動して繁殖期を迎えるのに対し、マルコガタノゲンゴロウは
水深のある池を離れず、そこで繁殖することが多いようです。

つまり、同じ場所で過ごす時期がある2種ですが、
肝心の繁殖期は棲み分けができているため、
自然界で繁殖期に出くわすことはあまり無いようなのです。
きっと水槽という限られた世界ならではの現象なのでしょうが、
今後このメスが産卵行動に出た場合は、
注意深く卵の発生を確認したいと思います。

Kuromarukokoubi

| | コメント (0) | トラックバック (0)

これっきり偵察要員 -チョウトンボ-

昨日の予報によれば今日も一日涼し目なはずでしたが、
昼前から日射しがじりじりと照りつけ、蒸し暑くなりました。
それでも最高気温は29.5℃、大台には届いていません。湿度が辛いですね。

今日は午後から地元牛久市の景観まちづくりワークショップ。
午後1時開始なので昼食後いそいそと出掛ける準備をしながら、
何気なく外を見ると何やら青いひらひらが池の上を舞っています。
「ああっ、チョウトンボ!今年も来たなぁ!!」
時刻は12時43分、5分前には市役所の会場に入りたい。
市役所までは約10分、さてどうするか・・・と、一瞬考えはしたものの
次の瞬間にはカメラに500ミリレフレックスを着けていました(笑)。

まさか遅刻も出来ないので
いい加減にとにかく数回シャッターを押し、とりあえず訪問の記録。
「できれば明日また撮らせてね!」と一方的にお願いして
家(事務所)を後にしました。

チョウトンボは一昨年から毎年現れます。
でも、定着発生はしていません。
現れるのはいつも1〜2匹のオスのようで、メスが来てくれていないのです。
チョウトンボという名前の通り、
トンボにしては異様に大きな面積の翅を持ち、これを青光りさせ
チョウさながらにひらひらと舞い飛びます。
青く光を反射する翅は、ときに緑や紫、ピンクにも見えて
シャボン玉のような美しさです。

どこから来るのか・・・
近くの神谷小学校の池でも牛久自然観察の森でも
まだこのトンボを見たことはありません。
以前確認した一番近い生息地はお隣の竜ヶ崎市の蛇沼です。
そこから来たのだろうと思っていたのですが、
最近蛇沼を見た動植物にめっぽう詳しい(プロです)知人M氏が
「チョウトンボは見ませんでしたねえ・・・」と言っていました。
霞ヶ浦周辺やつくばには沢山見られるのですが、
本当にどこから来るのか・・・案外近くにまだ知らない生息地があるのか
かなりの移動をして来るのか・・・

生息地で見る限り、あまり水辺から離れるトンボとは思えません。
それでも中には遺伝子交流の可能性を求めて旅立つ、
開拓者的個体がいるのでしょう。
近親交配を防ぐという重要な役割を担った個体なのかも知れません。
新発生池を求め、出前産卵に来るメスがいつか現れると
とても楽しいのですが、どんなもんでしょうかね。

Chotonbo

| | コメント (0) | トラックバック (0)

水槽のさし枠

昨日同様の「一日曇りで暑さも一息」でした。
暑さに負けて水槽の水換えをさぼっていたのですが、
今日はやっとこさやりました。
写真がその水槽、複数種のゲンゴロウを混泳させている
リビングの90cmガラス水槽です。

何だか殺風景でしょ。でも管理上仕方が無くて・・・
もっと水生植物をかっちり植え込んでかっこ良くディスプレイすれば
良いのでしょうが、ゲンゴロウの仲間は水生植物に産卵するので、
植物はしょっちゅう入れ替えています。
今ももっと沢山入れてあったトチカガミに
マルコガタノゲンゴロウが産卵しまくり、
ふ化用容器に取り出してあるためよけいにガランとしています。

でもって、今日の話題は水槽の中身ではなくて、
水槽の上に載っているプラ網を張ったさし枠です。
先週、暑い中切ったり組んだり張ったりして自作しました。
このさし枠、上部が水槽の上部と同じサイズなので、
水槽専用のガラス蓋がぴったりとはまります。
下部は水槽の蓋と同サイズなので水槽の上にぴたりと重なる訳です。

素人仕事の割にはまあまあ様になってるでしょ!
・・・て別に自慢じゃなくて、
この枠の意味について書きたかったのでした。
賢明な皆様は一目見てお分かりでしょうが、
この枠の役割は通気と温度上昇防止です。

諸物価高騰の折、エアコンを極力使わないようにしたら
室内の温度が上がる上がる・・・と、水槽の水温も軽く30℃に達します。
締めきりで照明してたのでは、当然ですよね〜。
これでは高温を嫌う種類のゲンゴロウでなくても弱ってしまいます。
また、蒸れるとエサが腐敗するのが妙に早くなったり、
病気やカビが発生しやすくなるので、新鮮な空気は必須となります。
そこでこのさし枠を用意した訳です。

ただの網の蓋でもそこそこの効果はありそうですが、
この方法だと空気が横方向に抜けるため、暖気の停滞が無くなるだけでなく
照明の熱も効果的に逃がせます。
また、気化熱による冷却効果も多少あるため、
水温上昇は想像以上に抑えられました。
具体的には今のところの測定値で気温より4〜5℃低く、理想的です。
ゲンゴロウは上陸して甲羅干しすることがよくありますが、
この際にも体がよく乾くので、気持ち良さそうで、枠の効果は思った以上。
飼育に興味のある皆さんにもお薦めしたいと思った次第です。

ところで、なぜこんな話題を掲載したかというと、
「ゲンゴロウ」をキーワードにこのブログにいらっしゃる方が
最近とても多く、また、直接受ける質問でもゲンゴロウの飼育に
関するものが少なくないからです。
どうせ感心が高いのなら、一人でも多くの方に楽しく飼育していただき、
あわよくば各地域のゲンゴロウの生息環境の保護や系統保全に
つながれば・・・なあんて。ちょっと大それてしまいました。

90cm_suisousashiwaku

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ジャパニーズ・ビートル

今日はそこそこ涼しくて、一息つけました。
午後は曇ったものの、雨が相変わらず期待できそうにありません。

写真の昆虫はマメコガネ。コガネムシの仲間でも小さい方で、
都会でも緑が多いところでなら見かける種です。
名前の「マメ」は小さいということかと思っていたのですが、
大豆をはじめとするマメ科の葉を好むことから付いたようですね。

子供の頃から身近な虫でしたが、個人的には
頭部・胸部と羽の色がくっきり違うところや
上から見ると案外角ばっているプロポーション、お腹の節のところに
ふさふさと白い毛が生えているところなど、
なんとなくエキゾチックな感じがして、
外国っぽいコガネムシだなあ・・・と思っていました。

ところがところがこの虫、外国っぽいどころか、
アメリカでは「ジャパニーズ・ビートル」と呼ばれ、大層嫌われています。
なんでも日本からアメリカに渡ったアヤメの苗に混入していたとかで、
ちょうどいい天敵が存在しない向こうでは大発生し、
大豆などの農作物に大被害をもたらしたそうです。

向こうからやって来たセイタカアワダチソウやブラックバス、
ウシガエルなどにけむたい顔をする日本人は少なく無いと思いますが、
アメリカにとっての「フロムジャパンの外来種」のことは
案外知られていないのではないでしょうか?
日本では葛粉をとるあの「クズ」も、アメリカでは脅威となっている
外来種だったということ、ご存知でした?

外来種に多く見られる特徴は、新天地の生態系に溶け込めなかった場合には
当然消滅してしまうものの、そうでなかった場合は、
無敵の覇者となって新天地の生態系を貧弱にしてしまうほど
強い種として定着するということ。
日本は他に類を見ないほど、
飼育栽培目的で外国の動植物を輸入している国。
外来種法の施行なども有りはするものの、
実質上モラルだけにゆだねるしかない現状は、かなり危険ですよねえ!

Mamekogane

| | コメント (0) | トラックバック (0)

コガネムシではない

地域の天気予報を見ても、このところずっと晴れのち雨か
晴れ一時雨になっています。
しかし、雨らしい雨は先月の28日以来一度も降っていません。
どうやら大気が不安定なのは事実のようですが、
積乱雲が神出鬼没すぎて、どこに現れるか全くわからない、
ということのようです。

このブログに時々遊びに来てくれるnishioさんのメールによると、
ここから20キロほど離れたnishioさんのところでは、
この間にも短時間のどしゃ降りが何度かあったとのこと。
驚きました!全く信じられません。
ひょっとして雨雲がここだけ避けて通ってるのっ?!

写真の昆虫はカナブン、全身を覆う強い金属光沢が自慢ですが
あえて林内でのシルエットを撮ってみました。
あまりの暑さと乾燥に食事もそこそこ、木陰で休んでいるところです。
もっともあてにしているクヌギの樹液もこの少雨で涸れ気味。
さぞかし困っているのではないでしょうか。

さてこのカナブンですが、
世間ではコガネムシと混同されることが非常に多いようです。
というか、コガネムシまでをひとまとめにして、
カナブンと呼ぶ人が多いですね。

まあ、金属的な光沢の体でブーンと飛ぶので
俗称としてはわかりやすいのですが、
正確に言うとカナブンはコガネムシの中の1グループ、
ハナムグリの仲間に属します。他のコガネムシとの違いは
●昼行性、(すなわち夜灯火に飛んで来るのはコガネムシの方)
●堅い前翅を開かず後翅を出して上手に速く飛ぶ
●葉を齧る口を持たず、ブラシ状の舐める口で樹液や果汁がエサ
●幼虫は生きた植物の根を食べず、腐植や朽ち木を食べる
●幼虫は背面の毛を利用し、仰向けになって這う
などなど・・・・
成虫の食べ物以外の特徴は、他のハナムグリにもあてはまります。
(ハナムグリは花粉や蜜が好き、樹液に来る種もある)

それにしてもシルエットで横から見ると、
頭部、前胸部ともに平たい形状であることがわかります。
カナブンはこのシャベルの様な頭部を使って、
樹皮を起こして樹液の出を良くしたり、
えさ場をめぐって激しくバトルしたりします。
生態的には、コガネムシよりも、
むしろカブトムシやクワガタに近いものがあります。

カナブンやアオカナブンの体表面は、コガネムシに見られる
メッキ調の表面光沢ではなく、光の屈折で色調や明度が複雑に変化し、
深みや立体感を感じる構造色になっています。
特にお薦めはアオカナブンの構造色。
個人的には、日本一美しい甲虫はアオカナブンだと思っています。

カブトムシやクワガタを求めて雑木林に出掛けることがあったら、
ぜひアオカナブンやカナブンの美しさもあらためてご覧ください。
金(かな)っけな感じの安っぽい光沢とはひと味違いますよ!

Kanabunhiruyasumi

| | コメント (0) | トラックバック (0)

今から勝負の3ヶ月 -ジョロウグモ-

一昨日に続いてクモの話、そして昨日に続いて秋の先駆けの話です。
なんたってもう立秋ですもんね。そんな感じのしない陽気ですが・・・

写真のクモはジョロウグモ。
高く澄んだ秋空に大きく網を張る姿がお馴染みですが、
気をつけてみて見ると、今頃からあちこちで目立ち始めます。
この場合の目立ち始める・・・というのは、
一定の大きさに成長して目につくようになる、ということ。

クモを見慣れた人なら、まだ本当に小さなジョロウグモの幼体を
5月頃には確認していると思います。
その頃は草木の枝分かれ部分などに小さく網を張って、
捕らえる獲物もアブラムシやキノコバエ、ユスリカなど
小型の昆虫ばかりです。

やがて何度かの脱皮を繰り返し、ここまで生き延びたものが
今頃ようやく目につく様な大きな網を張り始めるという訳です。
それでもまだ脚を除いた体長で12〜3ミリ程度、
秋に成熟する頃の半分以下です。

しかし、大きな網を張れるようになると、捕らえることの出来る昆虫も
より大型のものとなり、自分より大きなトンボやコガネムシを
捕らえることも可能になります。
そしてこの時期、昆虫たちは種類も数も格段に多くなっていて、
今がピークでこれから数を減らす甲虫やセミ、夏のトンボに変わり、
バッタやキリギリス、赤とんぼなど、晩夏から秋に多くなる昆虫もいて
ジョロウグモが成長するのに有利なエサ環境が今から3ヶ月ほど続きます。
このスペシャルシーズンに少しでも多く栄養をとって大きくなれれば、
メスはより充実した卵を数多く生むことが出来ます。

オスはここまでどう過ごしているのか自分で観察した経験はありませんが、
少なくとも今頃から先は、メスに依存する度合いが高くなるようで、
しっかり自立せず、早い話がメスの巣に居候をきめ込みます。
メスと居候のオスの関係は必ずしも1対1ではなく、
大きなメスには数匹のオスがなんとなく同居します。
ですから(特にメスにとっては)これから3ヶ月の間に
いかに大きくなるかということが遺伝子選択の幅に関わって来る
とても重要な問題となります。

今日、庭で見かけたメスたちはどれも気合い充分、
真夏の日射しをものともせずに踏ん張っていました。

Jorougumoyoutai

| | コメント (0) | トラックバック (0)

若栗落ちないで!

今日も暑うございました。最高気温は34.5℃!
昨日だけ26.5℃と低く、たった一日でまた暑さが戻って来た感じです。
それでも今年の特徴は最低気温が25℃を上回る日が殆ど無いこと、
熱帯夜にはなかなかなりません。

この暑さと少雨で若い栗の実が落ち始めました。
今年は今までに無く実付きが良かったので、
毎日地面に青々としたいがを見つけては、口惜しい気持ちに・・・

このクリの木はブログで相互リンクさせてもらっている
norayamafarmさんに7年ほど前にいただいたものです。
norayamafarmさんはユニークな取り組みをされている梨農家ですが、
その梨を発送する際の段ボール箱をオリジナルデザインにする際、
私に仕事として任せてくださいました。
打ち合わせと取材を兼ねて梨畑に伺った折に、
畑地の縁に生えていたこのクリの苗を抜いてくださったのです。

その時はまだ15センチ程度の苗でしたが、
3年ほどの間、鉢で50センチ程度に抑えて作り込んで
4年前、今の家を建てる際に今の場所に地植えするとみるみる成長し、
すでに4メートル近くなっています。
初めて実が成ったのが一昨年、初めて収穫したのが昨年、
そして今年は大豊作の気配だったのですが、
ここへ来ての連日の落果で少々心配になっています。

園芸品種ではないので、いわゆる「山栗」と呼ばれる実の小さなタイプ。
はじめは実をゆでた後の下ごしらえが面倒そうに感じたのですが、
意外に剥きやすく、味も上々。
キノコや地鶏、凍みこんにゃくと一緒に炊き込みごはんにして
3回ぐらいは食べる予定なのだから
これ以上落ちないで〜!と祈る様な気持ちです。
それにしてもいい加減降りなさい!雨!!

Kuriwakaimi

| | コメント (0) | トラックバック (0)

死の通行止め -ナガコガネグモ-

ホームセンターに行って角材などのナガモノを複数購入すると
レジのお姉さんが手慣れた手つきで、
クリクリクリッとロールのラップフィルムを巻いてまとめてくれます。
その動作を見ると、いつも思い出すのが
クモがエサを確保する時の「糸ぐるぐる巻き」の早業。
オニグモやコガネグモなど、
大型のコガネグモ科のクモでよく見られます。

写真のクモはナガコガネグモ。まだ幼体のメスです。
近似種のコガネグモはこの時期立派な成体が見られ、
大きな丸い網を少し高いところや開けたところに張り
中央にでんと構えている姿が印象的です。
コガネグモはおなかの模様が黄色と黒の横縞で、
よく漫画などに出て来る「いかにも・・・」というデザインのクモ。

対してこのナガコガネグモはその名の通りお腹がやや細長く
明るい黄色を基調とした細かい横縞が特徴。
網も立派な丸網ですが、草と草の間など、
コガネグモよりは低い位置に張ることが多いようです。
このため獲物も草の間に生活圏を持つ昆虫が多く、
バッタやトンボの仲間、シロチョウなどゆるやかに飛ぶチョウ、
時にはアマガエルの幼体などが網に掛かります。
体の表面が湿っているアマガエルは本来なら逃げ出せるところですが、
冒頭に書いたように、このクモは獲物が掛かると即座に飛んで来て
ぐるぐる巻きにしてしまうので、大抵は逃げられません。

さくら上池では、シオカラトンボやショウジョウトンボが
よく引っ掛かります。草の間を低空ですり抜けようとして突っ込むのです。
アクションムービーで攻撃をかわしながらビルの間をすり抜けたヘリが
角を曲がったところで突如現れた正面の壁に衝突する感じでしょうか。

ところで、写真をよく見ると網の上下方向に、
白いジグザグラインがあるのにお気づきだと思います。
これ、隠れ帯というのですが、意味や効果がよくわかりません。
クモの天敵から身を守る術のように思うのですが、
具体的にどんな効果があるのでしょうか?
あまり小さな幼体では見られないことも多いのですが、
成長すると必ず作ります。それも決まって、
上下方向に一本線の`I' の字型です。
コガネグモではこれが`X'字型ですので、網(巣)だけでも
どちらの種類のものか、見分けることが出来ます。

Nagakoganegumoyoutai

| | コメント (0) | トラックバック (0)

水生昆虫? -ジュンサイハムシ-

毎日書きますがムシ暑いです〜。
今日は本当に湿度がたっぷりで、もう水蒸気が飽和の限界(言葉が変?)、
空気が水分で重いという感じでした。
いい加減降ってくれるのではと期待してます。

今日は午前中調査の仕事でつくば市内の某ため池に出掛けました。
祝物の調査でしたが、行ってみると
つい1〜2日前にきれ〜いに草刈りされたようで、
調査しようにも何とも・・・
それでも70種類以上のリストアップが出来ました。(根性!)
刈られて干涸びた破片で出した種類もあります。

このため池、水面部分の殆どをヒシがびっしりと覆っているのですが、
よく見るとヒシの葉っぱはもれなく穴だらけ。
犯人は写真の昆虫、ジュンサイハムシでした。

ジュンサイハムシはその名の通りジュンサイをはじめ、ヒシやシロネに
つくので、池沼やため池とは切れない仲の昆虫です。
シロネはともかく、ヒシとジュンサイはともに水中に根を張り
水面に葉を広げる浮葉植物、
成虫も幼虫もそれを食べるジュンサイハムシは
当然、水面が生活域となります。

これってもはや水生昆虫と言ってもいいのでは?
それとも直接水面ではなく、あくまで葉の上なのでやはり陸生なのかな?
よく見てみると、他の葉に移動する際、表面張力を使って
能動的に水上移動しているように見えます。
時々こてんと水面でひっくり返るのですが、
ぱっと翅を広げて器用に起き上がります。
ビロウド状に微毛が生えた体表面が水をはじくので、
こんなことが出来るようです。やっぱり水生昆虫じゃん!?
アメンボが水生昆虫なのとほとんど変わらないように思えます。
しかし、水生昆虫をまとめた文献の中に、
ジュンサイハムシを見つけることは出来ませんでした。
水生昆虫の定義って、何なのでしょうね。

Junsaihamushi

| | コメント (2) | トラックバック (0)

やつらに負けるな! -ニホンアカガエル-

先週の日曜日はまとめてドバッと雷雨でしたが、
2匹目のドジョウは願うべくも無く秋の様な高い空。
しかしそよ吹く南西の熱風は生き物たちにはあまりにも酷。
そんな中、懸命に生きているチビ助の姿があちこちに見られましたよ。

写真のニホンアカガエル、まだ体長は17ミリ。
池から上陸して一月半ほどでしょうか。この時期庭では多く見られます。
水辺のそばに限らず、草むらが濃く直射日光がしのげる場所なら
多少乾いていても頑張って脚を延ばします。

彼等は急いで大きくなる必要があります。
怖い天敵が多いからですが、中でもカマキリの幼虫は脅威!
彼等の上陸と同じ頃にふ化したチビカマキリは、
彼等を上回るスピードで大きくなり、
今では彼等をエサにする大きさに達しています。
こちらも負けずに大きくならないと、カマキリにもカナヘビにも
やられっぱなしになってしまいます。

幸い、日光をしのげる草むらには、まだ口に入るサイズのオンブバッタや
オオヨコバイが沢山います。
体が少々乾きかけても、地面を離れ少し高いところまで這い上がって
昆虫たちを探します。

上陸の頃と比べ、体長はわずかに大きくなった程度ですが、
顔つきは大きく変わりました。
オタマジャクシの面影は消え、鼻先がつんと尖った
アカガエルらしい顔つきになっています。
頑張って生き残れ!そして再来年の繁殖の集いには参加しに来いよ!!
エールがわりにせめてものささやかなプレゼント。
なかなか降らない雨の呼び水にと、いつもより念入りに散水しました。

Akagaeruko


| | コメント (0) | トラックバック (0)

蚤?の夫婦 -アズチグモ-

今日も暑かったですが、やっぱりセミが少ない気がする・・・
既に何度かブログでも書いていますが、何だかセミが少ないです。
いや、少ないというのではなくて、遅れているのでしょうか。
8月に入ったというのに、日中鳴いているのはほとんどニイニイゼミ。
先週あたりから、少しずつアブラゼミが混じり始めましたが、
例年ならこの時期はアブラゼミが全盛期を迎えているはず・・・
ニイニイゼミやヒグラシも登場が遅かったし、
ヒグラシに関しては個体数も少ないように感じます。
これから増えるのかしら?

今日は左右二枚の合成画像、どちらもアズチグモ、同じ種類です。
暗い時間に撮ったので、無理に感度を上げたら
画像がざらっとしちゃいました。見辛くてごめんなさい。
左の大きな黄色い方がメス、右のオレンジがオスです。
大きさの比率はほぼ合っているはずです。ちっちゃいですね、オス。

こういうのを蚤の夫婦というのでしょうが、
ご覧の通り、蚤に限らず自然界ではメスの方が大きいのはよくある話です。
産卵しますからね、メスは。体もしっかりしてなくちゃ!です。
特にクモではこんな極端な例が多く見られます。
昆虫の多くでもカエルやトカゲでもメスが大きいかな・・・

産卵ではなく、出産するほ乳類となると、
メスが小柄な場合が多くなりますよね。
オスは優秀さを争うため、大きく、強くなるようです。
そういえばカブトムシやクワガタではオスが大きいですが、
彼等もやはり戦って強さを競いますよね。

魚は種によりいろいろの様ですが、極端なのはアンコウ。
種類によっては、オスはメスのおできみたいな大きさで、
ペアになった後、メスの体に癒着して取り込まれ、
ホントにおできになっちまいます。(汗)

人間・・・日本人は、とある統計によると、今の20代あたりから
女性ががっしりして大きくなる傾向にあるとか。
男性の方は、華奢な体型の人が多くなって来たようです。
これって生物学的少子化対策?
優秀な遺伝子の選抜より、出産自体への従属的に変わって来たの!?
アンコウのオスはいやだなあ・・・

Azuchigumoshiyuu

| | コメント (0) | トラックバック (0)

研修生登場! -カワセミ-

8月になりましたね。早い早い!
でも何だか今日も蒸し暑いばかりのぱっとしない天気で、
どうやらまた次のどしゃ降りまで雨は無さそう・・・

しかし、庭の方は大きなニュースがありました。
いつものカワセミが、もう一羽連れて来ました。
写真の個体がそうですが、お腹のオレンジ色も頭や羽の青も
黒っぽくくすんだ感じでパッとしません。
よく見ると觜の端っこが黄色い・・・どうやら巣立ち雛のようです。
はは〜んなるほど、親子での実地訓練期間ということのようです。

どうなることやらと見ていたのですが、研修生は私の期待を大きく裏切り、
一発目のダイビングで見事に大きなモツゴをゲット!
しかし問題はその後で、
大きな獲物を上手く頭が手前になるよう回転させられず、
飲み込むまでにかなり苦労していました。
写真はやっと飲み込んでしばらくしたところです。
お腹が膨れ、ハンノキの枝でまったりしています。(親もよくやってますが)

この間、親の方は自分で一切ダイビングせず、また子供に近寄ることもなく
少し離れた枝で一部始終を見届けていました。
自立を促すべく、見届けている様子は
なんだか親子の信頼関係を垣間見たようで、こちらも
むふぅ〜ん、と微笑ましく眺めていました。

「明日も来るかなぁ・・・」何だか楽しみです。

Kawasemi080801

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年7月 | トップページ | 2008年9月 »