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宿り木

せっかくの振替休日ですが、予報通りの残念なお天気になりました。
でも気温がそれほど低く無いので、
雨が降り出すまでは外の作業が少し進みました。

写真は昨日訪ねた大北渓谷で見つけたヤドリギです。
別にそう珍しいものでもありませんが、
茨城県内ではどこにでもあるというほど普通に見られるものではありません。
ある程度標高が高いところの方が多く見られる様に思うのですが、
県南部の筑波山周辺でも一カ所、
ほぼ平野部といっていい位の、標高の低い自生地を知っています。
その場所は水神様の小さな祠がある一角で、
寄生対象の木は大木のエノキです。

写真の場所は標高700メートル近いところで、
寄生されている木はミズナラの様ですね。
周辺には他にも何本かのミズナラにヤドリギが見られました。
葉が落ちた冬の木立で目立つせいか、
落葉樹についているイメージが強いのですが、
調べてみるとそうばかりでもない様です。

ヤドリギが冬も緑色でよく目立つのは、当然常緑だからですが、
そもそも緑色をしているという事は、自分で光合成ができる証で、
栄養の材料は宿主からちゃっかりいただきますが
あとの作業は自分で何とかしているということ。
これを半寄生植物といいます。
ススキに見られるナンバンギセルは自分では葉緑体を一切持たない
すべて他人任せの全寄生植物です。

ヤドリギは実を鳥が食べる事で種子頒布をしていますが、
ふんと一緒に地面に落ちるのでは寄生生活に入れません。
そこで、種子を強力な粘着成分で覆い、鳥の糞が枝や幹に引っ掛かった際に
そこに留まって寄生根を伸ばすという戦略をとっています。
また、この粘着成分は口に入れた段階ですでに機能するので、
鳥が種子を枝や幹に拭いつけるという行動もします。
私も友人の体験談を聞いて試したのですが、
口の中がえらいことになってしまいました。
何だか唾液に触れると一層粘つく感じで、そもそもこれじゃ飲み込めません。
しかし、冬鳥のヒレンジャクやキレンジャクは
ヤドリギの実を上手に飲み込み、糞にして出します。
ヒレンジャクとキレンジャクは
ヤドリギの分布にも大きく関係している様です。

Yadorigi

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コメント

おはよ~です。
これ宿り木っていうんですね。
ぽつりぽつりと見られるのですが、
最初はなんかの鳥の巣かと思ってました。(笑)
でも唾液に触れるといっそう粘着性がでるなんておもしろですね。
鳥は便秘になったりしないのかな。(爆)

投稿: こー | 2008年11月26日 (水) 07時06分

こーさんどもですー。
ヤドリギ、そっちだとけっこうよく見かけるんじゃないですか?
寄生植物は、こーさんの好きな食虫植物と好対照な
いわば植物としてカタギじゃない生活戦略者ですよね(笑)

子供の頃、ヤドリギを栽培してみたいと思っていたら(変な子供なり)
近所のおじさんが、
「ヤドリギは緑の葉をもってるから鉢植えに出来るんだ」
といって宿主の枝ごと切った自分で栽培してるものを見せてくれました。
でも、しばらくしてそれは枯れてしまい、
やはり宿主が生きた木でないとダメなんだなあ、と思いました。

今は自宅に小さいけどエノキがあるので、いつか種をくっつけて
発芽〜寄生根の挿入を観察したいと企んでいます。

おっしゃるように、ごく日常的に鳥の巣と間違われる様です。
小学校のとき遠足のバス中で、先生が
「見てごらん、あの木にあんなに沢山の巣が・・・」とアナウンス。
内心「そいつぁ違うぜ」と思いつつ「わぁあ〜すっごーい!」
なんちって(やな子供なり)

投稿: ぐりお | 2008年11月26日 (水) 11時18分

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