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霞ケ浦 砂浜の再生

その昔、といっても昭和40年から50年頃の話ですが、
霞ケ浦湖岸にはまだいくつも砂浜があり、
それらの砂浜は湖水浴場として賑わっていました。
しかし、湖水を利根川へと送り出す常陸利根川に水門ができてからは
湖水の水質が悪化し、いつしか霞ケ浦の湖岸から人は遠ざかりました。

湖岸もぐるりとほぼ完全にコンクリート堤防化され、
もはや親水空間と呼べる部分も失われてしまいました。
もちろん洪水被害への対策や、産業用水としての淡水化の必要もありました。
そのための水門、そのための護岸だったことは間違いありません。
しかし、隔絶された湖水はますます汚濁が進み、
その水を上水として取水利用している一方で
流入河川からは大量の生活排水がもたらされ、蓄積し、
やがてそれはアオコの大量発生という形で私たちに警告を発しました。

霞ケ浦は長い歴史の中で大きく姿を変えて来た湖です。
ことに江戸時代以降の変化は人(産業)と湖の関わりを象徴する変化です。
しかし、砂浜が人で賑わっていた頃までは、
霞ケ浦は間違いなくみんなの湖でした。
ところが多くの人が心の中で、霞ケ浦に蓋をしてしまって30年余り・・・
気付けば霞ケ浦には泳げる水質の水も、砂浜さえも無くなっていました。

どうして砂浜が消えたのか、はっきりした事は分かっていません。
流入河川が護岸化され、砂の供給が無くなったからとも、
堤防で出来る波が遠浅の岸辺を壊したからとも、また
建設用土として湖底の砂利や砂を採取している影響とも言われていますが
本当の理由はまだ分からないのです。
ただひとつ間違いないであろうことは、人の手による現象だということ。

写真は、国土交通省が浮島地区の湖岸で行っている砂浜の再生工事です。
湖岸からY字型に伸びる堤は、砂浜の基盤になるヘッドランド。
最近海岸の方でも問題になっている
砂浜保護で設置されるものと同じ様な役割です。
これで砂浜が再生できるかは別として、問題は、
こういった工事が行われている事を殆どの人が知らないということ。
今やそれほど、霞ケ浦は関心の対象にならないところにあるのです。

霞ケ浦を直接管理しているのは国です。異論は多々あるでしょうが、
私はこれまでの経緯の結果として、国が流域住民から
霞ケ浦を取り上げたという側面は否めないと考えています。
そして現在も国は、霞ケ浦を水瓶としての位置づけでしか管理していません。
日本で2番目に大きいこの湖は、
ただの巨大な天水桶として扱われているのです。
ここに砂浜が再生できたとしても、
昔存在した賑わいの水辺とは異質なものであるという気がします。
霞ケ浦も諫早湾も、いつになったら住民や多くの生き物たちに
返してもらえるのでしょうか?
本来の地理的機能を取り戻せるのでしょうか?
生物多様性の保全を事業に反映できない国土交通省、
利水治水や産業が絡むと手を出せない環境省・・・
横に一本風穴が開くと、もうちょっといい国になると思うのですが・・・

Sunahamasaisei

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