« ゼンマイの光彩 | トップページ | 池の落ち葉 »

宿るか、落ちるか・・・

今日は昨日より温かくなる予報でしたが、
午後から風が出て穏やかさは今ひとつ。最高気温も15.5℃止まりでした。

じつは先日ヤドリギを見に行った時、
少し前に落ちたらしいヤドリギのひと枝を持ち帰りました。
もう干涸びてしわしわでしたが、幸い実はすでに熟していたようなので、
ちょっと面白半分に以前からやってみたかった実験を・・・
まずは、実の観察。鳥が好むぷっくりと丸い実はよく目立つ黄色い粒で、
一見すると確かに美味しそうに見えます。
臭いを嗅いで見ると、見た目に釣り合うフルーティな香りは一切なく、
むしろかすかな青臭い臭気がありました。
触った感じはパンパンに張ったみずみずしい印象で、いかにも液果。

口に含んでみます。これは前にもやった事がありますが、
ほんのりと甘い味です。果皮のすぐ下には粘液状の部分があり、
さらさらとした粘りというか、よく糸を引く感じ。
その中にはもうちょっとコロイド状というか、
プルンとした部分が種子を包んでいて、これは唾液と混ざり出すと
とんでもなくトリモチ状になるので早々に口から出しました。
鳥も飲み込まなかった場合はここで出し、枝に拭いつけるとの事。
そこで私もこの種子入りゼリーを数個ずつ、
庭のエノキやコナラの枝の股に拭いつけてみました。

残った数個は水に入れてみました。
すると種子入りゼリーはどんどん水を吸って膨張し、
ズルズルべたべたの接着剤のようになって来ました。
これをさっきのものと同様、枝の股に置きました。
この実験は一昨日行ったのですが、その後雨が降ったので、
昨日様子を確認してみると・・・
水につけてから置いた種子は、ほぼそのままの状態でした。
ゼリー状の方はくっ付けたところから大きく移動し、
あるものは幹にへばりついて、
あるものは糸を地面までひいて落ちていました。
写真はその様子。左は水につけてから股に置いたもの。
右はゼリー状で股に置いた後、
雨で緩んで糸を引きながら枝伝いにすべり落ちたものです。
どちらも既にしっかりと固定され、ちょっとやそっとでは動きません。

推論。どうやら種子を取り巻くゼリー状の部分は、
水を含むと一度だけ緩い接着剤のようになって、
そこから乾くと、もう緩まないようなのです。
おそらく鳥の消化管を通って排泄された種子は、
雨で緩んだ状態とほぼ同じなのだと思われます。
すぐに固定されないような仕掛けは、鳥に消化するまでの間の移動で
種子を運んでもらい、新天地で固定する様な仕掛けなのかも知れません。
さあ、今度はこの種子がここで発芽し始めるのか、落ちてしまうのか、
果たしてそれぞれの確率はどのくらいなのか・・・観察は続きます。

Yadorigitane

|

« ゼンマイの光彩 | トップページ | 池の落ち葉 »

栽培と飼育」カテゴリの記事

コメント

そうですか(笑)
生物は様々な方法で種の維持、拡大を考えますよね。
寄生植物のヤドリギも変わった植物ですが、最近、錦木の枝の構造に興味を感じた私です。

口にしたと言えば…。
十数年前、黄色くなったクワズイモの葉を取り除いた際、葉の汁をちょっと舐めました。
「食わずって言うぐらいだからどんなの?」と(毒があるとは知っていましたが)興味本意で…。

ほんのチョット舐めただけなのにとてつもなくいがらっぽく、数時間、喉がおかしかった記憶があります(笑;)
これで芋食ったらどんな事になる事やら…。
やはり「食わず芋」でした(爆)

くれぐれも舐めませんよう!

投稿: 太郎 | 2008年12月12日 (金) 08時58分

太郎さん、いい話でした。有り難うございます。
やっぱり五感を使うのって、すごく大切ですよね。
人間はもともと持っているポテンシャルの数割しか
活かしていないそうですが、一定の経験をしていないと
「こりゃヤバい!!」というのは分かりませんからね。
これからの時代、やっぱりサバイバリゼーションですよ!

ところで、ニシキギのあの「ひれ」は何なんですかね?
私はそれが無い方のコマユミが好きなんですが、
ニシキギの「あれ」にはやはり興味があります。
何かわかりました?

投稿: ぐりお | 2008年12月12日 (金) 16時03分

あははは(笑)
いい話でした?
単におバカな行動でした(爆)
「クワズイモ」と名前が付いているのに舐めたのですから。
あのえぐさは何とも…。

錦木の「あれ」はちょっとネットで調べてみましたが、分かりませんでした。
ありきたりですが、害虫が登りづらくしたり、動物に樹皮を噛られにくくするためかな…と。

投稿: 太郎 | 2008年12月12日 (金) 16時36分

ええ、実に貴重ないい話でしたよー(笑)
私はそういう事するヒト、大好きです。

やっぱりえぐさの秘密はシュウ酸ですかねえ。
サトイモ科は大体シュウ酸を持ってますから・・・
ヤムイモやタロイモ、多少はヤツガシラにもシュウ酸があるようですが、
ゆでたり焼いたりつぶして晒したりと、どうすれば食べられるか、
一生懸命工夫して、今日の食用サトイモ類が確立された訳でしょ?
太郎さんはそんな先人の足跡を、ちょっとだけ辿ったんだから
すごいじゃないですか。
でも先人も「こりゃどーしよーもねーよなあー」
ということで喰わず芋になったんでしょうね。

ニシキギですが、私は2説考えてみました。
その1:バンパー説。ぶつかっても本体に傷なし!
その2:凍結防止説。あの「ひれ」で、氷の結晶の成長方向を
    コントロールして、本体の凍結被害を防ぐ!
ご笑納ください・・・かしこ。

投稿: ぐりお | 2008年12月12日 (金) 18時38分

がはははは(爆)
惚れられちった(照)

「先人の足跡」や「バンパー説」「凍結防止説」まで飛び出してスゴい話となりましたね。
2説について自生地の環境を調べれば、何か分かるかもしれませんね。

クワズイモも舐めておいて良かったです(笑)

早々

投稿: 太郎 | 2008年12月12日 (金) 20時56分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/487746/26115925

この記事へのトラックバック一覧です: 宿るか、落ちるか・・・:

« ゼンマイの光彩 | トップページ | 池の落ち葉 »