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きりたんぽ鍋

今日は穏やかに晴れたのですが、空気は冷たくて、
何日かぶりに降霜もありました。師走なんですよね。

こう寒くなると俄然出番が増えるのが鍋、という訳で写真は
先日、実家で行った恒例のきりたんぽ鍋。
私の母は秋田県能代市の出身で、毎年この時期になると、
田舎から「きりたんぽ鍋」の一式が届き、みんな揃って楽しむのです。

普段の鍋料理は身近で手に入る素材でも充分楽しめますが、
きりたんぽ鍋に関しては、当家伝統のいくつかのルールがあり、
これを守るためにはどうしても産地調達が必要となります。

まずは出汁、ベースは秋田比内鶏のがらスープに
じっくりとった昆布出汁をほんの少々合わせます。
鶏肉も当然比内鶏。
高価なので沢山という訳にはいきませんが(笑)これは必須です。

芹も現地のもので、ちょっと深い湧水で育った芹は
茎が長目でしっかりしていますが、柔らかいのです。
意外と思われるかも知れませんが、一番美味しいのは根。
湧水の場所では根が小石を抱くので、丁寧に洗うのが大変なのですが
しゃきっとした食感と香りがたまりません。

あとキノコ。舞茸やしめじなど数種類を使いますが、
地元秋田で「金茸」と呼ばれるキノコは必須、
ところが残念な事に今年はこれが揃いませんでした。
煮る前の状態だと本当に金色っぽく見えるかわいいキノコなのですが、
これは今や現地でも貴重品になりつつあるようで、
今年は松茸よりも高かったそうです。
で、今年は舞茸で我慢しました。(でも一部天然物で旨味抜群でした!)

そして肝心のきりたんぽですが、これも茨城で手に入るものは薄くて
すぐに煮くずれてしまうため、やはり秋田の知っているお店のものです。
少し味がしみる位まで煮ても崩れる事がなく、汁が濁りません。

とまあこんな拘りで作るきりたんぽ鍋なのですが、
昔は当たり前に揃ったこれらの食材集めが、今やだんだん難しくなり
あらためて考えるとなかなか贅沢な鍋になったような気がします。
金茸はついに入手が難しくなりましたが、
これはグルメブームで需要が増加したことに加え、
原因は不明ですが産地の山に生えなくなってきているとのこと。
比内鶏も年々値が張る代物になり、今や全国的なブランド鶏肉・・・

ふるさと鍋の具材にも、
温暖化や情報化社会の影響が出て来たのですねー。

Kiritanponabe2008

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コメント

 昨日に引き続きのキノコネタ(?)
たまらなくなって御邪魔いたします。
と言っても、ただの素人のキノコ好きってだけなんですけど。
金茸って、森で木漏れ日を受けて燦然と輝いてる姿を想像しますね。
栃木の友人はチダケ崇拝者、命がけで採って来るそうです。
そうまでしないと見つけられなくなっちゃったのが、寂しいですね。
ちなみに、彼の奥様が秋田出身で、やはりきりたんぽ鍋になると大いなる鍋奉行に変身するのだとか。
ところでオオゴムタケも食べられるんですよね。
不肖クワデン、見つけたオオゴムタケを喜び勇んで採集。
「茹でてきな粉と黒蜜をまぶして食べると美味しいんだって~♪」
しかし、父が【食べるんなら自分だけにせいっ!わしらは食わんッ!!】
あきれ返る両親の鋭い視線にさらされながら一人食したオオゴムタケは、
残念ながらさほどの感激ありませんでした(;▽;)
料理下手ってことなのか、両親の視線が痛すぎたのかわかりませんが。
デム観察に行ってはキノコの写真ばかり撮ってしまうクワデンでした。

投稿: クワデン | 2008年12月 1日 (月) 22時35分

クワデンさんいらっしゃいませ。
オオゴムタケってあの、凝ったチョコレートみたいなヤツでしょ?
見た事ないんですよ、見てみたいな〜!
あの仲間には珍しく、食べられるんですよね。
伊沢さんの本には確かにデザート的な食べ方が紹介されていましたけど、
私は案外こういうキノコって、鯨なんかと甘辛く煮て食べたら
美味しいんじゃないかと想像してます(笑)

金茸も標準和名が分からないんですよ。
伊沢さんの分厚い本を見てもこれだというのが見当たりません。
しいて言えばアイシメジやシモフリシメジに似ていますが・・・
でもキンダケという名前はぴったりで、大好きなキノコです。

デムもキノコも、森の多様性を象徴するデリケートな生き物ですよね。
いつまでもたくさんの種類が見られるといいんだけどな〜。

投稿: ぐりお | 2008年12月 2日 (火) 09時11分

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