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自生地確認、経過良好!

朝起きたら久し振りに曇り。
ここのところ晴れると暑い位でしたからこれはいいやと出掛ける算段。
ちょっとスロースタートな山行きを決行しました。
行き先は先月のブログに書いた、県北西部にある
近い将来おそらくダムに水没する山間地です。

この一帯には、ナガハシスミレ(テングスミレ)というスミレの
小規模な自生地が数カ所あり、その中でも一番個体数が多い
車では入れない谷筋の林道を訪ねました。

ここは数年前、林業用に道の拡幅整備があり転圧し直されたのですが、
その時に殆どのナガハシスミレは土砂に埋もれて消えてしまいました。
開花株については、ほぼ全滅といっていい状態です。
その翌年、工事後の林道の脇に、種から芽生えた数株のナガハシスミレを
確認しましたが、まだ小さな株だったので花を咲かせてはいませんでした。

今回の訪問はそれ以来です。
多少ハラハラしながら林道を登って行くと、ありました!
林道の入口付近に沢山咲いていたタチツボスミレに一見似ていますが、
すらりと高く伸びた花茎に付いた極端に距の長い花型。
間違いありません!ナガハシスミレです。
開花株が20足らず。しかし未開花の実生株もほぼ同数有り、
一度壊滅的な被害にあったものの、何とか回復傾向にあるようです。

以前にも書きましたが、ここでナガハシスミレが見られるのは
僅か20〜30メートルほどの範囲だけです。
それより入口寄りでは足元はタチツボスミレ、
乾燥した路肩ののり面はフモトスミレに置き換わります。
また林道のそれより奥はスギの枝が空を覆い、
暗過ぎてスミレの自生は無くなります。

なんてピンポイントな自生なのでしょう。
彼等の自生にはタチツボスミレが入り込まない暗さと
常に水分が供給される環境、そして、崩れやすいやや不安定な
斜面がちょうど適しているようです。

昨年、ここから少し離れた別の自生地を2カ所見つけました。
しかし、そこも自生範囲はここより狭く、個体数も数株程度。
近縁種のタチツボスミレも栄養繁殖よりは実生に頼っているようですが、
そのタチツボスミレ以上に大株が見られないナガハシスミレ。
少なくとも茨城県では、限られた環境にギリギリの数で世代を繋いでいる、
消滅ボーダーライン上の植物なのかも知れません。

Tengusumire090412

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コメント

どもでーす。
私これ育ててるんですよ~。
ただ固定された鉢ではなくて、スミレって種を飛ばすでしょ、
それでとんだ種があちこちの鉢からこのナガハシスミレや
フイリミヤマスミレが発芽して継代されてます。
ナガハシスミレってタチツボの入り込まないような場所に自生してるんですね。
ふむふむ・・・・・。勉強になりましたー。(笑)

投稿: こー | 2009年4月14日 (火) 05時21分

ども!
そうですか、ナガハシスミレ栽培されてましたかー!
スミレは複数種栽培していると、良く交雑することと
種を飛ばすので思いがけないところにその雑種の花が咲くのが
いつも悩みなんですよー。
自生地でも、タチツボエリア寄りの境界付近には
妙に距が長目のタチツボスミレが咲いてました(笑)
野生状態でも、やはり交雑することがあるようです。

我が家では、ナガハシスミレは他のスミレを排除したところで栽培しています。
ナガハシスミレは、そちらには自生があるのですか?
茨城の状況はブログに書いた通りですが、
本州の太平洋側での自生は、比較的珍しいように思います。

投稿: ぐりお | 2009年4月14日 (火) 17時17分

こんばんはです。
ナガハシスミレはこちらというか私の行動範囲の中では
多すぎず少なすぎずって感じで見られます。
固まって群生っていうよりも広範囲に散発的に見られるって感じかな。

投稿: こー | 2009年4月15日 (水) 21時30分

こーさんども!
そうですか、やはりあるんですねー、ナガハシスミレ。
でもって、やはり散発的に分布してるんだー。
なんだかとても興味深い分布特性を持ったスミレですね。
日本海側では、個体数が多く、こちらにくらべると
連続的に分布してるとか・・・

ところでこーさんの方だと、花の黄色い種類の野生スミレが
成績良く栽培できるんじゃないですか?
羨ましいなー。

投稿: ぐりお | 2009年4月15日 (水) 23時18分

ありますよ~、フギレオオバキスミレが
私の行くところでは見られます。
もうそろそろ開花するんじゃないかなぁ。
ただ、その場所はクマ出没要注意・・・・・・。
あまり近づきたくない場所なんですよ~。

投稿: こー | 2009年4月16日 (木) 06時56分

ううっ、やはりまたクマの影が・・・
こーさんとやりとりしていると、そちらは本当に
クマが身近な存在なのだな〜とつくづく感じます。
自然に触れるということが、クマとの棲み分けラインより
先の方を覗くという事になるのですね。

北海道ではクマに限らずキツネもウサギもモモンガも、
こっちよりずうっと身近な存在ですよね。
こちらだと棲み分けの動物側が島なのだけど、
そちらでは人間側が島なのかもしれませんね。
自然の懐がでっかいんですね・・・

でも、オオバキスミレはおいらも見に行きたいです(笑)

投稿: ぐりお | 2009年4月16日 (木) 14時45分

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