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ハネが透けた鱗翅目

うう〜っ、鬱陶しいお天気が続いてますね。
続くのは分かっていたんですが、
どうせ降らないのならやっぱりお日様が恋しいものです。

写真位は爽やかに・・・と先週の撮影分をひっくり返していたら、
載せようと思いつつボツっていたカットを発見。
イボタノキの花を訪れたこの黒い虫、何だと思いますか?
これ、ハチでもカゲロウでもありません。実はガです。
翅が透けて青空が見えていますね。
チョウやガでは当たり前の鱗粉が見当たりません。

このガの名前はウメスカシクロバ、マダラガ科の一種です。
漢字で書くと「梅透黒羽」、由来は読んで字の如しです。
あ、最初の「梅」がわかりにくいでしょうか?
これは幼虫がウメの葉を食べることによります。
しかし実際にはウメに限らず、モモ、アンズ、リンゴ、サクラなど、
多くのバラ科樹木につくようです。
写真の個体はメスで、オスは触覚が僅かに櫛状になります。

マダラガ科には他にも翅の透けた種類が多く見られますが、
じつは他の科にも翅が透明のガがいます。
中でも割合よく目にするのがスズメガの仲間、夏場花壇の花にやって来る
オオスカシバは、一見ガに見えず、よくハチと間違えられます。
太めの胴体がカラフルな毛に覆われているので、
「ハチドリが庭に来た」なんて誤解を招くこともある人騒がせなガです。
他にもホウジャクの仲間のスキバホウジャクも、
翅に透明な部分の多いスズメガです。
どちらも羽化直後には鱗粉があるのですが、飛び立つ前の羽ばたきで
「こんなのいらないんだ」と、落としてしまい透明な翅に変身。

その名もズバリ、スカシバガ科というのもあります。
幼虫は木の枝の樹皮直下に潜って材を食べる性質があり、
葡萄でこれをやるブドウスカシバは葡萄農家の嫌われ者です。
こうして並べてみると、翅が透けたガはほぼ昼行性ですね。
鱗粉を持たないことと昼行性は何か関係があるのでしょうか?

一方チョウの方はというと、ガに較べると透明な翅を持つ種類は稀です。
日本にいるものだと、ウスバシロチョウの仲間が
厚手のトレーシングペーパー程度に透けた翅を持っていますが、
あれは鱗粉がないのかどうか・・・その辺は厳密にはわかりません。
ただ、翅を手で摘まんでも
指に鱗粉が付く様なことはなかったと記憶しています。
外国の種類では南米のオオスカシシジミタテハや
ベニスカシジャノメ等が有名です。

そもそも鱗粉の意味って何でしょうか?一般に言われているのは
●撥水効果 ●種・雌雄の識別 ●天敵に襲われた際の防御効果
などですが、それを捨て去った代わりに
一体どのようなメリットを得ているのでしょう?
透けた翅の謎は尽きません・・・

Umesukashikuroba


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コメント

どもでーす。
スズメガっていいですよね~。
私、なんかしらないけど、昔からスズメガって好きでした。
種類は分からないけど、こちらでもたまにですが、
スズメガの幼虫を見つけることがあります。
結構でかい幼虫でびっくりしますよね。(笑)
昨年は緑色の7~8㎝はある巨大なスズメガの幼虫を見つけました。

投稿: こー | 2009年5月31日 (日) 18時05分

こーさんども!私もスズメガは大好きな昆虫。
チョウも併せて鱗翅目全体で見ても、スズメガほど飛行術に特化した
体を持つものは、他にいないと思います。

広い翅の翼面積で揚力を得ているのではなく、
筋肉の機動力とエアロダイナミックスに優れてるので、
鱗翅目屈指のスピードスター。急旋回、急上昇、急降下も得意です。
おまけに種によっては脚で体を支えることなく、
完全に空中静止できるホバリング技術も持っていますね。

止まっている時のシルエットが最新のステルス機によく似ていますが、
実際に、過去にアメリカで戦闘機を開発する際の
エアロダイナミックスのモチーフになったことがあると聞きました。
とにかく、他のチョウやガと全く違っったかっこ良さがありますよねー。
でもって、かわいいんだ顔が(笑)
あ、飛行も顔もちょっと似てるヤツがいるとしたら、
セセリチョウなんかがそう言えなくもないかな〜。

投稿: ぐりお | 2009年5月31日 (日) 22時04分

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