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トンボのからだ

今日も蒸し暑かったですねー。
気温の方は31.5℃ですから例年のこの時期であれば
まあ当たり前の範囲なのですが、湿気がものすご〜い!
空気そのものがベショッとしたこの感じは、
夏というよりまさに梅雨の湿気です。これは暑さ以上に体力を奪いますね。

今日は一日どんよりでしたから写真を撮る気にもならず、
カメラを持ってうろうろしたものの、今ひとつのらない・・・
目の前のナツアカネが逃げないので、これをネタにさせてもらいましょう。

あらためてトンボの体を見ると、いろいろ気付きます。
顔ひとつでもその生活史が反映されていますよ。
まず触角ですが、なんだかおまけ程度の感じで案外ちっぽけです。
理由は二つ考えられますかね。
ひとつは極端に視覚に偏った情報収集なため、文字通りのおまけ。
もうひとつは大きいと速く飛ぶ都合上、流体力学的に差し障るのでしょう。
眼はお馴染みの巨大な複眼ですが、上下で二色に分かれています。
上は対紫外線仕様・・・つまりサングラスです。

昆虫の体は頭部、胸部、腹部の三つに分かれるのが特徴ですが、
トンボの体ではその境目がよくわかります。
翅と六本の脚が出ている部分が胸部ですが、横から見ると家型のように
上の中央が盛り上がった五角形をしています。
面白いのが翅と脚の付き方で、翅は家形の後側の斜辺に付いているため
水平ではなく前から後に斜め下向きの角度で付いています。
これはう言うまでもなく、揚力を得やすい角度になっているのでしょう。
脚をあらためて見ると、六本とも異様なほど前方に寄って出ています。
これでは止まった時に後方の割合が大きすぎる様に見えますが
ここで注目なのが後脚の長さ、脚先の支点をより体から下方に遠ざけて
バランスを取りやすくしています。

つい尻尾と言ってしまう後方に突き出した腹部は
水平を保つ上で負担になりそうですが、
じつはこの部分、ものすごく軽量。見た目程の負担では無さそうです。
風の事を考えたとき、トンボは必ず頭を風上に向けて止まります。
その方がいざ飛び立つ時に瞬時に揚力を得やすいし、
バランスも取りやすい様な構造になっているからです。
でも、必ず風上に向いて止まるとも限りません。
晴れた日には光の影響もあるからです。
これからの時期、晴れて暑いときなどには腹部を太陽に向けて突き立て、
逆立ちする様な止まり方を見せます。
これは暑い太陽に対する投影面積を最小にする・・・という
トンボなりの暑さ対策。
飛行に特化した体構造を巧みに使いこなすライフスタイルは
その飛行同様になかなかスマートですね。

Natsuakane_uo

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コメント

先日部屋にオオ(?)シオカラトンボの雌が迷い込んできました。
本当に久々にゆっくりトンボを見たんですが、トンボの顔って面白いですね。
戦闘機のパイロットの帽子の下からセイウチの鼻下が出てるみたいじゃないですか?
表から見た巨大複眼の構造が上下で違うのも面白いですが、
裏側から見たときのスカスカ具合も面白いですね。
体の構造が実に機能的に出来てるんですね。
日頃の観察に裏打ちされたぐりおさんの解説を読んで、得心しました。

投稿: くわでん | 2009年8月12日 (水) 20時25分

くわでんさんどうも。
相変わらず視点が面白いですねー。

>戦闘機のパイロットの帽子の下からセイウチの鼻下が出てるみたい

(爆!)わかるわかる!私いつも、ウルトラ警備隊のヘルメットを
思い出しちゃうんですよねー。あのモロボシダンがかぶってるヤツ!

>裏側から見たときのスカスカ具合・・・

結局、液晶みたいなもんでしょ。最近話題の「曲がる液晶」。
モニタだと映像素子ですが、複眼では
小さな受像素子が丁寧に面に並んでいるわけですもんね。
実際、昆虫の眼の多くは液体が充填されているんですよね。
だから特に甲虫なんか、標本にしてしまうと中身が乾いた時点で
色とびしちゃう・・・「オレの目の黒いうちは・・・」ってのは
この事だったのかー!!なんてね(笑)

それにしても、トンボの体は実に良く出来ていますよ。
あんなに小さい中によくあれだけのメカニズムを・・・と思う反面
あんなに小さいからこそ出来る重量/パワー比なんですよね。
まったくすごいなあ・・・

投稿: ぐりお | 2009年8月13日 (木) 00時09分

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