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狩るも狩られるも

昨日は狩る側の話題でしたが、今日は狩られる側のお話。
写真のクモはコガタコガネグモといいます。
コガネグモやナガコガネグモにくらべると、個体数は多くない種類ですが、
ここ数年は以前より見る機会が増えて来たような気がします。

今年我が家の庭では3個体を確認していましたが、
現在では写真の1個体のみになってしまいました。
こつ然と消えた2個体は、おそらくベッコウバチに狩られたのだと思います。
その2個体、写真の個体にくらべ一回り大きく、
お腹も丸まるとしていました。

クモは生まれた時の大きさは、同じ卵塊から出た兄弟ならみな同じです。
体格性差が大きな生物ですので、もちろんオスとメスでは話が違いますが、
同性同士で比較した場合、その後の成長における大きさの違いは、
ほぼエサの摂取量に比例します。
ということは、狩られた2個体はこの個体よりも多くの獲物を得ていた、
優良経営者といえます。

網で昆虫を捕らえるタイプのクモでは、
その網を張る立地条件選びが成功の鍵を握ります。
いい場所に網を張ることができれば、多くの昆虫がかかります。
しかし、そんな昆虫の主要動線にあっては、
ベッコウバチにも見つかりやすいのかもしれませんね。
写真の個体は玄関脇のぱっとしない場所にいるのですが、
案の定ここは昆虫があまりとれないようです。

写真をクリックしていただくと、
大きく見えるので分かりやすいと思いますが
この手のクモの目は頭胸部の前端に寄っていて、
体の水平より上の半球は視界が確保できますが、下・・・つまり
網の向こう半球は全くの死角になります。
ベッコウバチは、この鬼門から一直線にクモを奇襲します。

ベッコウバチが狙いを定めるのはクモの脚と腹部の付け根あたり、
神経系が一点に集中するところです。ここを一撃必殺!
いや、殺しはしない、強力麻酔です。
ストライクだった場合、クモの運動機能は瞬時に麻痺し、
8本の脚をばんざいする様に上に振り上げた状態で
すとんと落下し、後はベッコウバチの思うがままです。

まれにハチが刺す前にクモが寸でで気付き、
刺されないまますとんと落下することもあります。
この落下はクモの目くらまし作戦、テレポーテーション的な効果があります。
オニグモのようなかなり高いところに網を張る種類だと
いた場所から落下点が離れているため効を奏する場合もありますが、
ナガコガネグモやコガタコガネグモのように網が低い種類では
落下点が近いのですぐにハチにトレース追撃されてしまいます。

普段昆虫を狩る生活をしているクモですが、
いざ自分が狩られることに対しての防御はあまりにも手薄。
しかしその時はいつ訪れるか全くわかりません。
狩るも狩られるもまさに紙一重ですね。

Kogatakoganegumo

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コメント

オオキトンボ情報ありがとうございました。
おじいちゃんの田舎が栃木なので探してみます。

投稿: | 2009年9月10日 (木) 21時51分

オオキトンボ、見つかるといいですね。
栃木に出掛けたら、翅に褐色の帯が入る深紅の赤とんぼ、
ミヤマアカネのようすもぜひ探ってみて下さい。
このトンボも、今急速に数を減らしている一種です。
お父様にも宜しく!!

投稿: ぐりお | 2009年9月11日 (金) 09時26分

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