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亜熱帯部屋にて

今日の最低最高気温はそれぞれ-0.5℃と10℃でした。
予報では最高気温が14℃とのことでしたけど、
午前中の曇りが影響してか、そこまでは届きませんでした。

午後に温室を覗くと、数匹の蛾が見られました。
「ああ、今頃羽化したんだ・・・」
じつはこの蛾の幼虫は11月に確認済み。温室内のランタナの葉を
見事に穴だらけにして成長していました。
まるまる太ったところでパタリと姿が消えたので、
大方蛹になったのだろうと想像はしていましたが、
冬知らずの亜熱帯部屋で、次々にが始まっていたのです。

この蛾の名前はイチジクキンウワバ。(多分ね・・・笑)
ヤガ科のキンウワバ亜科に属します。
キンウワバ亜科の種類の多くには前翅の中央付近に
金属メッキを施したような紋があり、亜科名の由来になっています。
イチジクキンウワバにはミツモンキンウワバと
ホソバネギンウワバというとてもよく似た近縁種がいるのですが、
この写真から今回の同定に待ったを掛けられる人は、
日本広しと言えどそうはいますまい(笑)
だからイチジクキンウワバってことにしておきます(追笑)

今までこの仲間は
地表や浅い地中で蛹になるのだとばかり思っていたのですが、
この写真を見て分かる通り、葉裏で簡単な繭・・・というか
蛹室をこしらえて、そこで羽化まで過ごすのですね。
ちなみに、発生時期ももっと早くて夏から秋に掛けてが普通です。
もともと熱帯から亜熱帯域を中心に分布している種なので
温室という特別な環境が季節性を取り払ったのかもしれませんね。

もうひとつ面白いと思ったのはこの蛾がここで
「ランタナを食べて育った」ということ。
図鑑等の記載にはランタナおよびそれ以外のクマツヅラ科の植物は
含まれていませんでした。
しかし、蛾には特定の食草を持たない種も多く、
本種もそうした例のひとつと考えられます。

蛾はまだ食草の全容が解明されていない種も多く、
幼虫を見付けて飼育するだけで
意外な発見に出くわす面白さがあります。
自由研究のテーマにいいかも知れませんね。

本種は金色の小紋以外に、赤銅色に見える部分にも鈍い金属光沢があり
まるで手の込んだ蒔絵を施した漆器のような美しさがあります。
このまま温室環境でまた次世代が発生するのか、
注目したいと思います。

Ichijikukin_uwaba

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庭のphotoログ」カテゴリの記事

コメント

先生、こんばんは。いつもありがとうございます。
蛾の幼虫は、蛹になる前に、道路を横断したりしますね。土にもぐる為なんですか?5月頃だと思いますが、焦茶色の丸々と太った蛾が道路を歩いてるところを何度も見かけました(妹は可愛いといいますが…)。スズメガの幼虫は土にもぐる為に歩いてるのでしょうか?先生の温室でも毛虫が歩いてたりしてますか?
三ツ石山でシロシタバの幼虫を見ました。あれ強烈ですね。あんなのが歩いていたら、ちょっと恐怖を感じます。

投稿: かぶと小僧 | 2009年12月28日 (月) 19時25分

かぶと小僧さんこんばんは!
今日は三郷でおそばの食べ納めでした。(あ、でもまだ年越しそばがあった)

毛虫が道路を這い回るのは蛹になる場所に移動する際が多いですが、
食草が乏しくなったときや、農薬を感じて回避している時などがあります。
春の茶色や黒のもこもこ毛虫は、大抵ヒトリガの仲間で、
これは蛹になるための移動のようです。
スズメガの幼虫は潜るのもいますが、地表でごろっと蛹になる事や
物陰で潜らずに蛹になるなどのケースも多いです。

シロシタバの幼虫を見たのですね。サイドのビロビロが特徴的ですよね。
あの蛾は成虫も立派ですよー。展翅すると独特の品格があります。
ほかのシタバ類も同様ですけどね。
私はカレハガの仲間の幼虫がどうも苦手です(笑)

投稿: ぐりお | 2009年12月29日 (火) 00時10分

先生、こんばんは。いつもありがとうございます。
シロシタバは大型の蛾ですよね。あのでっかい胴体に耳があるんですね。いつか図鑑で見ました。
先生にも苦手な虫がいて良かったです!僕は蛾の幼虫が群れているところが一番苦手です。

牛久の小松先生は「まぁ可愛い毛虫」なんて言います。イヤイヤ毛虫とか…。ついて行けません。

投稿: かぶと小僧 | 2009年12月29日 (火) 21時40分

かぶと小僧さんこんばんは。
あれ、小松さんともお知り合いだったのですねえ!
小松さんは私の母ととても仲良しで、今年父が入院したり、
亡くなったりといろいろあった時も
随分手助けをしてくだっさった方です。
展翅がお上手なのですよねー。
そんな訳で、小松さんは蛾は得意中の得意だと思いますよ(笑)

投稿: ぐりお | 2009年12月29日 (火) 23時22分

小松先生とは小学校3年生の時に雪入山で初めて会って、ずっと色々教えて頂いてます。青年の家の自然観察や牛久自然観察の森の鳥観察、水戸のテラロッサの観察会でもお世話になっています。7月18日にヒヌマイトトンボを観察した時も一緒でした。雪入山でビロードハマキを採集したのは小松先生でした。廣瀬先生が標本を持ち帰って、むしの会に報告を書きました。
小松先生大好きです。

投稿: かぶと小僧 | 2009年12月30日 (水) 00時06分

また失礼します。
先生は小松先生と親しいお知り合いとか。以前から、同じ牛久市のことなので「もしや…」とも思っていたのですが、確認しそびれておりました。思いがけず蛾の記事への倅のコメントから知ることができました。
もう4年前になりますが、廣瀬先生の雪入山昆虫観察会で知り合いました。小松先生は3班に分けられたうちの1つのグループで講師をされていて、娘が小松先生のグループに編成されました。ありがたいことにその後もずっと交誼を継続させて頂いております。
青年の家、自然観察の森、御前山、涸沼自然公園…今年の10月には、小松先生の「キノコ観察会」に参加させて頂く予定でしたが、家族の体調不良で泣く泣くキャンセルとなってしまいました。来年もまたご一緒させて頂くことを楽しみにしております。
小松先生は、知的で上品でお綺麗でお洒落で、その上に優しくて親切で丁寧で、子供たちも私も大好きな先生です。
7月にヒヌマイトトンボを観察させて頂いた折に、小松先生と一緒に牛久の榎本先生と仰るカゲロウを研究されている方も見えておりましたが、ぐりお先生もご存知の方なのでしょうか?
錚々たる先生方にお教え頂いて、うちの子供たちは幸せです。

投稿: かぶと親父 | 2009年12月30日 (水) 15時21分

>かぶと小僧さん
小松さんの事は存じ上げておりますが、
そんなに多方面でご活躍とは・・・私なんかよりずっと
行動力がありますね。
それにしても、それを知っているかぶと小僧さんの行動力にも
毎度ながらビックリです(笑)

>かぶと親父さん
榎本さんとも仲良くさせていただいております。
世の中狭いですよねー(笑)
小松さんは今の我が家から比較的ご近所で、
榎本さんは以前住んでいた団地でご近所でした。
お二人とも元々の活動ベースは「牛久自然観察の森」の
レンジャーさんでした。
牛久ってところは、結構ネイチャー系の人材が
豊富な土地柄かもしれませんねー。

投稿: ぐりお | 2009年12月31日 (木) 00時32分

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