« 野蒜の味 | トップページ | 越冬蝶 -ルリタテハ- »

二年振りの自生地

今日はお天気が当初の予報より保ちそうなので、
ブログリンクの自然観察仲間のmushizuki氏と
茨城県南某所にあるマキノスミレの自生地を訪ねました。
私がここを訪れるのは一昨年の同時期以来の二年振りです。
今シーズン既にここを確認しているmushizuki氏から、
個体数が激減していると聞いていたので、状態がとても心配でした。

マキノスミレの学名はビオラ・ビオラセア・バール・マキノイ。
(=Viola violacea var. makinoi)
同じ名をもつビオラ・ビオラセア(=Viola violacea)は
西日本に分布するシハイスミレのことで、
これが東日本・北日本ではマキノスミレに置き換わります。
茨城県内にも局所的に自生が見られますが、
県南で見られるのはこの一帯だけではないかと思われ、
中でも今日出掛けた場所は特に個体密度が高い自生地です。

さてさてどんな案配かと道ばたののり面を注意深く覗きながら進むと、
なるほど、以前訪ねた時の様子と比べると
まず開花している株が圧倒的に少ない・・・
連続的に見られたのり面でも、やや局所化しているように見えます。
それでもよく見ると、芽生えたばかりの双葉や実生1〜2年生と思われる株は
それなりの数が見つかりました。

このスミレの実生発芽率は悪くない方ですから、
おそらく双葉は去年できた種子からの芽生えでしょう。
その周りに昨年、一昨年の発芽株もあるのに、去年花を咲かせ、
種子をこぼしたはずの開花サイズの株がほとんど見当たりません。
疑うのはあまり気分の良い事ではありませんが、
こういう無くなり方は採集で消える時に典型的な減り方です。

また、花を付けた株がまとまって残っていたところも一カ所ありましたが、
ここではつい先頃地面ギリギリで草刈りが行われたらしく、
葉の殆どをスパッと真横に切り取られた株が目立ちました。
ここではもうひとつ問題があって、
この春はここまで雨が非常に多かったのですが、草刈りで丸裸になった
のり面の表土が雨で洗い流され、
地下茎や根がむき出しになってしまった株も見られました。
草刈りもタイミング次第では、
マキノスミレに大きなダメージを与えることになるようです。

写真は芽出しがちょいと遅れたため、危うく草刈りの難を逃れて
無事開花に至ったマキノスミレです。
特徴的な高く掲げた細長い葉も立派に伸ばす事が出来ました。
そばのアズマネザサの切り口をみると、かなりスレスレのところで
草刈り機の刃が及ばなかった事が伺えます。ホント良かったねー。
頑張って充実した種子を、たくさん散布して欲しいと思います。

Makinosumire100419

|

« 野蒜の味 | トップページ | 越冬蝶 -ルリタテハ- »

フィールドノート」カテゴリの記事

コメント

 こんにちは。
 盗掘のような犯罪行為は言うに及ばずですが、
『きれいにする』影響も看過できないですよね。
電動草刈機とブロアーの使用はやめて欲しいと常々思っています。
道路縁部どころか、わけいって行ける範囲は根こそぎって感じです。
落葉という緩衝材を失ってむき出しになった地表の泥が雨で
どんどん川に流れ出していました。
デムは激減、イチヤクソウやギンリョウソウも見られなくなりました。
里山環境って、昔のように人力の及ぶ範囲で手を入れてこそ
保たれるんじゃないでしょうか。
悲憤慷慨、地団太踏んでるくわでんでした(;;)

投稿: くわでん | 2010年4月20日 (火) 18時34分

くわでんさんどーもです!
『きれいにする』価値観もまた多様ですよね。
とにかくまっさらじゃないと気が済まない人もいますしねー(笑)
山も海も川も人間が勝手に作った法制度の下に所有権を主張し合っていますが
もともと人間のモノって訳じゃないんですから、
多様な生き物と分かち合えるように考慮するのが
結局のところ人間にとってもベストなんですけどね・・・

従来の里山っていうのはその辺の折り合いが
非常に上手くついていたのでしょうね。

究極の経済的合理性みたいな管理ではとてもとても・・・
持続性も生物多様性もあったもんじゃないですね〜。
もうちょっと長いスパンで物事を考えられたらいいのに・・・

投稿: ぐりお | 2010年4月20日 (火) 22時02分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/487746/34303416

この記事へのトラックバック一覧です: 二年振りの自生地:

« 野蒜の味 | トップページ | 越冬蝶 -ルリタテハ- »