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稚魚、新天池へ!

今日もほとんど雨降り無しの曇り時々晴れ。
夜に入ってから時々ぽつぽつっと来ていますが、
本格的な降りは期待できそうにありません。
暑かったですね〜!気温は最低/最高ともぞろ目の22℃/33℃でした。

今日は午前中に、㈳霞ケ浦市民協会のH理事が来宅。
H理事は同協会の在来魚復活プロジェクト
「霞ケ浦のゼニタナゴ里帰り計画」の担当理事であり、
プロジェクトリーダーです。

今日の目的はさくら上池で殖えたゼニタナゴの稚魚を
稲敷郡内のとあるため池に移して新たな環境での繁殖を試みるため、
第一弾の種苗である今年浮上した稚魚の一部を新天地に移動すること。
移動先の池は魚類学会の定めた指針による事前モニタリングが
既に終了しているとの事で、新天地での繁殖に期待が膨らみます。

さくら上池から搬出する稚魚は20匹という目安でしたが、
実際に稚魚の群れをすくい取ったところ29匹が確保されたので
少々半端な数字ですがこれを新天地(新天池?)に送り込みます。
H理事が車の荷室に稚魚の入ったエアレーションバッグを
大事そうに積み込み、いざ出発。
ぐりおは今日は仕事が目一杯なため、移動放流はH理事におまかせして
稚魚の順調な生育と今後の繁殖を祈りつつ、見送りました。

魚の遺伝子の多様性についてはまだ研究中で未解明の部分が多いのですが、
元々霞ケ浦で捕獲された種苗を琵琶湖博物館で長年に渡り
累代繁殖し続けたので、遺伝的多様性の低下、つまり近交弱性が
懸念されていた訳ですが、元の種苗の個体数が多かったため
自然負荷が掛かり、一定の環境の多様性がある池環境に戻す事で
遺伝的多様性がある程度復元されるかもしれません。

外見だけの話ですが、さくら上池で生まれた稚魚を見る限りにおいては
事前の飼育報告の中で見られたという体型の不良や異常は
ほとんど出現が確認できませんでした。みんなとても元気で型のいい魚です。
もし、殖えた稚魚たちに僅かでも遺伝的多様性の復元があるのなら、
それをさらに別の新天地で繁殖させる事の意義はじつに大きいと思います。

今回ピックアップした稚魚は割合生育の早いもので、
既に20ミリに達しているものも多く含まれているようです。
上手く行けばこの秋に繁殖する可能性もありますので
そうなれば来春には少ないながらも稚魚の浮上もあるかも知れません。
期待してみたいと思います!

Zeni_chigyo100703

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栽培と飼育」カテゴリの記事

コメント

ぐりおさんと同じように、稚魚の育成を引き受ける人が何人もいらっしゃるわけですね? こういうケースだと、どのくらいの数の稚魚を指定池に放流するのでしょうか。

投稿: 雷蔵 | 2010年7月 4日 (日) 10時49分

雷蔵さんこんばんは!
じつはですね、育成を引き受けた方や施設は他にもあるのですが、
実際殖す事が出来たのは今のところうちの池だけなんです。
他のブリーディング環境はみな水槽で、色々と上手く行かなかったようです。
だったらうちのように野外の池でやればいいだろうという話ですが、
そういう池がなかなか見つからなくて・・・池には次の条件が必須です。

■水質が一定のレベル以下にならないこと(例:COD値で6mg/l程度)
■ブラックバス、ブルーギル等の侵略的外来生物がいないこと
■底部に多量の汚泥がたまった低酸素環境でなく、産卵する二枚貝が住めること
■繁殖池に使用する事で所有者、利用者の不利益が一切生じないこと

最低この4点ですが、これをクリアする池が見つからないんです。
特に二番目と三番目が厳しいんですよね〜・・・
琵琶湖博物館から分譲を受けた個体数は50匹。そのうち私が
12匹を預かりました。現在4代目が誕生したところで、
総個体数は推定90匹+αといったところです。
望ましい種苗数は池の規模にもよりますが、100から200は欲しいところです。
もともと貰えたのが50ですから、あとの数はうちで頑張るしかないのが現状です。
今さら言ってもせんなき事ですが、もし春先に盗られた貝があればなー・・・

投稿: ぐりお | 2010年7月 4日 (日) 23時57分

なるほど条件付けが厳しいですね。
それこそビオトープのように、ある程度の人的管理をしている環境の池でないと・・・なかなか見つからないですねえそういうところ。
霞ヶ浦環境科学センターは、この計画にはタッチしていないんですか。
ぱっと思いつく、条件を満たしそうな水環境を持っている数少ない場所と思いましたが、僕が思いつくような処は誰でも最初に思いつくな・・・

投稿: 雷蔵 | 2010年7月 5日 (月) 00時31分

そうなんすよ雷蔵さん。
逆の言い方をすると、在来の小型の魚たちが生きて行ける環境が
これほどまでにことごとく失われているという事です。
だからいなくなってしまったということなんですよね。
こんな小さな島国の陸水系を、わずか20〜30年で壊滅的にしてしまった
外来魚と、それを持ち込んだ人間のしでかした事は大きいです。

じつは環境科学センターの野外には、ゼニタナゴに対応した環境はないのですよ。
批判的な書き方になってしまいますが、驚くべき事に設計段階から、
あそこの施設要素にビオトープは存在しませんでした。
施設の性質や目的を考えたら、全く信じられないことです!!
造園的な滝や流れまであるのに、それらは全く周囲の自然を無視した
庭園設計の思想で考えられたものです。

工事段階で外部有識者からツッコミが入り、慌てて設計変更を試みたものの
そもそも滝を回すポンプの経費と動作不良が問題となり、
ポンプを止めてしまったので頓挫しました!(笑)
今では滝上の池に多少水生植物をふやしていますが、ビオトープにはなっていません。
また、ボランティアの施設サポーターが作った手作りビオトープがありますが、
水域規模が小さくタナゴや二枚貝が住める設計にはなっておらず
どちらかというと水生植物の見本園を兼ねたメダカの流れといったところです。

投稿: ぐりお | 2010年7月 6日 (火) 00時27分

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