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命の小分け保存

このブログではたいてい記事の一番下に写真を貼付けていますが、
やはり今回もそうしています。
でも、今回の写真はちょっとなんちゅうか・・・
キショいですので、覚悟の上でご覧下さいませ(笑)

これは庭のミズナラの若い幹を撮ったものですが、
いっぱいくっ付いてるでしょ。黒いヤツが・・・
クリオオアブラムシというアブラムシの一種です。
アブラムシですからセミやカメムシに割合近い昆虫で、
一般にアリマキと呼ばれている通り、
本種も春から秋までの活動期にはアリと共生関係を営んでいます。

種名のクリ・・・はクリをはじめとするブナ科の樹木に寄生するからで
現在我が家の庭ではコナラとミズナラでみられます。
種名のオオ・・・ですが、本種のメス成虫は体長4ミリ前後。
これ、アブラムシとしてはかなり大きい方なんです。

クリオオアブラムシは春に卵から孵化すると、
バンバン個体数を増やします。生まれるのは全てメスで、
お尻の先から自分のクローンを次々に産み出すのです。
いわゆる単為生殖というヤツですね。
これはアブラムシの仲間に広く見られる現象で、
天敵の多いアブラムシとしてはとりあえず数を増やして
自分を生き残らせる確率をできるだけ高くしているのだと思われます。
生き残って成虫になったメスは、秋になると初めてオスを生みます。
ここで初めて有性生殖が行われ、卵をお腹いっぱいに詰め込んだメスは
晩秋から初冬に掛けて幹や太い枝に集合し、集団で産卵します。

写真はその集団産卵の様子を撮影したものです。
つや消しブラックの大きい方が成虫のメスで
てかてかした小さいのが産みつけられた卵です。
どうやら卵をなるべくぎっしりと固めて産みつけたいらしく、
産卵が終わったメス(黄色い○)が集団の外側に出ると
まだ産卵していないメス(赤い○)は、
より中心の卵の無い隙間を選んで産卵するようです。
産卵が終わったメス(黄色い○)はお腹がボフボフになっていますが
産卵していないメス(赤い○)のお腹は、パンパンに見えますね。

産卵が終わると、メスたちはこのまま絶命します。
はじめは多くのメスの亡骸が卵塊を見守る様に
くっ付いたままになっていますが、
春までの間に風に飛ばされたり雨に流されたりして
大部分が無くなってしまいます。
残っているものも砂粒が当たるのか凍結で割れる分かりませんが、
お腹の部分に穴があいたり割れたりします。そういう破損箇所を
よく見ると中がからっぽなんですよ。亡骸というよりまるで脱け殻。
毎年この姿を見ると、本当は死んでしまったのではなく、
自分の命を小分けにして、
体から外に移しているだけのように思えてなりません。
でも、この移し身は唯一の有性生殖の結果なのですから
世代交代には違いないのですよね・・・不思議な生き物です。

Kuriooaburamushi


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