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生ける当たりくじ

Tsuchihanmyou1204

春本番の時期にあっては寒くてドンヨリな一日でしたが、
当ブログにもやっと昆虫登場です。
お昼に近所の雑木林に出掛けたら、
写真の昆虫、ツチハンミョウが見られました。
この手の昆虫にはあんまり明るくないのですが、前胸部が横長なので
おそらくマルクビツチハンミョウでいいのだと思います。
お腹を見れば一目瞭然ですがこれはメス。
中には数千の卵が入っています。

ツチハンミョウ類はかのファーブル昆虫記にも登場するので
虫に興味がある方なら多少馴染みがあるかもしれません。
甲虫ですから基本的には完全変態なのですが、
幼虫の形態が途中で変化したり蛹(疑蛹)から幼虫に戻り、
また蛹になるなど変則的な「過変態(かへんたい)」呼ばれる
風変わりな行程で成長します。

この過変態の裏側にはツチハンミョウ独自の生態が関係しているのですが、
これがまた何かと大変な生態で・・・(笑)

●まず生まれたら花によじ上って身を潜め、ハナバチが来るのを待つ
●ハナバチが来たらすかさず体に跳び移ってしがみつく
●跳びついたハナバチがメスなら○。雄ならハチの交尾時にメスに乗り換え
●ハナバチのメスが巣にためた蜜のそばに産卵した時、すかさず卵に跳び移る
●ハチの卵を食べたら次は蜜を食べるため違う形態の幼虫に変態

・・・とまあすごろくみたいな人生であります(笑)
ここまでくれば半分位成功なんですが、
ここまでの各行程の難しい事ときたらそりゃもう大変なもので、
最初に花に来たハナバチに跳び移るのだって大変ですけど、
そもそも待っている間にその花にハナバチが上手く来てくれるかどうか・・・
努力も必要ですが相当な運も味方につけないと先へ進む事が出来ませんね。

だからメスのお腹が写真のような臨月状態な訳です。
数千個の卵というのは、アリやハチ、シロアリ等の社会性昆虫を除けば
かなり例外的な数の多さと言えます。逆に、写真の成虫は
この超キビシい行程をクリアできた「生ける当たりくじ」ということ。
だからこの虫を見たらくじの買い時なのかも(笑)
あ、でも今日のこの林では、
けっこうあちこちでツチハンミョウが歩いてました。
あれ?これって・・・むむ、例の6億円くじを買うべきってことか!?(爆)

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フィールドノート」カテゴリの記事

コメント

こんばんは^^ツチハンミョウの話興味深く拝読しました。♪
今度、ツチハンミョウに出会ったら、宝くじ買います。(笑)
おやすみなさい・・・宝くじ当たった夢を見よう。(^^♪

投稿: KEN | 2012年4月21日 (土) 22時57分

KENさんこんばんは!
そちらの桜、見事でしたね。
ことしはちゃんと見ることができなかったので、
じつはKENさんのサイトで堪能したんです。
小学校のフェンス沿いの歌う様な桜並木が気に入りました。

ツチハンミョウ、面白い虫でしょう。
きっと出会えますように(笑)そして、
KENさんに良い夢が訪れますように・・・おやすみなさい。

投稿: ぐりお | 2012年4月22日 (日) 01時44分

先生、おはようございます。
いつもありがとうございます。
僕も以前、ファーブル昆虫記でツチハンミョウの過変態を読みました。実際に見たことがないので見てみたいです。卵が多いと言うことは、生き残ることがそれだけ難しいんでしょうね。
先生、これは肉食ですかね?毒持ってますよね?ならばダニの可能性もありますか?採集してみたいです。
また剣道部生活が始まりました。

投稿: かぶと小僧 | 2012年4月22日 (日) 08時42分

かぶと小僧さんこんばんは!
ツチハンミョウを観察するならなんと言ってもこの時期です。
良好な自然が残る雑木林や山麓を散策するとしばしば出会えるのですが、
「必ずここにいる」という虫ではないので
気負わずに「会えたらいいな」程度で探してみるのがおすすめです。
でも、この記事の時には10個体近く見ました。
初めての経験でした。

ツチハンミョウ類の成虫は基本的に植物食のようですが、
タマムシや一部のカミキリなどと同様、繁殖だけが目的なので
あまり積極的に食べない様です。
それから、体節の各所から分泌される毒液の「カンタリジン」は
皮膚につくと水疱ができてしまうので、素手で触る事はお勧めしません。
ダニは見た事がないですね。あまりつくような感じがしませんが
いるのかなあ・・・?

投稿: ぐりお | 2012年4月22日 (日) 23時18分

先生、こんばんは。いつもありがとうございます。
ハンミョウと言う名前から肉食かと思いました。勘違いか(涙)。
しかし先生は凄すぎますよ。毒の成分まで知ってるんですね。こんなマイナー昆虫の1種類のことをここまで詳しく知ってるなんて、尊敬以外の他に言葉が見つかりません。僕には絶対に無理です。とにかく凄すぎます!今度探して、注意して観察してみます。

投稿: かぶと小僧 | 2012年4月23日 (月) 19時57分

かぶと小僧さんこんばんは!
私、子どもの頃に本で読んでからというもの
頭に深く刻まれた自然界の3大毒物・・・というのがあって、
魚ならフグ(テトロドトキシン)
花ならトリカブト(アコニチン)そして昆虫では
なんといってもツチハンミョウ(カンタリジン)だったんです。
どれも僅かな量にして人の致死量ということで、
ぜんぜん身近でもないのにヘンに恐れていました(笑)

カンタリジンについては、お父様に聞いてみると
もしかしたらご存知かもしれませんが、もう20年以上前に
中国で開発された発毛剤で101(いちまるいち)というのがあって、
この主要な成分としてカンタリジンが使われていました。
101はとにかく効くということで、当時日本にも輸入されていましたが
1本一万円以上していたと記憶しています。
毒物の多くは量が適正であれば大抵素晴らしい薬物として利用できるものが多いのですが
カンタリジンで発毛とは、さすが中国、恐るべし!ですね(笑)

投稿: ぐりお | 2012年4月24日 (火) 23時22分

先生、こんばんは。いつもありがとうございます。
フグとトリカブトは有名かもしれませんが、ツチハンミョウは一般的にはほとんど知られていないですよね。しかも成分までも・・・。改めて凄いなあと思います。
うちの親も薄いので、ツチハンミョウを採集して毒液を塗ると言ってました(笑)。
先週、採集して送ったハサミムシからヒゲダ二の若虫が4~5匹出たそうで、飼育に入ったそうです(成虫になったら♂♀で標本化)。でもすでに記録済みのダニだったそうです。ヒゲダ二は飼育が簡単で助かると言ってました。

投稿: かぶと小僧 | 2012年4月26日 (木) 21時17分

かぶと小僧さんこんばんは!
ダニの世界も面白そうですね。
研究者も少ないし、まだまだ未開拓な分野ではないでしょうか?
ツチハンミョウもハナバチへの寄生生活ですが、
そのツチハンミョウにつくダニがいたら、これはすごいなと思います。

>うちの親も薄いので、
>ツチハンミョウを採集して毒液を塗ると言ってました(笑)

(爆!!)そうですか。それは非常に意義深い実証実験だと思います。
じつは私もかな〜りヤバいので、
良好な結果が出ましたら是非教えて下さい(追爆)

投稿: ぐりお | 2012年4月26日 (木) 22時50分

先生、こんにちは。いつもありがとうございます。
ダニの先生は今年60歳になるそうです。でもとても若くてハンサムでかっこいいんです。その先生が言うには、ダニを研究する仲間の先生は、数少なくて全員高齢だそうです。
うちの親はヘルメットハゲだそうです(擦れて)。昔のヘルメットは吊り天井と言って、仲間全員がみんなてっぺんがハゲてしまったそうです。でもうちの親だけツチハンミョウのおかげで来年には復活するかもしれません(笑)。

投稿: かぶと小僧 | 2012年4月28日 (土) 17時49分

かぶと小僧さん、私もヘルメットが原因のひとつかなあと
思っていた時期があったのですが、私の場合はその後すぐには進行せず
ここへきて一気に加速しているので(笑)いわゆる壮年性脱毛・・・
ごく一般的なハゲですね。
かぶと小僧さんのお父さんに好結果が出ても
自分に同様の効果が現れるかは微妙になってきました(笑)

投稿: ぐりお | 2012年4月29日 (日) 00時26分

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