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地上26センチの生活者

Oohimegumo_kousetsu

 

モの話です。

嫌いな方には冒頭からちょっと絵的にキツいでしょうかね(笑)

このクモ、オオヒメグモといいます。

名前はそれほど知られていませんが、とにかく見かけるクモなので、

皆さんもこの姿には見覚えがあるのではないでしょうか。

上の写真は繁殖期初期のペア。

まだ交接には至っていませんが、メスがオスの接近を受け入れているようで

なんだかいい雰囲気ですね(笑)

あ、ちなみに体色が黒っぽい左のがメス、赤っぽい右のがオス。

オスの方が華奢に見えるのは、クモではお馴染みのパターンですね。

オオヒメグモは自然の環境では

木のうろや大きな石が複数ある場所の隙間等にその姿を見かけますが、

どちらかというと人工的な環境の方が沢山の個体がいます。

代表的なところでは縁の下、住宅基礎の通風口付近、物置の床下の隙間など

なんとも辛気くさい場所に巣を構えています。

こうした場所は雰囲気的にはジメッとした場所に思えますが、

空気が湿っぽくても物や地面はそれほど湿り気が多くない環境ですので、

このクモ、案外さらさらした乾燥した環境が好きなのかも知れません。

共通しているのは雨が当たる様な場所にはいないということでしょうか。

巣も自分も濡れるのを嫌うクモですね。

コーナーっぽい3方が壁になった場所に不規則に糸を張った巣を作るので、

結果的にそういう場所が選ばれるのかもしれません。

ポジション的にも大人の膝より低い位置にいることが多い様な気がして、

実際どんなもんかと家の周りを調べてみたところ、

敷地内で27個体が見つかり、

その平均的なポジションレベルは地上26.2センチでした。低いですね。

こんな位置で昆虫が網に掛かるのか心配ですが、

大丈夫、それなりに喰えてるみたいです・・・というか、

痩せている個体などまず見かけないので、むしろ

この低いポジションどりは良い捕食戦略なのかもしれません。

網に掛かった獲物をみてみると、ダンゴムシ、ワラジムシ、アリ、ヤスデ、

小型のゴミムシなど徘徊生の生物がほとんどで、

飛行していて掛かったと思われる獲物は小さなガを1匹見ただけでした。

しかし歩く連中がごく低いながらも上方の空中の網に掛かるものでしょうか。

この点はちょっと不思議に感じるのですが、

もしかしたら彼等は壁を登った際等に

うっかり落下するケースが少なくないのかもしれません。

そんなうっかり者を気が利いた位置でふわりと受け止めるのが

オオヒメグモの巣?・・・・とんだセーフティネットですね(笑)

地面に落ちて痛い方がなんぼ良かったかわかりません。

下の写真はまだ幼体のオオヒメグモ。アリを捕食中です。

クモは体外消化の生物なので、麻酔を兼ねた消化液を獲物の体内に送り込み、

消化した獲物の組織を再び吸い取ります。

写真ではこもが口をつけているのは1本の脚の関節ですが

こんなローカルな部位でも吸収できるのですね。

アリはもう全く動いていませんでした。

ところでこのクモの、比較的小さな頭胸部に対し

バルーンのような大きな丸い腹部のプロポーション・・・

どこかで見覚えがありませんか?

じつはオオヒメグモの属するヒメグモ科には、あのセアカゴケグモがいます。

オオヒメグモとセアカゴケグモ、

色や模様は違いますが、形はとてもよく似ています。

おかげでこのクモを見つけた人から保健所などに

「毒蜘蛛ではないか?」という問い合わせがたまになるとか・・・

大丈夫ですよ。オオヒメグモには人に有害な強毒はありません。

咬まれて消化液が入ったら、そりゃちょっとは痛いかもしれませんけどね。

 

Oohimegumo_youtai

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