« 可視化された北風 | トップページ | 枯れ色に紅一点 »

真冬でも増殖中

Minanuma15011

 

昨年から室内の90センチ水槽で池のゼニタナゴの一部を

観察用に飼育しているのですが、

この水槽には、コケの掃除屋さんとして

淡水エビの一種ミナミヌマエビを一緒に入れてあります。

このエビ、とっても繁殖力が強くて、いつの間にか数が増えているのですが、

室内の水槽で飼育すると、真冬のこの時期でも繁殖するようです。

上の写真は抱卵中のメス。

卵は体節が連なる腹部の下面にある遊泳肢にくっ付けています。

抱卵期は腹節のサイドが、

カウルのように遊泳肢を覆うので卵そのものはよく見えませんね。

でも、たくさんの卵を抱えています。

たくさん・・・といっても海産のエビに較べれば数はずっと少ないんです。

その代わり卵の一粒が海産のエビの卵より大きくて、

生まれた子供はエビの姿をしています。

海産の種類だと、卵から孵った時はゾエアというプランクトンで、

変態を繰り返してエビの姿になりますが、そこに辿り着くまでに殆どの

個体が捕食されてしまい、稚エビになれるのは極僅かです。

河川や湖沼で暮らすミナミヌマエビは、たとえ卵の数が少なくても

確実に稚エビで生まれる方が戦略的に有利なのでしょうね。

山地の渓流や里山の小川に棲むサワガニも、同様の戦略をとっています。

ところで、このミナミヌマエビには色々な体色の個体が存在します。

黒っぽいもの、茶色っぽいもの、緑褐色、ほぼ透明などなど・・・

それぞれが別の遺伝系統という訳では無いようで、

同じ兄弟からもいろんな体色が登場します。

ただ、よく見てみると、メスの方が体色が濃い個体が多く、

透明っぽいメスというのはほぼ現れない様です。

しかも、メスは抱卵すると一層体色が濃くなる傾向にあり、

黒に近い焦げ茶色や、青味が加わって藍色っぽいものも現れます。

上の写真のメスはもともとの色は薄い緑褐色でしたが、

ご覧の通りだいぶ青味がかっています。

下の写真の個体も背面が藍色っぽくなっていますね。

ちなみに一緒に写っている貝はやはりコケ掃除役の

ヒタチチリメンカワニナの幼貝です。

我が家のミナミヌマエビはルーツを辿ると

このブログにもたまに来て下さるらくだむしさんからいただいた個体。

らくだむしさんは、確か西宮市の博物館の学芸員の方にいただいたと

仰っていました。兵庫県の個体なんですね。

しかしアクアリウム用にミナミヌマエビは広く流通しているため、

各地で逸出個体が野外で記録されていて、

茨城県でも複数の場所で確認されています。

(あ、絶対うちのじゃないですからね:笑)

よそから持って来た生物を飼育する時は、

ちゃーんと責任もって飼育管理しないと・・・ですよね!

 

Minanuma15012

|

« 可視化された北風 | トップページ | 枯れ色に紅一点 »

栽培と飼育」カテゴリの記事

コメント

 あっ!こんなところに西宮貝類館(?)つながり!?
もっとも、西宮市には『博物館』は他にもたくさんありますよね。
  ミナミヌマエビのきらりーんっ!とした目が
安易な飼育放棄への戒めを訴えてるように見えたくわでん。
 ちなみに、くわでんの在住地の川では、なぜかドングリカノコ(イナヅマ模様)と思しき一群が爆産、それ以前にいたイシマキガイが姿を消してしまったという現象が、かれこれ4,5年前にありました。
・・・あれからどうなってるかな~・・・って、全然追跡調査してないくわでんでしたA^^;)

投稿: くわでん | 2015年1月10日 (土) 22時24分

くわでんさんこんばんわです。
確か「貝類館」の方ではなかったですね。
今度らくだむしさんにあった時に確認してみよう・・・
ただ、貝類館の某先生とも間接的に仕事でかかわり中(タケシンさんがらみ)。
いずれ形になるのが楽しみです。
カノコ貝や石巻の名前が出るあたり、
やはりそちらは海のおそばなんだな〜って感じがしますね。
ハゼ類や甲殻類なんかも面白そうですね。

投稿: ぐりお | 2015年1月13日 (火) 00時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/487746/58530756

この記事へのトラックバック一覧です: 真冬でも増殖中:

« 可視化された北風 | トップページ | 枯れ色に紅一点 »