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人生いつしか向かい風

Uranamishijimi01

 

枯れ葉色ばかりが目立つ初冬の草はらですが、

セイタカアワダチソウやコセンダングサが僅かに咲き残っています。

そんな寂しい景色の中に、鮮やかな青紫を見つけました。

ウラナミシジミです。

名前の由来となった波模様の裏面の画像も、下に貼り付けておきました。

ウラナミシジミは寒さが苦手な南方系のチョウで、

関東圏では房総半島や三浦半島の南端部でないと越冬する事が出来ず、

冬の寒さでもれなく死に絶えてしまいます。

それでも翌秋になるとまた関東でも東北でも、北海道でさえ見られます。

それはこのチョウが世代交代をしながら、北上を繰り返しているからです。

夏までは南からの追い風で順風満帆の人生なんですが、

秋になるといつしか向かい風に変わっているという、

何ともしんどいストーリー・・・

そんなこのチョウの生態を考える時、

いつも頭に浮かぶのが、毎年南の海から北上し、

やはり関東沿岸あたりで冬を迎えて死んでしまう鮮やかな熱帯魚たち、

いわゆる「死滅回遊魚」です。

生き様としてはウラナミシジミとよく似ていますよね。

昆虫ではウスバキトンボも同様の生態を持っています。

これらの種はみな冬を前に南へ移動する旅蝶アサギマダラとは違い、

完全な片道旅券型です。

毎年無駄な事を繰り返しているようですが、

近年は少々事情が違って来ている様です。

温暖化なのでしょうね。彼等の生き残れる終着点が少しずつ北上の傾向。

私の住んでいる北関東で、ウラナミシジミが冬を越す日が

そう遠くない将来、やって来るのかも・・・

 

Uranamishijimi02

 

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コメント

 こんばんは。
師走の声を聴き、慌ただしくなって参りましたね。
でも、年々『師走の慌ただしさ』が前倒しになって、11月にはもうアップアップ状態なのは・・・年のせいでしょうかA^^;)

 ところで質問なのですが、今回の『片道切符』の生き物たち、どうしてそういう戦略をとることにしたんでしょうか。
もともと発生した地域に留まれば良いものを・・・と思いますが、長い長い時間をかけて新天地を求め、生息域を広げていこうというチャレンジ精神が遺伝子に刷り込まれてるんでしょうか。
それともただただ風や海流にいざなわれて、毎年同じことを繰り返してるんでしょうか。
とっても不思議です。
 ちょっとレミングの大行進を思い出したり、人間も似たようなもの、と思ったりしたくわでんでした。

投稿: くわでん | 2015年12月 4日 (金) 21時14分

くわでんさんこんばんは。
コメの返信が遅くなりすみません。留守ばっかしてました(笑;)
ところで、仰る通り、不思議な繰り返しですよね。
ただ、私は横並びで書いてしまいましたが、海流の影響が大きい
死滅回遊魚と昆虫たちとではちょっと違うのかなあ・・・
でも、条件が許す限り広がる方向にチャレンジするのは
基本的に多くの生物に共通している性質でしょう。
くわでんさんが書いた「遺伝子に刷り込まれている」のですね。きっと。
生息密度が高まると種内競争を避けるように分散した結果・・・
ということもあるかもしれませんね。

一方人間は、野生生物では考えられないような密集を「効率的」と捉える面も
持ち合わせているところに、すごく特異で不自然なものを感じるぐりおでした。

投稿: ぐりお | 2015年12月 9日 (水) 19時59分

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