フィールドノート

リクウズムシ再び

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昨年の9月6日に一度、

温室内でワラジムシを補食したリクウズムシについて書きましたが、

ヤツが再び現れました。

温室の床面に生えた苔の上(正確にはコケの上に落ちている

枯れたランの花茎の上)で、何かを捕食中。

頭部に沢山並んだ眼点とベージュの体色、

これは前回見たのと同じ種類のリクウズムシですね。(同じ個体かも)

ボールみたいに丸くなって、獲物に巻き付いて食べていますね。

長い体のまん中当たりをうにうに動かしているので

おそらくコウガイビルと同様、このあたりから胃袋を外に出して

体外消化しているのでしょう。

上のカットを撮影した時点から3時間近く経って、

リクウズムシはゆっくりと獲物から離れて去って行きました。

今回の獲物はオカダンゴムシでした。

なるほど、巻き付いた形がボール状な訳ですね。

ところで熊本の地震、まだ震度5前後の揺れが続いています。

大分の方にも被害が広がっているようで心配です。

死者数も44人に増えてしまいました。

本震と言われている16日未明の地震が震度7に訂正されましたね。

現場報道は相変わらずひっきりなしですが、

16日以降、TV各局の報道に大きく変化したことがあります。

発表の義務がある気象庁の担当官以外、

およそ専門家と言われる人たちが一切何も言わず、

画面にも全く出て来なくなりました。

多分、それほどに未知の地震だと言う事なのでしょう。

とにかくこのまま終息に向かう事を願いますが、

どこで何が起きてもおかしくない状況なのだという事を

忘れずに心に留めておく必要がありそうです。

 

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似たもの2種

「似たもの2種」といってもいろいろありますが、先日散策していたら、

春のシソ科の似たもの2種がピッタリと並んで咲いていたので

いい機会とばかりにちょいとスナップ。

なんだかいかにもわざとらしく並んでいますが、やらせじゃないですよ(笑)

本当にこう咲いていたのです。

咲き具合も高さもちょうど良くて、被写体としては絶好のお二人さんでした。

代表的な雑草なのできっとご存知の方も多いと思いますが、

せっかくなのでちょっと情報整理しておきましょう。

まず種名ですが、左がホトケノザ、右がヒメオドリコソウ。

前記した通りどちらもシソ科、

そして秋に芽を出し、株の姿で越冬する二年草(越年草)です。

ホトケノザは日本古来の植物ですが、

ヒメオドリコソウはヨーロッパ原産の帰化植物です。

割合縁の近い植物同士なので、花の色や形もよく似ていますね。

どちらもピンクに近い赤紫ですが、ホトケノザの方がビビッドで

ヒメオドリコソウはほんわりしたライトトーン。

ホトケノザの方がよりつき出すように首を伸ばした形状です。

また、ホトケノザは花冠部にベルベット状の毛が密生していて、

蕾の状態だとその先端だけが、葉の隙間から玉状に覗く姿が印象的です。

どちらの花にも唇弁に斑点模様があり、

受粉昆虫に蜜のありかを知らせる「蜜標」になっています。

葉に注目すると、左のホトケノザでは葉の縁に切り込みが目立ちますね。

葉が対性なので2枚対になって茎を取り巻きます。

これを仏像の蓮座に見立て、付いた名前が「仏の座」。

一方のヒメオドリコソウは、茎の先端に行く程葉が重なり合って

蓑のような形状になっています。

そしてまた、先端に行く程葉の色が紫がかり、

きれいなグラデーションの様相を呈します。

ホトケノザでは花冠にベルベット状の毛がありましたが、

ヒメオドリコソウでは葉にベルベット状の毛があり、

ほわほわとした柔らかな印象を受けます。

よくみるとこんなに違うのに、一般的にはよく混同されてしまうこの2種。

生える環境も似たような好みのため、

あぜ道や林縁、道端、畑の隅などでしばしばデュエットしています。

この2種に、空色の花のオオイヌノフグリを加えた

「春の原っぱのクッション御三家」、

きっとあなたのご近所でも見られると思いますよ。

 

Hotoke_odoriko

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城ノ内のヒキガエル

設計・施工から5年が経過した城ノ内小学校のビオトープに

ヒキガエルの卵塊が沢山産みつけられました。

じつは4年経過の昨春に初繁殖を確認したのですが、

今年は卵塊のボリュームが倍以上はありそうです。

これは、産卵するメスの個体数が増えたという事。

勿論、この卵塊を産んだメスはこのビオトープの出身ではありません。

周辺の環境に残っていたヒキガエルが

小学校に新設されたビオトープを見つけて繁殖に利用し始めたという事です。

我が家の池でもそうでしたが、

繁殖に参加するヒキガエルの個体数は

繁殖が始まった春から徐々に増える傾向を見せます。

もちろん増え続ける初期の数年間は、

どこか別の水域で産まれ、周辺に住み着いたカエルたち。

それが新たに繁殖に好適な環境が生じた事で、徐々に利用し始める・・・

私はこれを「カエルの口コミ効果」と呼んでいます。

まさかホントに口コミで情報が広がっている訳では無いでしょうが、

同様の傾向はニホンアカガエルやニホンアマガエルでも見られます。

きっと、「適した水の匂い」が、分かるのでしょうね。

 

Johnouchi_hiki_rankai

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真冬ベリー

この季節、筑波山麓周辺を散策していると

地際に散らばるように赤い実がなっているのをあちこちで目にします。

実をよく見ると楕円形の腋果が球状に集合した姿に、

それが野いちごの仲間であるとすぐにわかります。

その名もフユイチゴ。

フユイチゴはさらに細かくいくつかの亜種に分かれていますが

とりあえず冬に赤い実を付ける野いちごはこのフユイチゴの仲間です。

美味しそうですよね。食べてみましょうか。

期待はまずまず裏切られません。

アマミも酸味も弱いのですが、ナワシロイチゴのような渋味は無いので

そこは安心して口に放り込めると思います。

しかし、個体差があるのはもちろん計算に入れておかないと・・・

ナワシロイチゴに、酸味も渋味も少ない「当たり」があるのと同じで、

フユイチゴにだって「はずれ」もある訳ですね(笑)

ジャムにすると色がきれいです。

作るときは、目が少し細か目のザルでつぶすのと

種子をとり除くのを兼ねてこします。

成分濃度が低い分、ペクチンが期待できませんから

スライスレモンを一緒に入れて煮ます。

色が悪くならない様、煮る時間は短めに。

私は煮込みの途中で、つぶしていない、へたを取っただけの実を加えます。

ベースのペーストの中にごろっとした実が混じって、面白いですよ。

フユイチゴのもうひとつの見どころは常緑の葉。

丸くつやつやしていて、実に負けずよく目立ちます。

フユイチゴは明るい雑木林などよりも

社寺林や日当りの良くない常緑樹が多い谷筋に多く生えています。

野鳥や動物たちにとっては、冬の貴重な食べ物ですね。

実を採取するときは枝や葉柄の細かいトゲに注意して下さい。

そして、持って帰るのとは別に、一つか2つその場で味見して

種子はお行儀悪く「ペッ!」その場に捨てちゃいましょう。

これがフユイチゴへの謝礼であり、森のたしなみなのでした(笑)

 

Fuyuichigo_mi

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人生いつしか向かい風

Uranamishijimi01

 

枯れ葉色ばかりが目立つ初冬の草はらですが、

セイタカアワダチソウやコセンダングサが僅かに咲き残っています。

そんな寂しい景色の中に、鮮やかな青紫を見つけました。

ウラナミシジミです。

名前の由来となった波模様の裏面の画像も、下に貼り付けておきました。

ウラナミシジミは寒さが苦手な南方系のチョウで、

関東圏では房総半島や三浦半島の南端部でないと越冬する事が出来ず、

冬の寒さでもれなく死に絶えてしまいます。

それでも翌秋になるとまた関東でも東北でも、北海道でさえ見られます。

それはこのチョウが世代交代をしながら、北上を繰り返しているからです。

夏までは南からの追い風で順風満帆の人生なんですが、

秋になるといつしか向かい風に変わっているという、

何ともしんどいストーリー・・・

そんなこのチョウの生態を考える時、

いつも頭に浮かぶのが、毎年南の海から北上し、

やはり関東沿岸あたりで冬を迎えて死んでしまう鮮やかな熱帯魚たち、

いわゆる「死滅回遊魚」です。

生き様としてはウラナミシジミとよく似ていますよね。

昆虫ではウスバキトンボも同様の生態を持っています。

これらの種はみな冬を前に南へ移動する旅蝶アサギマダラとは違い、

完全な片道旅券型です。

毎年無駄な事を繰り返しているようですが、

近年は少々事情が違って来ている様です。

温暖化なのでしょうね。彼等の生き残れる終着点が少しずつ北上の傾向。

私の住んでいる北関東で、ウラナミシジミが冬を越す日が

そう遠くない将来、やって来るのかも・・・

 

Uranamishijimi02

 

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撮影リベンジ

今月3日にアップしたモンキツノカメムシですが、

エサキモンキツノカメムシと区別するポイントが

光でてかってしまった失敗ショットでした。

しかし、運良く先日同じ林で再会する事が出来、

思いのほか早くリベンジショット。

今度は背中の淡黄色紋が♥ではなくおにぎりである事がわかりますよ。

まあ、特に芸術的な画像ではありませんけど(笑)。

それにしても、茨城では滅多に見かけないこのカメムシ。

短期間で再会できるとは思っていませんでした。

特にレッドリストに挙がっている訳でもないようなので

東京都南西部では普通に生息しているのかもしれませんね。

 

Monkitsuno_again

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えのころ空穂

今日は早朝から出発しての環境調査。

首都高速が比較的スムーズに流れていたので、調査地の東京都南西部には

まだ空気がヒンヤリしているうちに到着しました。

森の日陰はもう初冬の雰囲気たっぷりで、青黒っぽく沈んだ色合い。

低い朝日がその手前のエノコログサを光らせていました。

その穂をよく見ると、しっかりと結実した種子は既に脱落し、

茎からじかにねこじゃらしの毛が生えているように見えます。

もはや空穂の風情となっていました。

この時期のイネ科の姿っていうのも、

あらためて見るとなかなか「いとをかし」ですよね。

ススキにオギにコブナグサなんかも逆光で見るときれいです。

チカラシバの紫に光るのぎも美しいのですが、

あれはベタベタとズボンにくっ付くからやだなぁ(笑)

この時期は紅葉もさつことながら、こうした草たちの

晴れれば空穂、降れば草紅葉が案外見どころです。

 

Enokoroutsubo

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失敗ショット

先日、久し振りにモンキツノカメムシに出会いました。

背中にギターピックの形をした薄黄色の紋があるのがこのカメムシの特徴。

よく似た種類に「エサキモンキツノカメムシ」というのがいますが、

こちらはギターピックの部分が♥マークになっています。

じつは、♥マークののエサキ・・・はさほど珍しいものではないのですが、

普通のモンキツノカメムシは、エサキモンキツノカメムシにくらべると

ずっと少ないように感じます。

確か茨城県だとレッドデータ入りしているんじゃなかったかな。

そんな貴重な出会いなのですかさずシャッターを切ったのですが、

家に帰って写真を見てがっかり!

背中に一本ピッと光沢のラインが入って、

♥マークとピック型を見分ける肝心の部分が見えていない・・・

間違いなくモンキツノカメムシなんですけどね~。

なんとも情けない失敗ショットでした(笑)

 

Monkitsuno

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野山で食うべし

私、野外での調査をしていると

ついつい連続的な作業に没頭して給水を忘れてしまいます。

脱水でかるーく立ちくらみがして初めて、

「ああ、そういえば全然飲んでなかった・・・」なんて。

しかし、今回はちょっと事情が異なりました。

車に飲み物を忘れてしまったのです。

今いる林の中から車までは斜面を登って12~13分、

戻れるんだけど戻りたくない実に微妙な距離です(笑)

そんな時、目の前のブッシュにアケビを発見!

どうぞ食べて下さいと言わんばかりに

今さっき割れたばっかりという感じです。

・・・美味かった。正直初めてアケビを美味しいと思って食べました。

アケビって香りがある訳でも酸味がある訳でもなく、

ただただ甘いじゃないですか。

でも、意外にも少しばかりのどの渇きを癒す事が出来ました。

勿論食べながらお礼の種子散布。

種子の数が多くて毎度ながら食べにくいもんですが。

これを家に持ち帰ると、観賞の楽しみは充分ですが、

そんなに美味しいってものでも無いんですよねー。

やはりアケビは「おおっ、アケビ見~つけた!!」って

テンション上げて、野山で食べる自然のおやつですね。

 

Akebi151015

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咲き始めの依存度

あちこちでセイタカアワダチソウが咲き始めました。

嫌われ者の侵略的外来植物ですが、

一方ではもはや秋の風物詩的な立ち位置を得始めています。

当初は「花粉症の原因だ」なんてぬれぎぬもありましたけど

虫媒花として大きな花粉を持つこの花は

もちろん花粉症の原因にはなりません。

実際のところ、花が急速に減り始める季節にあって、

この花は案外訪花性の多くの昆虫に頼られています。

画像は今調査のお仕事に行っている八王子市のカット。

スゴく広い法面の殆どがススキとオギ、

そしてセイタカアワダチソウに覆われている場所なのですが、

この一本が無数にある中で一番最初に咲き始めた株です。

するとご覧の通り、

待ちかねたとばかりに押し寄せたコアオハナムグリでごった返しています。

きっと平均的に咲き始めたら、こんな密度にはならないのでしょう。

困りものの花ですが、間違いなく頼られてはいます。

 

Awadachi_koao

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