かたつむり

帝釈さん

幾分光沢が強めなダークワインレッド。

そして、印象的な肋を刻む成長脈。

これこそ長年あこがれだったキセルガイ、タイシャクギセルです。

まるで海の貝みたいな素敵な殻は、

強いアイデンティティを放っていますよね。

広島県の帝釈峡に特産であるため、「帝釈煙管」の名を持っていますが

その後岡山県のごく一部にも生息している事が判明しました。

まあ、いずれにしても大変な希少種です。

このタイシャクギセルはいただきもので、

初夏に幼貝の状態で我が家に届きました。

その後すくすくと成長し、夏の盛りに成貝になりました。

繁殖してくれると非常に嬉しいのですが、

今のところまだその兆しはありません。

・・・というか、

この貝には繁殖確認の重要な証拠である『卵』が存在しません。

なんと卵胎生なのです。(まあ、そういうキセルガイは

ですから繁殖の判明形態は、いきなり

「赤ちゃんがいる!」という事になる訳です。

早くそんな驚きを味わいたいものです。

 

Taishakugiseru_2

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温室の日除けとカタツムリ

Nippon_hiyoke

 

もう呆れ果てそうな位、雨ばかりの関東地方。

喜んでいるのは陸貝一家ぐらいのもんです。

その庭のカタツムリたち、最近やたら温室の遮光シートに付いています。

何をしているんだろうとよく観察してみると、

どうやら遮光シートに付いた微細な藻類を食べている様です。

上はニッポンマイマイの亜成貝。

比較的すその方をゆっくりと移動していました。

下はヒダリマキマイマイの幼貝で、こちらはお昼寝中です。

この他にもミスジマイマイやウスカワマイマイも

この温室日除けに日参しており、

彼等にとってにわか人気スポットになっている様です。

この日除け、もう少しではずして保温カバーに取り替える時期なので、

ちょっとばかり困っています(笑)

 

Hidari_hiyoke

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食道が丸見え

飼育しているアマノヤマタカマイマイの幼貝が、

一心不乱にカルシウムチョークを食べています。

カタツムリの仲間はみんな殻を作るためにカルシウムを摂取しますが、

殆どの種類が「しばしばまとめ食いをする」という方法をとるようです。

このまとめ食いをしたあとは、カルシウムだけで構成された

真っ白なフンを「まとめ出し」(笑)

食べたうちの何割が殻の材料として摂取されているのか分かりませんが、

あまり摂取効率はよろしくない様ですね。

幼貝は体は小さいので、口から入った真っ白なカルシウムが

どんな風に消化管に送られていくのか、目で見ることができます。

画像をご覧下さい。よく見えますね。ほとんどバリウム状態です。

先端に眼がついた2本の大触角の間に見える白い筋、これが

口にある歯下で削り取られたカルシウムが最初に通過する食道です。

食道はすぐに下方へ潜り込み、Uターンをするようにまた上方に現れ、

さらにもう一度後方へUターンするとぐっと太くなります。

じつはこの部分が胃です。

その先は殻の中に入って行くため見ることができませんが、

胃から出るとまた消化管は細くなり、

殻の頂部寄りの肝臓に接するところまで達すると、

そこから反転して殻の出口に向かいます。これが腸管。

画像の個体よりも小さい「稚貝サイズ」になると殻がごく薄いため、

カルシウムを食べた際、殻の中の様子を一部観察する事ができます。

ちょうどそういう画像を昨年このブログでアップしているので

併せてそのカットももう一度掲載してみます。

ちなみに、殻の中の消化管のレイアウトはほぼ固定ですが、

活動時に殻の外に出ている部分のレイアウトは体の伸び縮みや

ひねり方に寄ってかなり自在に変化・融通がきく様です。

このあたりはさすが軟体動物ですね。

 

Amano_shokudou

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点線の謎

Hidarimaki1607

 

最近庭で頻繁に見かけるようになった数種類のカタツムリ。

これまでこのブログで何種類か紹介してきましたが、

写真のヒダリマキマイマイも

以前に比べるとかなり頻繁に見かけるようになったカタツムリです。

庭にいるカタツムリの中ではミスジマイマイと並ぶ大型種、

中には平均的なミスジマイマイを超え、

殻径40ミリ以上に達するヒダリマキマイマイもいます。

今朝は洗濯物を干そうとしたらウッドデッキの上にいて、

危なく踏んずけちゃうところでした(笑;)

この個体は殻径34ミリほどと、あまり大きくありませんが

殻口が反り返っているのでもう立派な大人です。

デッキの乾いた板の上を移動しているので、

カタツムリが這ったあとは濡れて黒く見えるのですが、

気温が高いため空気が乾いている時の飛行機雲みたいに

後ろの方から軌跡が消えて行きます。

そこで面白いなと思ったのが下の写真。

消えて行く軌跡は、程よく一定した点線になるのです。

なんででしょ?

物理的には、水分量が多いところが残る・・・という事なのでしょうけど

それは一体何故か・・・

乾いたところを移動するとき、カタツムリは脚(腹足)の接地面から

水分を分泌しながら進みます。脚を進行方向にすべらせ易くするためです。

その時の水分量に一定の増減があるか、

または、水分量に変化はないものの、一定のリズムで

強く接地させたり弱く接地させたりしているか・・・ですね。

多分後者なんだと思います。

カタツムリの進み方は、見てくれこそ違いますが

シャクトリムシの進み方と似ています。

前後に長い腹足を部分的に収縮させたり伸長させたりして前進します。

どこかの部分、例えば前の方が伸長するとき、

他の部分が収縮して体を固定しないと

伸長させた部分が効果的に前の方へ出ませんものね。

きっとガラス面を移動させ、裏から細かく観察すると

もっと詳しく分かるのでしょう。

・・・もうすぐ夏休み。

全国の小学生諸君!自由研究のネタだぞ~(笑)

 

Hidarimaki_ashiato

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ヤグラ繁殖開始

Yaguragiseru1607

 

殻のサーモンオレンジが特徴の小さなキセルガイ、ヤグラギセルが

何やら楽しそうな事をやっています。

同じケースのあちらこちらで、

こうして2匹から5匹のグループが出来上がります。

これが見られ始めると繁殖シーズンの幕開け。

今年は6月中旬頃からこうした「つるみ」が確認でき、

ここ数日前から下の写真のような姿も見られるようになりました。

殻の3分の一ぐらいまで底床に突っ込んで、

まるで殻がまっすぐに突き刺さっているように見えますね。

我が家ではこれを「犬神家現象」と呼んでいます(笑)

じつはこれこそが産卵行動。

多くのキセルガイがこのスタイルで産卵します。

ヤグラギセルの場合、一回の「犬神家」で産む卵は1個きり。

終わるとまた普通に行動し、数日から一週間程で次の産卵を行います。

キセルガイは基本的に長生きさんが多いですが、

この産卵はやっぱり体力を使うんだろうな~と思います。

お疲れさん・・・

 

Yagura_sanran

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ついに尻尾をつかまえた!

少し前に落ち葉かきをしていた時、

小さな小さなカタツムリの殻を見つけました。

壊れかけたその殻は透き通った琥珀色をしていて、

向こう側が透けて見える位、薄くて軽いんです。

直径は3~4ミリ・・・

殻の主はベッコウマイマイの仲間。

その時は2個の殻を見つけ、ひとつは底の中心寄りが白く抜けていたので

ウラジロベッコウと分かったのですが、

もう一つの種類はどうにも名前がわからない・・・

でも庭にいるのなら、ぜひ生きている個体に遇ってみたいと思っていました。

そして今日、ついに生きたベッコウマイマイに出くわしました。

見たところまだ幼貝で、殻の直径は3ミリ足らず。

でも、つやっつやのウイスキーみたいな色の殻は

前に見つけた死殻よりも、ずっと美しく輝いていました。

落ち葉に投影された殻の影に注目。

何と美しい光の世界を内包しているのでしょう!

よく観察してみたところ、どうやらウラジロベッコウでは無さそうです。

前に見つけたもうひとつの方かな・・・

雰囲気的にはナミヒメベッコウと言いたいところなのですが、

この仲間は同定の自信が無いのでやめときます(笑)

それにしても「カタツムリで尻尾をつかまえたはないでしょ」と

お思いの方もいらっしゃるかもしれません。

でもね、あるんですよ。ベッコウマイマイの仲間には。

尻尾というか、脚の後端にツンと上を向いた突起状の部分が・・・

掲載の写真だと上からのカットなのでちょっと分かり辛いですね。

でも、後端の色の濃い部分がつんと手前に突き出しているんですよ。

これが何の役に立つのかは全くわかりませんし、

明確に書いた文献も見たことがありません。

ぐぐっていたら、こんな↓ブログを発見!

http://blog.goo.ne.jp/18680531/e/d138e4c24acf660afd17e506446de44a

管理人さんは突起部分から何か出ているところをレポートされています。

「液体」と表現されているけど、もしかしたら球状の肉質かもしれません。

ほかのマイマイに見られる「頭瘤」みたいなもなのかな・・・

移動スピードがめちゃくちゃ早いし(撮影大変でした:笑)

中には跳ねるヤツもいるし、

タカラガイみたいに外套膜が殻を覆ているヤツもいるし・・・

とにかくベッコウマイマイの仲間は、不思議いっぱいのかたつむりです。

 

Bekkou_sp

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ふえてる陸貝3

つい先週まで湿度が30%を切るような日が続いていたのですが、

ここへきてやはり空気が湿ってきました。

いよいよアジサイとカタツムリのシーズンですね。

というつながりでもないのですけれど、

今日は庭でふえてる陸貝の第3弾。

今回の陸貝はキセルガイの超普通種、ナミコギセルです。

本当にさして珍しくもないキセルガイですが、

新規造成という形でリセットされた更地には当然いませんでした。

もともとはいた可能性も低くないのですが、

ま、そういう訳で一旦いなくなった次第です。

そのナミコギセルを庭でまれに見かけるようになったのは5年程前から。

庭を作り始めて6~7年が経過したあたりです。

その頃はたまに見かけたにしても1個体のみ。

一度に複数を確認する事はありませんでした。

ところが今年の春、落ち葉掃きをしていたら深く堆積した落ち葉の下で

複数の個体が寄り添うように越冬しているのを数カ所で発見!

いつの間にか定着していたようです。

でも、なかなか目に付くところに出て来て活動してくれない貝なので

一体いつ頃からどの位いたのか分かりません。

ひょっとしたら1個体をたまに見かけた頃から、

じつはけっこうな個体数がいたのかも知れません。

ひっそりと忍び寄り、今も人目を忍んで

こっそり仲間をふやしているナミコギセル。

出ない杭は打たれる事も無くじつに平穏の暮らしています。

本当は庭でもっとも個体数が多い陸貝なのかもしれません。

 

Namikogiseru1605

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ふえてる陸貝2

6月に突入・・・おお、今年も折り返し点ですねえ!

早いなあぁー、なんでそう急いで年をとらせるかねえ・・・とか

考えちゃう年頃のぐりおです(笑)

さて、今日の話題は先月18日にアップした「ふえてる陸貝」の続き。

庭の木が成長し、毎年毎年秋に落ちる落ち葉の量が増えると、

今まで見られなかった陸貝、非常に少なかった陸貝を

しばしば目にするようになってきました。

写真のカタツムリもそんな種類のひとつ。

名前がちょっと長くてトウキョウコオオベソマイマイといいます。

東京で見つかった小さなオオベソマイマイという意味です。

オオベソマイマイの仲間の殆どは殻を裏側から見た時、

巻きの中心部分の穴がおおきく窪んでいることから付いた名です。

殻の直径が10ミリ前後の小さなカタツムリで、

殻そのものは赤茶色をしていますが、軟体部が黒っぽいので

生きている時は殻もその黒が透けて焦げ茶色に見えます。

庭が出来たばかりの頃は、庭でその姿を見る事は無かったのですが、

近所の竹林の際や高い草はらでしばしば見ていたので

きっといつかは庭にも住み着いてくれるのではと期待していました。

写真は雨上がりに落ち葉の裏で寝ているところを撮影したもの。

見つけたときは4個体いたのですが、部屋にカメラを取りに行っている間に

1個体は移動してしまいました。

左の個体も起きて移動を始めた後ろ姿で、

黒っぽい軟体部がちょこっとのぞいていますね。

休んでいるところを起こされてちょっとばかり不機嫌かもしれません。

ごめんよ~(笑)

 
Tokyokooobeso1605

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ふえてる陸貝1

庭の工事に初めて手を付けたのが、

まだ家の建築工事が入る半年以上前の2003年5月。

最初の作業は敷地内のどこをどう使うかを考え、

庭ビオトープの顔であるミニ雑木林をつくる場所に

どんぐりから育てたクヌギやコナラの苗木を植える事でした。

その時はまだ樹高2メートルに満たない鉢植えの樹木も

13年目を迎えて軒並み10メートル超えです。

その樹木が毎年落とす落ち葉が分解され、庭の表土には

まだうっすらとですが、腐植層ができています。

土壌・地層学でいうところの「A層」ですね。

このA層には数え切れないくらいのちんまい生物がいて

生きた地表を構成するようになります。

庭も10年が経過したあたりから、そういう生き物たちのつながりが

少しばかりですが垣間見えるようになりました。

そしてここ数年、庭ではカタツムリの仲間が増えて来ています。

種類数・個体数ともにです。

・・・・と、ここまで長々書いておいてナンですが、

今日掲載する種類はそれとはあんまり関係なく増えてる陸貝(笑)

でも、造成直後の更地だった頃には間違いなくいなかった種類です。

名前はオカチョウジガイ。

別に珍しい種類でもなく、というかむしろ人為的な環境下では

もっとも身近なカタツムリで、高層住宅のベランダにもいたりします。

ひょっとしたらあなたのおうちにもいるかもしれませんよ。

一番いる確率が高いのはベランダや玄関の外に置いた植木鉢の下です。

殻長5ミリ前後のとても小さな巻貝ですが、

軟体部があざやかな黄色をしています。

写真の場所はやはり玄関脇に置いた大きな植木鉢の下です。

鉢をどけてみたら、大きいのから(と言っても5ミリ以下)

チビちゃんまで、ひと家族が一家団欒してました(笑)

おそらく周辺の土地から時間を掛けて(多分何代にもわたって)

やってきたのでしょうが、

うっかり私が前の家から連れて来た可能性も否定できません。

でも、そんな人為的環境が得意なオカチョウジガイでも

表土が造成直後のまっさらなものだとあまりお好みではありません。

じつはこの貝、アリの巣の中でよく見つかります。

また、ミミズが掘って土を食べながら移動した空間なども大好きです。

つまりアリやミミズが利用した環境のニッチに入り込む訳です。

だから、ただ植木鉢があるよりも、植木鉢が何年も置かれて

その下がいろんな生き物に利用されるようになると、俄然増えて来ます。

オカチョウジガイが増えて来たという事は、

私がこの場所に生活の拠点を移してから

ようやく土地の仲間入りをさせてもらったという証しなのかもしれません。

  

Okachouji

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繁殖期突入

Uraki_kousetsu1605

 

今日は外は強風、未明には雨も横殴りに降っていましたが、

朝には上がって、以降は強風だけが残っています。

というか、風はむしろ強くなってい感じで、

もはや雨のお湿りの恩恵はほとんど帳消しになってしまいました。

風のない室内の飼育水槽では、ウラキヤマタカマイマイに春が来ていました。

といっても宮古島特産のこのかたつむりには

本来当地の四季はあまり関係ないはずなのですが、

初の試みとして冬の間特に加温せずに飼育していたので、

春が来て結果的に温度湿度のあんばいがちょうど良くなり

交接しているということでしょう。

他のカタツムリたちもいよいよ繁殖シーズンに突入です。

でも、お世話できないとかわいそうなので、

あんまり増やさないようにしなくては・・・です(笑;)

 

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